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岩国の米軍機違反横行 安全確保まで飛行停止すべきだ(2019年11月10日配信『愛媛新聞』ー「社説」)

 飛行中の手放し操縦や読書、ひげをそりながらの自撮り―。危険極まりない行為にあぜんとする。山口県岩国市の米海兵隊岩国基地所属の戦闘機部隊で、重大事故につながりかねない規則違反が横行している実態が明らかになった。

 米軍が昨年12月に高知県沖で6人が死亡・行方不明となった墜落事故を調査する過程で判明した。背景には部隊内の薬物乱用やアルコール過剰摂取が指摘されている。安全軽視の運用を強く懸念する。日本政府は、ほかの基地や部隊にも同様の問題がないか早急に調べさせ、安全が確保されるまで飛行停止を求めるべきだ。

 高知県沖の事故は、戦闘機と別の部隊の空中給油機が接触して起きた。米軍の報告書によると、乗員2人の尿から睡眠導入剤の成分が検出され、飛行任務に不適格だった可能性がある。睡眠導入剤を無許可では処方しない軍医に対して不満を抱く隊員同士のやりとりの記録が残るなど規律意識の低さが際立つ。

 報告書では、2016年に沖縄県沖の上空で戦闘機と空中給油機が接触事故を起こしていたことも新たに判明した。けが人はなく、事故の深刻度が比較的低いと判断され、本格調査はされなかった。だが、事故は高知の例と酷似しており、この時点で調査を尽くしていれば高知の事故を防げた可能性がある。到底見過ごすことはできない。

 実際、17年には米海軍の駆逐艦が民間船に異常接近するミスがあった約1カ月後に、別のコンテナ船と衝突する事故が起きている。事故を未然に防ぐ機会を逃すことは許されない。日本政府には、軽微な事案であっても米軍からの通報を徹底させ、実効性のある再発防止策を引き出す責務がある。

 沖縄の事故が日本側に報告されていなかった点も問題だ。在日米軍の事件や事故については公共の安全や環境に影響を及ぼす可能性がある場合、できる限り速やかに通報するという日米間の取り決めがある。河野太郎防衛相は「通報がなかったのはルール違反だ」と指摘したが、どのような事案を通報するかは米軍に委ねられているのが実情だ。日本側からの問い合わせに対する米軍の回答はまだない。

 基地負担を強いられている地元の不安は大きい。山口県の村岡嗣政知事は「言語道断の規律違反」と憤る。地元の反発が強まれば、日米の同盟関係にも影を落としかねない。防衛省から地元への説明が遅れたことにも批判が集まっている。政府は、規律と安全が確保されなければ基地の運用に地元の理解は得られないと自覚しておくべきだ。

 岩国基地の米軍機は愛媛県上空を含むオレンジルートを通過しており県は当事者といえる。米軍機とみられる航空機の低空飛行はたびたび目撃され、事故への懸念は尽きない。関係自治体が一体となって声を上げ、政府に米軍への働き掛けを促し続けていかねばならない。




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