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[米軍違反飛行] 安全軽視は許されない(2019年11月5日配信『南日本新聞』ー「社説」)

 手放しの操縦や読書、ひげをそりながらの自撮り-。飛行中の戦闘機内でこうした危険極まりない行為が横行していた。安全軽視も甚だしい。

 米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)所属の戦闘機部隊が起こした事故について、第1海兵航空団(沖縄県)がまとめた調査報告書で相次ぐ規則違反の実態が明らかになった。

 米軍の規律や管理態勢は一体どうなっているのか。日本政府は事実関係を早急に確認し、米軍に再発防止策の徹底を求めるべきだ。

 調査のきっかけは、高知県沖で2018年12月に発生したFA18戦闘攻撃機と別部隊のKC130空中給油機の空中接触だ。その過程で、16年4月に沖縄・嘉手納基地沖で空中給油中に起きた接触事故もさかのぼって調べた。

 報告書によると、事故の背景として部隊内に「薬物乱用、アルコールの過剰摂取、不倫、指示違反といった職業倫理にもとる実例」が存在したと指摘した。

 部隊の規律を指導すべき隊長が、機内で酸素マスクを外した姿を撮影し、通信アプリのプロフィルに掲載していた。高知の事故では乗務員2人の尿から睡眠導入剤の成分が検出された。安全置き去りと言っても過言ではない。

 さらに問題なのは、16年の沖縄での接触事故を公表せず、正式な調査も見送っていたことだ。

 事故は給油ホースが破損したものの、両機は順次嘉手納基地に着陸し、けが人はなかった。FA18の操縦士が月明かりのない暗闇の給油で、機体の高度や体勢を把握できない失調状態に陥ったとされる。事故の深刻度は4段階で下から2番目の位置づけだった。

 高知沖の墜落事故は、その2年7カ月後に発生し、6人が犠牲になった。沖縄の事故を操縦士の人為ミスとして重大視しなかったことで結果的に教訓が生かされなかった。報告書が「(沖縄で)調査していれば、(高知は)防げた可能性がある」と内部批判したのは当然だ。たとえ軽微な事案であろうと、精査しなければ再発は防げない。

 沖縄の事故が日本側に報告されなかったことについて、米側は「通報は日米両政府間の合意に沿って行われる」とするが、どの合意の条項で判断したか、明らかにしていない。日本政府はなぜ通報しなかったのか、米側をただす必要がある。

 岩国基地は在日米軍再編に伴い、米軍厚木基地(神奈川県)から約60機の空母艦載機移駐が昨年完了、極東最大の航空基地である。

 海上自衛隊鹿屋航空基地周辺では、岩国所属のKC130が9月に訓練を開始し、その後も「タッチ・アンド・ゴー」などを実施している。住民の不安払拭(ふっしょく)と安全確保に向け、県や鹿屋市も毅然(きぜん)と対応すべきだ。




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