FC2ブログ

記事一覧

岩国米軍機の違反横行 安心脅かす飛行許すな(2019年11月5日配信『中国新聞』ー「社説」)

 米海兵隊岩国基地(岩国市)所属の戦闘機部隊で、重大事故につながりかねない規則違反が横行している。そんな危険な実態が、米軍の調査報告書で明らかになった。

 乗員が飛行中に手放しで操縦したり、読書したり、さらにひげを整えながら自撮りも―。とんでもない規律の緩みで、安全軽視にも程がある。

 戦闘機は操縦を誤れば、地上の人や施設などを巻き込む事故を引き起こしかねない。重責を負う自覚の乏しさはあきれるばかりだ。住民の安全、安心を脅かす飛行は到底許されない。

 岩国基地は今や極東最大級の航空基地である。在日米軍再編に伴い、所属機は約120機に倍増し、日常的に爆撃機が飛行している。にもかかわらず安全意識が低すぎる。すぐに飛行を停止すべきだとの声が、住民から出たのも当然だろう。

 調査のきっかけは、昨年12月の高知県沖の事故である。いずれも岩国基地所属のFA18戦闘攻撃機とKC130空中給油機が接触し、6人が死亡・行方不明になった。

 報告書は、操縦士の経験不足などを直接の事故原因とした。一方で、乗員2人の尿から睡眠導入剤の成分が検出された。部隊の管理の甘さが明らかになったと言えよう。

 さらに問題なのは、その約2年半前に類似の事故が起きていたことだ。沖縄県沖で岩国基地所属のFA18とKC130が接触した。だが、けが人がいなかったことなどを理由に詳しい調査はしないまま。再発防止策はもちろん、原因も徹底追究していなかった。

 このとき見過ごしていなければ、基地の管理態勢や規律意識の低さにメスが入り、高知沖の事故は防げた可能性がある。結果が軽微なら原因を追究しない甘い姿勢が、重大な事故を招いたことは否定できない。

 さらに岩国基地の部隊では、薬物乱用やアルコールの過剰摂取などもあったという。戦闘のため極限状態にある米兵は、基地内ではある程度、自由な振る舞いが認められてきたようだ。しかし、いったん基地の外に出れば許されていいはずはない。

 事故の再発を防ぐには、軽微な事案であっても見逃さず、重大なミスにつながらないか精査する抜本的な対策が必要だ。部隊の規律の徹底も欠かせない。

 米軍は高知県沖の事故後、隊長ら4人を更迭した。管理の甘さを少しは認めたのだろう。しかし基地内だけの対応で済まない、住民の安全に関わる問題だ。そうした意識を欠いていることが、規律意識の低下を招いた要因だと言わざるを得ない。

 日本側は、沖縄県沖の事故について米軍から報告を受けていなかった。高知県沖の事故では捜索に加わっただけで、事故調査では蚊帳の外だった。日米地位協定で手出しができないためで、見直しが急がれる。

 米軍は先月、パラシュート降下訓練を、日米間で合意していない沖縄の嘉手納基地で実施した。こうしたルールを軽視する姿勢が、隊員の規律の緩みを招き、安全軽視にもつながったのではないか。住民の不安を無視した飛行は、さらなる規範低下を招くと肝に銘じるべきだ。

 日本政府は、安全対策や規律を徹底するよう米軍にきちんと要望しなければならない。




スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ