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<子どものあした>「居場所」から地域再生へ 県が「こども食堂フォーラム」46団体ブース出展(2019年11月8日配信『東京新聞』ー「埼玉版」)

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「こども食堂フォーラム」のブース展示場で話し合う参加者=いずれもさいたま市大宮区で

 子どもの居場所づくりを後押ししようと、県は6日、さいたま市大宮区の大宮ソニックシティで「こども食堂フォーラム」を開いた。食事を振る舞う子ども食堂や、勉強を教える学習支援教室、自由に遊ぶことができるプレーパークを手掛けたり、それらの活動を支援したりする46団体がブースを出展。講演会や討論会、事例発表もあり、地域の再生に関心を持つ約500人が県内外から訪れ、熱心に交流した。

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子ども食堂の未来について講演する近藤さん

 昨年に続いて2度目のフォーラム。

 目玉となった講演会では「子ども食堂」の名付け親として知られ、東京都大田区で「気まぐれ八百屋だんだん」を営む近藤博子さん(60)が登壇。9年前、母親が精神疾患を抱え、給食以外の食事はバナナ一本の日があるという母子家庭の子どもの話を、買い物に来た近所の小学校の副校長から聞き、食堂開設を決意したと経緯を紹介した。

 近藤さんは「子ども食堂をやれたのは八百屋だったから。地域の人が買い物客として困り事を持ってきてくれた。家族や友だち、目の前の小さなことを見ることが大切だと思う」「昔とは違い、いざという時に手を差し伸べられる程よい距離感の、見守り的なおせっかいを考えることが必要では」と説いた。

 子ども食堂のネットワークや、企業や家庭で余った食料を集めて困窮世帯に配るフードパントリーのネットワークの代表者らによる討論会もあり、今や地域の重要インフラとなった子どもの居場所の活動をどう継続するかが議論に。情報を共有し、支え合う仲間のつながりが欠かせないとの認識で一致した。

 県には、貧困家庭の子どもが大人になり、再び貧困に陥る世代間の「貧困の連鎖」を断ち切る狙いがある。同様の問題意識を抱く人々は多く、今年2月時点の県内の子どもの居場所は230カ所に上り、さらに急増中。県は800カ所余りの小学校区全てに居場所を広げようと、アドバイザーの無料派遣を展開するなど、草の根の取り組みを支援している。

 ブース展示場では、居場所の開設を希望する人々が絶え間なく立ち寄り、情報を収集していた。

 県子ども食堂ネットワーク代表の本間香さん(59)は「人、物、金、情報が大事。まず3人の仲間がいることが前提条件。場所や調理道具などの調達は手伝うことができるし、立ち上げ費用を確保する仕組みもある。最も重要なのは、活動を紹介する情報発信」とアドバイスしているとした。

 「子ども食堂を開設したいけれど、東京には相談窓口がない」として足を運んだのは、東京都北区の会社員江田麗奈さん(37)。「地元では高齢者が半分を占め、子ども世代と分断されている。コミュニティー再生の場になれば」。ところが、東京へのアドバイザーの派遣は制度上、無理と言われ、「自治体の境界とは関係のない深刻な問題なのに」と残念がっていた。



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