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障害ある子ら、ゆっくり変化 「放課後活動」の映画公開(2019年11月27日配信『朝日新聞』)

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映画「ゆうやけ子どもクラブ!」から=井手商店映画部提供

 東京都小平市の「ゆうやけ子どもクラブ」は、障害のある子どもたちが放課後や学校が休みの日に集う場だ。子どもの居場所を求める親たちの願いから1978年に発足、子や親たちに寄り添い、成長を見守ってきた。その日常を見つめたドキュメンタリー映画「ゆうやけ子どもクラブ!」が東京都中野区で公開されている。

 手がけたのは井手洋子監督。「ゆうやけ」代表の村岡真治さん(61)から、設立40周年記念の市民コンサート用に映像制作を相談されたのがきっかけだった。

 「30分程度の簡単なものを」。そんな依頼で現場に入ってみた井手さんは「腰を据えて取り組んで、映画をつくりましょう」と持ちかけた。「それまで彼らの放課後に想像を巡らせたことがなかった。カメラとマイクを使っていろんな発見をしたかったし、より多くの人に伝えたいと思った」

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映画「ゆうやけ子どもクラブ!」から=井手商店映画部提供

 「ゆうやけ」は市民への募金活動などで制作費の一部を集め、親たちも加わり上映実行委員会を結成。井手さんは2年かけて制作した。

 村岡さんや指導員は皆、子どもたちの行動を尊重する。「甘やかしているんじゃないの?」。撮影開始当初に抱いた井手さんの疑問は、次第に解きほぐされていく。

 研修会では、気にかかる子の心を読み取ろうと、毎日の記録から3年間分の気になる行動や言葉を抜き書きして5人の指導員が輪読。混沌(こんとん)としてみえる事実と事実をつなげ、共通する意味を見いだそうとしていた。

 指導員の女性におんぶで行き先を指示する小学5年生の男の子。約1時間の散歩に同行すると、彼が背中越しに虫の鳴き声を聞き、風を感じ、季節を味わっているのが、表情の変化から見てとれた。「甘やかしているんじゃない。ここでは子どもの気持ちの膨らみを保障しているんだ」

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映画「ゆうやけ子どもクラブ!」から=井手商店映画部提供

 安心できる居場所で、子どもたちはゆっくりと、確実に変化していく。積み木と電車が大好きな男の子は他人に興味がないように見えたが、撮影が終わる頃、フォークダンスの輪に自ら入っていくようになった。

 映画は「ゆうやけ」の経営危機も描く。

 障害のある子らに向けた放課後活動の場は、2012年に「放課後等デイサービス」として制度化された。新規にサービスを行う事業者が増える中で、国は18年、報酬改定を実施。「ゆうやけ」は人件費や人員の削減を迫られていた。
 「じっくり子どもたちに向き合うために手厚く人を配置し、子や親の支援を続けてきた場所がどれほど厳しい状況にあるのか、そうした社会状況も含めて知ってほしい」と井手さん。

 東京都中野区のポレポレ東中野で12月6日まで。横浜、名古屋で30日から12月13日、大阪、京都、神戸でも上映が予定されている。問い合わせは井手商店映画部(03・6383・4472)へ。

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公式サイト➡ここをクリック(タップ)

解説
 放課後活動の草分け的存在でもある東京都小平市の「ゆうやけ子どもクラブ」のドキュメンタリー。1978年、放課後や夏休みの子どもたちの活動場所が欲しいという親たちの願いから誕生した「ゆうやけ子どもクラブ」。そこでは、小学生から高校生までの子どもたちがともに放課後の時間を過ごしている。知的障害や発達障害、自閉症など、さまざまな障害を持った子どもたちも、遊びや生活の時間を通して自らの内面に向き合っていき、スタッフの大人たちも、そんな子どもたちを全身で受け止めていた。映画は、そうした子どもたちが時間をかけてゆっくりと変わっていく姿を追いかけ、子どもたちにとって大切なことは何かを描いていく。監督は、布川事件を追いかけたドキュメンタリー「ショージとタカオ」が高い評価を受けた井手洋子(映画.com)。

2019年製作/112分/日本
配給:井手商店映画部、ピカフィルム


予告篇ショートver.


予告篇ロングver.  



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gogotamu2019

Author:gogotamu2019
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