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[またか」(2019年11月18日配信『デイリー東北』ー「時評」)

 「またか」という思いを抱いた地域住民は多いはずだ。米軍三沢基地所属のF16戦闘機が、訓練場外の六ケ所村の民有地に模擬弾1発を誤って落下させた。人的な被害はなかったが、昨年2月の燃料タンク投棄に続く問題発生に、米軍に対する不信感は高まっている。

 現場は、三沢市と六ケ所村にまたがる三沢対地射爆撃場から西約5キロの牧草地。半径約1キロには小、中学校やこども園が立地している。一歩間違えば大惨事になっていた可能性もある。

 模擬弾の中身はコンクリート製で、重さ約226キロ。訓練中に落下させたが、米軍はどのようなルートを飛行し、どの方向から落下させたかを明らかにしていない。恐怖心を抱いた地域住民への説明が不足してはいまいか。事故当事者として説明責任が問われている。

 今回は連絡の遅れも問題視された。日本に情報が提供されたのは、発生の翌日の午前だった。地域の安全を脅かす事態について、直ちに情報を提供するという当然のことが行われなかった。住民軽視と言わざるを得ない。

 米軍を巡っては、第1海兵航空団(沖縄県)の調査で、米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)所属の戦闘機部隊で、重大事故につながりかねない規則違反の横行が明らかになったばかり。手放し操縦や飛行中の読書、自撮りなど、信じられない行為を繰り返していた。2016年4月に沖縄県沖でFA18戦闘機とKC130空中給油機が接触していた事故を、日本側に報告していないことも判明した。

 基地を抱える地域の住民は、日常的に航空機騒音に苦しみ、事故の危険と隣り合わせで生活している。安全に関わる問題が繰り返されれば、地元の理解は遠のいていく。

 落下問題について、河野太郎防衛相は「重大な事件だ」と米軍に厳重抗議した。不祥事や事故が続いている現状を踏まえ、これまで以上に強い物言いで対処してほしい。

 住民の生命と財産を守る役割の地元自治体にも、米軍の安全管理体制を厳しく問う姿勢が求められる。三沢市は「基地との共存共栄」を基本理念として、歴代市長がこれを継承しているが、地域の信頼がなければ、共存も共栄もないと指摘したい。

 住民は今も不安を抱えながら日常生活を送っている。米軍は青森県などが求めた原因究明や再発防止の要請を真摯(しんし)に受け止め、同じ事故を二度と起こさないため、今まで以上に徹底して安全管理に向き合うべきだ。




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Author:gogotamu2019
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