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特攻兵器「回天」の記憶を、父の遺志受け米国で語り継ぐ マイケル・メアさん追悼式参列(2019年11月21日配信『毎日新聞』)

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追悼式で「KAITEN」執筆の経緯や平和への思いを語るマイケル・メアさん(右)=山口県周南市の大津島で2019年11月10日午後0時49分

 太平洋戦争末期の旧海軍の特攻兵器「回天」で戦死した搭乗員らの追悼式が今月、山口県周南市であり、父が回天に撃沈された米軍艦艇の乗組員だった米ウィスコンシン州の歴史家、マイケル・メアさん(65)が初めて参列した。父の遺志を受けて元兵士らから聞き取るなど回天の史実を5年前に本にしたメアさん。追悼式で回天搭乗員の日本の遺族らと交流し、悲劇しか生まない戦争の記憶を米国の次世代に継承しようと思いを新たにした。

 父が搭乗した米油槽艦ミシシネワは、1944年11月、西太平洋のウルシー環礁で回天の攻撃を受けて沈没した。乗員298人のうち63人が死亡したが、父は船が炎上する中、命からがら海に飛び込み生還した。

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遺族の塚本悠策さんと言葉を交わすマイケル・メアさん(右)=山口県周南市の大津島で2019年11月10日午前11時6分

 父は当初、戦争体験を語ろうとはしなかったが、メアさんの長男ブライアンさん(38)が興味を持って尋ねたのを機に「回天で命を落とした日米の若者のためにも、すべてを調べて真実を記録してほしい」と口にした。父は2005年に亡くなった。

 願いを託されたメアさんは約20年かけて、米国会図書館で回天の資料を集め、生還した元兵士や遺族約300人から証言を聞き取った。そして、米国人ジャーナリストとの共著で、米艦船が回天の攻撃を受け、沈没するまでを描いた「KAITEN」を14年に出版。17年には市民らでつくる回天顕彰会(事務局・同県周南市)の協力で日本語版も出した。メアさんは、回天が最初に出撃してから75年が経過する今年、回天の記憶を継承する活動の締めくくりとして、追悼式への参加を決めた。

 今月10日、同市大津島の回天碑前であった追悼式でメアさんは白菊を献じ「皆さんとお会いできて父も喜んでいると思う。父や回天の若い搭乗員が国のために尽くしたことを決して忘れてはならない」と語った。兄(当時21歳)が大津島から回天で出撃して戦死した千葉県松戸市の塚本悠策さん(84)は「かつての敵同士がこうして話し合えるのは素晴らしい」と話した。

 今回の来日では、島内の回天記念館や訓練基地跡を訪れた。式の前日には市内であった夕食会で遺族ら一人一人と交流した。追悼式の後、メアさんは「お会いした遺族の中には、写真1枚だけが遺品として残っている方や、戦死の様子を戦後になって知らされた方など、話を聞いて本当に胸が詰まり、涙をこらえられなかった」と振り返った。

 現在、KAITENを執筆した経緯や、追悼式に臨む様子を追ったドキュメンタリー映画の撮影が始まっている。「今回の旅を回天の記憶を若い世代に継承するきっかけにしたい」。父の足跡をたどり、日本で交流した遺族との思い出がメアさんを揺り動かした。





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