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【長野立てこもり】“議長の父の後援会長”だった第一通報者の告白「政憲は、俺の目の前でブスッて…『殺したいから殺しただけだ』って」「父親は事件を聞いて崩れ落ちた」(2023年5月29日配信『NEWSポストセブン』)

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中野市議会で議長をつとめていた父・青木正道氏(左)と政憲容疑者(右)

 長野県中野市で4人が殺害された事件。第一通報者となったのは、中野市議会議長を務めていた父親の青木正道氏(57)と深い親交のあった近所の男性で、政憲容疑者(31)のことも幼少期からかわいがっていたという。本誌・週刊ポストの取材に、重い口を開いた。目撃したのは、村上幸枝さん(66)が襲撃される瞬間だった。

【写真25枚】青木容疑者が立てこもった豪邸、「俺の目の前でブスッて……」の事件現場

「刺されたっていうのを110番したから。俺のところへ助けてーって走ってきたの。そう言われても無防備で手の施しようがなかったから、何もできなかった。政憲は15メートルぐらい後ろから追いかけてきて、俺の目の前の2~3メートルぐらいで、ブスッて。背中2回後ろから刺されて、膝から崩れ落ちたところでもう一回、胸から。もうね、全然躊躇する様子もなくて。

(政憲容疑者が)俺んとこ来るかと思ったから、背中向けて歩き出して7~8メートル離れるまで、俺は動けなかった。離れたから、女性のとこ行ってゆすったりしたんだけど、見る間に血の気引いて色白くなっていったから、これはもう……。政憲はもみあげに特徴があるからすぐに分かった。『何でそんなひどいことするんだ』って声かけたら『殺したいから殺しただけだ』って。平然ともう、慌てもせず来た道を歩いて帰っていった」

 だがその後、政憲容疑者が逮捕にいたるまでには長い時間を要した。

「警察はサイレン鳴らしてパトカー1台に2人乗ってきた。俺は誘導してこっちですってやって。そうしたら、政憲がパトカーに向かって散弾銃抱えて追いかけてきたのが見えたんですよ。うちに帰ってから銃を用意してきたのかなと思うんだけど。

 こいつはさっきと同じ目しているなって逃げたら、5秒ぐらいでダーン、それから2秒ぐらいしてまたダーンって。至近距離だったからものすごい音ですよ、バーンって爆発音みたいなのが。全力で向こうの電柱ぐらいまで逃げて。そしたらほかのパトカーも来てくれたので『こっちです、こっちです』ってやってたら警察に『早く逃げろ、銃持ってんだろ!』って言われた。

 現場に来た警察官が撃たれたから。それからは警察の人が増えていくばっかりで、放送で避難しろって言われて。それで知り合いの家に厄介になって、それから警察に話を聞かれて」

親父さんは特攻隊の志願兵だった

 事件を受けて、父親の正道氏は議長を辞職した。長年の友人関係にあり、政治家としての活動も支援していたという男性にとっても、痛恨の思いだという。

「正道って呼び捨てにするぐらいの関係でね。もともと、正道の親父さんに可愛がってもらっていたから、家族ぐるみの付き合いで、正道の後援会長もしていた。

(正道氏の)親父さんは、戦争のとき19歳で予科練にいて、特攻隊の志願兵まで行ったんだからすごいよ。沖縄かどっかまで行って出陣するちょっと前に終戦迎えたからさ。亡くなったのはもう10数年前になるかな、孫の政憲も葬式に出てたよ。正道はそういう血を引いているから、俺も議員やろうって思ったんじゃないの。誰もやらないなら俺がやるしかないなって」

 被害者を助けられなかったこと、加害者が家族ぐるみの関係であったこと……、いまだに男性はこの現実を受け入れられないでいる。

「早く忘れたいんだよ。政憲はこんな子じゃなかったなあっていう影があるから。何とか間違いであって欲しいという気持ちがまだあるんさ。別に素行悪かったわけでも何でもないしな。ただ人より無口で大人しかっただけで。最近は全然目を合わしてくれないから、軽く会釈ぐらいはするけど。

 選挙の時も、正道は『うちのがちょっとまだ世間に出られなくて候補者でありながら誠に申し訳ありません』ということは言っていた。政憲は人前に出るのが好きじゃなくて。選挙の時も1~2度顔出すんだけど、すぐにいなくなっちゃう。家族として出なきゃまずいので。そういう気まずさっていうのはあったな。

 奥さんは、明るくて社交的で、お母さんのほうが選挙に出れば正道より当選しそうなぐらいで。積極的に動くしね。妹も遊説カーに乗って応援お願いしますってやってたし。

 猟銃を持っているなんて知らなかったけど、今思えば、飼っている犬が紀州犬だから。イノシシ猟に使う犬さ。愛玩犬には向かないのになんでかなと思ったけど、猟銃持っているならそれも理解できるなと。犬は政憲がいつも運動させてたから。よく自転車で短いロープ付けてマウンテンバイクに乗ってずーっと農道のあたり走ってたさ」

 男性は事件後、父親の正道氏と短い会話を交わしている。

「避難の放送があった後に、正道が帰ってきて、『政憲かもしれねえで』って話になって。しゃがみ込んでいたから、やっちまったことはしょうがねえけど、まだ万に一つも間違っているかもしれないって思いで見てるよりしょうがないだろって言った。崩れ落ちて、そのあとは頭を抱えていた」




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