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「障害者にならないと分からないことがあった」(2019年11月8日配信『新潟日報』ー「日報抄」)

 公共施設や商業施設、駅では多機能トイレをよく目にする。車いすの人が使いやすいようにスペースを広く取り、手すりがある。人工肛門・ぼうこうを設けた人のためには専用の流しがある

▼幼い子のおむつを替える台も設置されている。子育て中に時折利用した覚えがある。社会のバリアフリーを具体化した設備だが、多機能なゆえに課題が指摘されるようになった。利用者が増え、必要としている人がすぐに使えないことがあるという

▼国土交通省が2012年にまとめた多機能トイレの利用実態調査によると、車いすを使う人の約94%が多機能トイレで待たされた経験があった。施設の不足を感じている人も約75%に上った

▼重度障害がある木村英子参院議員(れいわ新選組)が、国会で初めて質疑に臨んだ。かつては車いす利用者が対象だったトイレに各種機能が加わったため利用者が増えて使いにくくなったと訴え、ニーズに合わせたトイレを増やすよう求めた

▼恥ずかしながら、言われてみれば...である。その立場に置かれないと見えないことは多い。自民党総裁や財務相を務めた谷垣禎一さんは自転車事故で頸髄(けいずい)を痛め、車いす生活を送る。「障害者にならないと分からないことがあった」と、政界引退後もバリアフリー社会に向けた提言を続ける

▼相手の立場で考える。想像力を働かせる。とても大切なことだ。ただ、そう心がけても十分に思い至らないこともあり得る。当事者の思いに触れ、受け止めるところから始めたい。




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