2023年に還暦を迎える人のお金事情…平均貯蓄額は3454万円も実際は?(2023年6月4日配信『日刊ゲンダイ』)
- 2023/06/04
- 06:22
人生100年時代の歩き方

老後資金を貯めないと…(C)日刊ゲンダイ
俳優の唐沢寿明やお笑いのダウンタウン(浜田雅功、松本人志)、歌手の今井美樹、香西かおり……。共通項は? そう今年、還暦の人たちだ。「えっ、もうそんな年か」と思うかもしれないが、みんな1963年生まれで2023年は満60歳。約157万人いる“還暦人”のお金事情はどうなっているか──。
◇ ◇ ◇
貯蓄額の平均は3454万円。今年60歳になる人を対象にした「2023年の還暦人に関する調査」(プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命=PGF生命)の結果だ。
総務省の調査によると、今年還暦の男性は78万人、女性は79万人で合計157万人。貯蓄額(配偶者がいる場合は夫婦2人分)のボリュームゾーンは全体の25%以上を占めた「100万円未満」だ。その次が「100万~300万円未満」の13.0%。両方を足した「300万円未満」は38.2%に達する。
来年還暦を迎える58歳のサラリーマンはこう言う。
「お恥ずかしい話ですが、ウチの貯蓄額は300万円を切っています。子供は2人で、1人はまだ大学生。結婚が遅かったせいもあって、教育費はまだかかります。老後資金を蓄える余裕は正直ありません。退職金が頼りです」
退職金制度のある会社に勤めていれば、60歳などの定年時に退職金を得られる。
厚労省の「2021年賃金事情等総合調査」では退職金の平均額は1903万円(男性、大卒、製造業、勤続35年)となっている。これだけ支給されれば老後2000万円問題は難なくクリアだが、前出のサラリーマンは「退職金は1000万円に届くかどうか」だという。
60代の中央値は700万円

60歳代の中央値は700万円(C)日刊ゲンダイ
一方で、貯蓄額が2000万円以上の還暦人は33.0%も存在する。1億円以上は9.7%。10世帯にほぼ1世帯が1億円超とは驚く。格差社会を目の当たりにした感じだ。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2022年、2人世帯以上)」というのもある。こちらは50歳代の平均貯蓄額は1253万円で、中央値(データの真ん中の人)は350万円。60歳代は平均額1819万円、中央値700万円だ。
60歳代で1800万円程度の貯蓄額があれば、まあ平均だが、中央値の700万円程度が一般的といえるかもしれない。
平均寿命まで男性は1032万円不足

人生100年時代に備え、現在行っていること(C)日刊ゲンダイ
PGF生命は還暦後の「これからの人生に必要だと思う金額」を調査している。最低限必要な額は1カ月当たり19万181円。昨年から増加した。同調査は「値上げラッシュによる家計への負担の増加が影響しているのではないか」と分析している。確かに、食品から日用品など値上がり続きで家計は苦しくなるばかりだ。老後生活に必要なお金も増えているに違いない。
そもそも厚生年金の平均受給額は1カ月当たり約14万円。最低限必要な金額とは4万円以上の開きがある。1年で48万円、10年で480万円だ。平均寿命(男性81.49歳、女性87.60歳)まで生きるとして不足額は男性が約1032万円、女性は約1325万円になる。
「ゆとりある老後生活」に必要な金額のアンケート結果は1カ月当たり27万8929円だ。こちらも昨年から増加した。不足額は、男性が約3585万円、女性は約4604万円になる。庶民にはゆとりある生活はムリか……。
「節約しながら資産を増やす」を目指す

「容姿が若いと思う有名人」トップは唐沢寿明と今井美樹(C)日刊ゲンダイ
「人生100年時代に備え現在行っていること」のトップは「体力づくり」。次は「健康診断の受診」だが、以下、「貯蓄・資産運用」「食生活の見直し」「家計の見直し」とマネー絡みが続いた。老後のためにやるべきことは“節約しながら資産を増やす”だ。
容姿が若いと思う“還暦有名人”は男性は唐沢寿明、浜田雅功、川合俊一がトップ3。女性は今井美樹、麻生祐未、河合奈保子の順だった。
老人の定義はないが、いまは65歳以上とするケースが多い。世界保健機関(WHO)も65歳以上を高齢者としている。還暦とはいえ、高齢者まであと5年。若々しく過ごしたい。

老後資金を貯めないと…(C)日刊ゲンダイ
俳優の唐沢寿明やお笑いのダウンタウン(浜田雅功、松本人志)、歌手の今井美樹、香西かおり……。共通項は? そう今年、還暦の人たちだ。「えっ、もうそんな年か」と思うかもしれないが、みんな1963年生まれで2023年は満60歳。約157万人いる“還暦人”のお金事情はどうなっているか──。
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貯蓄額の平均は3454万円。今年60歳になる人を対象にした「2023年の還暦人に関する調査」(プルデンシャルジブラルタファイナンシャル生命=PGF生命)の結果だ。
総務省の調査によると、今年還暦の男性は78万人、女性は79万人で合計157万人。貯蓄額(配偶者がいる場合は夫婦2人分)のボリュームゾーンは全体の25%以上を占めた「100万円未満」だ。その次が「100万~300万円未満」の13.0%。両方を足した「300万円未満」は38.2%に達する。
来年還暦を迎える58歳のサラリーマンはこう言う。
「お恥ずかしい話ですが、ウチの貯蓄額は300万円を切っています。子供は2人で、1人はまだ大学生。結婚が遅かったせいもあって、教育費はまだかかります。老後資金を蓄える余裕は正直ありません。退職金が頼りです」
退職金制度のある会社に勤めていれば、60歳などの定年時に退職金を得られる。
厚労省の「2021年賃金事情等総合調査」では退職金の平均額は1903万円(男性、大卒、製造業、勤続35年)となっている。これだけ支給されれば老後2000万円問題は難なくクリアだが、前出のサラリーマンは「退職金は1000万円に届くかどうか」だという。
60代の中央値は700万円

60歳代の中央値は700万円(C)日刊ゲンダイ
一方で、貯蓄額が2000万円以上の還暦人は33.0%も存在する。1億円以上は9.7%。10世帯にほぼ1世帯が1億円超とは驚く。格差社会を目の当たりにした感じだ。
金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査(2022年、2人世帯以上)」というのもある。こちらは50歳代の平均貯蓄額は1253万円で、中央値(データの真ん中の人)は350万円。60歳代は平均額1819万円、中央値700万円だ。
60歳代で1800万円程度の貯蓄額があれば、まあ平均だが、中央値の700万円程度が一般的といえるかもしれない。
平均寿命まで男性は1032万円不足

人生100年時代に備え、現在行っていること(C)日刊ゲンダイ
PGF生命は還暦後の「これからの人生に必要だと思う金額」を調査している。最低限必要な額は1カ月当たり19万181円。昨年から増加した。同調査は「値上げラッシュによる家計への負担の増加が影響しているのではないか」と分析している。確かに、食品から日用品など値上がり続きで家計は苦しくなるばかりだ。老後生活に必要なお金も増えているに違いない。
そもそも厚生年金の平均受給額は1カ月当たり約14万円。最低限必要な金額とは4万円以上の開きがある。1年で48万円、10年で480万円だ。平均寿命(男性81.49歳、女性87.60歳)まで生きるとして不足額は男性が約1032万円、女性は約1325万円になる。
「ゆとりある老後生活」に必要な金額のアンケート結果は1カ月当たり27万8929円だ。こちらも昨年から増加した。不足額は、男性が約3585万円、女性は約4604万円になる。庶民にはゆとりある生活はムリか……。
「節約しながら資産を増やす」を目指す

「容姿が若いと思う有名人」トップは唐沢寿明と今井美樹(C)日刊ゲンダイ
「人生100年時代に備え現在行っていること」のトップは「体力づくり」。次は「健康診断の受診」だが、以下、「貯蓄・資産運用」「食生活の見直し」「家計の見直し」とマネー絡みが続いた。老後のためにやるべきことは“節約しながら資産を増やす”だ。
容姿が若いと思う“還暦有名人”は男性は唐沢寿明、浜田雅功、川合俊一がトップ3。女性は今井美樹、麻生祐未、河合奈保子の順だった。
老人の定義はないが、いまは65歳以上とするケースが多い。世界保健機関(WHO)も65歳以上を高齢者としている。還暦とはいえ、高齢者まであと5年。若々しく過ごしたい。
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