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聴覚障害の男性 夢のハイヤー運転手に=銭場裕司(東京社会部)(2023年6月56配信『毎日新聞』)

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ハイヤー運転手になった稲葉準一さん。聴覚障害者向けの機能があるウーバーのシステムで夢を実現できた=東京都千代田区で2019年11月15日、長谷川直亮撮影

 聴覚障害のある自分には実現できないと思っていた。それでも扉は開いた。男性が夢だったハイヤーの運転手になって4年あまり。背中を押してくれたのは、心ある同僚と会社の応援、そして聴覚障害者が当たり前に働けるように設定されていたウーバーの配車システムだった。

 今回の取材のために記者がアプリを使って配車を依頼すると、ピカピカに磨き上げられた黒色の高級車がやって来た。運転していたのは東京都内に住む稲葉準一さん(59)。聴覚障害のあるドライバーだ。

 稲葉さんは乗車時のドアサービスをした後、運転席に戻ってスマートフォンの画面を見せてくれた。「私は耳が不自由です。宜(よろ)しくお願いします。ご乗車ありがとうございます」とある。乗車した客に示すあいさつの文面で、英語や韓国語、中国語版も用意しているという。ノートを広げた大きさほどのホワイトボードを使って客と会話を交わすこともある。

「本当は運転の仕事がしたい」

 稲葉さんは福岡県小郡市生まれ。3歳の時に高熱を出して難聴になり、障害1級に認定された。県立久留米聾(ろう)学校(現・久留米聴覚特別支援学校)を卒業後、19歳で乗用車の運転免許を取得。運転が大好きでこれまでも配送の仕事などをしてきたという。

 転機になったのは、都内のハイヤー会社で洗車の仕事をしていた2018年のことだ。…

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Author:gogotamu2019
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