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米軍の重大事故/身勝手な対応に募る不信(2019年11月7日配信『神戸新聞』ー「社説」)

 本当に日本の安全を守る気があるのか。そんな疑問さえ抱かせる、在日米軍の振る舞いである。

 典型例が、軍用機などが日本国内で起こす重大事故への、不誠実としか言いようのない対応だ。

 3年前に沖縄県沖で米海兵隊岩国基地の戦闘機と空中給油機が接触事故を起こしながら公表せず、正式な調査もしていなかったことが、米軍の調査報告書で新たに判明した。

 同じ基地の戦闘機と給油機は、昨年12月にも高知県沖で接触、墜落事故を起こしている。この事故では6人が死亡した。沖縄でのいいかげんな事故調査が、より重大な事故につながった可能性がある。

 高知では、事故の捜索に自衛隊も加わった。しかし、背景にあると指摘される沖縄での事故については、日本側に情報提供がなかった。

 どちらも市街地などに墜落すれば大惨事になる恐れがあった。政府は米軍に厳重抗議すべきだ。ところが外相時代にしばしば押しの強さを誇示した河野太郎防衛相も、この件ではいまひとつ煮え切らない。

 国民の命と安全を守るのが政府の最大の責務である。詳細な説明と再発防止を米軍に迫るのは当然だ。日本が安全対策の状況を確認できるルールも定める必要がある。

 沖縄や高知の事故はいずれも夜間に起きた。戦闘機の操縦士が機体の高度や体勢を把握できなかったとされ、訓練不足が原因とみられる。

 耳を疑うのは、重大事故につながりかねない規律違反が他にも報告書で指摘されていることだ。

 戦闘機を手放しで操縦する。操縦中に読書をする、ひげをそりながら写真を自撮りする。

 薬物乱用やアルコール過剰摂取も指摘され、高知の事故では乗員2人の尿から睡眠導入剤が検出された。緩みが放置されていたのなら事故を起こす危険は増すばかりだ。

 米軍はパラシュート降下訓練を、沖縄本島の嘉手納基地で繰り返し実施している。沖縄の伊江島に集約すると日米で合意しており、河野大臣が中止を申し入れた。なのに要請を無視するように、今年はこれまで計4回も行っている。

 米軍は「悪天候などの際に嘉手納を使う」と主張する。だが現状は例外と原則が逆転しており、筋が通らない。事故処理と同様、身勝手としかいえない対応である。

 そもそも、日米地位協定では米軍による事故現場に日本の行政や警察の立ち入りが許されない。そうした不平等な取り決めが米軍の姿勢の背後にあるのは間違いない。

 続発する危険行為に歯止めをかけるため、政府は対等な協定への見直しを毅然(きぜん)と申し入れるべきだ。




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