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桜を見る会「毎年予算オーバー」の“裏側”(2019年11月29日配信『東京新聞』)

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「桜を見る会」で招待客に囲まれる安倍首相

 安倍晋三首相主催の「桜を見る会」の予算と支出の推移がおかしい。予算は毎年同額なのに、支出はその1・7~3倍まで増え、毎年大赤字。それを別の財源でこっそり賄っていた。「こちら特報部」は4月に大幅な費用増を報じていたが、その後の国会質問などで判明した招待客の「首相枠」問題などを重ねると、なぜこんな異常な推移になっていたかが透けて見える。(稲垣太郎)

【関連記事】桜を見る会ってどんな行事? 

◆安倍首相らの招待枠大幅増で支出も拡大

 桜を見る会の予算額は、安倍政権下で行われるようになった2013年度に1718万円、それ以降は19九年度も含め1766万円で固定されている。

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 一方、支出はずっと右肩上がりで、毎年予算オーバーしている。14年度は3005万円で予算の1・7倍。15年度は38141万円で2倍超え。18年度に5229万円で同3倍になった。19年度は5519万円。

 「超過支出禁止の原則」という財政規律の基本中の基本を無視した推移だ。桜を見る会の膨張ぶりを報じた特報部の四月十六日付記事を読んだ宮本徹衆院議員(共産党)が、五月の衆院決算行政監視委員会で質問し、こうした数字を引き出した。

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「桜を見る会」疑惑について報じた4月16日の東京新聞朝刊特報面

◆「色」のない財源を流用


 では、予算オーバー分はどう賄っていたのか。「(超えた分について)これはどこからお金が出てきているのか」という宮本氏の質問に対し、井野靖久・内閣府大臣官房長は「内閣府本府の一般共通経費を活用することにより経費を確保している」と答弁した。一般共通経費とは、内閣府のさまざまな行政執行に使える財源で、いわゆる「色」のついていないカネだ。

 宮本氏が「予算は国会で審議して承認しているのに、その予算を無視して大きく上回る支出を行っているのでは審議や承認の意味がなくなる。財政民主主義の根幹が崩れている」と指摘するのももっともだ。毎年予算不足なら予算を増やすか、支出を予算に合わせて減らすのが普通だろう。なぜ内閣府は、その「普通」をしてこなかったのか。内閣府に取材を申し入れたが「担当者が全員外出している」として答えなかった。

◆隠れて処理しようとした?

 大蔵省(現財務省)や内閣府などの官僚経験のある明治大公共政策大学院の田中秀明教授(財政学)は、超過支出禁止の原則は当然で、「一般共通経費を流用して超過分を賄うのは違法ではないが、毎年繰り返すのは不適切」とした上で、こう語る。

 「(首相官邸直結の)内閣人事局に完全に人事を握られているから、首相主催の『桜を見る会』の参加者が増えたからといって、内閣府の役人が支出を絞れとは言えない。でも後ろめたいから予算は増やさず、上回った支出は一般共通経費を使って隠れて処理しようとしたのではないか」と話す。

◆飲食物受注の「お友達業者」にもおいしい構造

 問題はこれにとどまらない。13年度以降、会の飲食物提供を一手に受注してきた会社「ジェーシー・コムサ」の経営者は、安倍首相夫妻と近しい関係にあるといわれる。安倍首相が思いのままに参加者を増やせばその分、同社の受注額が増える「おいしい構造」で、こうしたことを隠すためにも、表面上の予算額を抑えてきたのではないかとの疑念も湧く。

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「桜を見る会」の会場を足早に移動する安倍首相。この健脚で疑惑追及から逃げ切るつもり?=東京・新宿御苑で

◆安倍政権の人事報復で官僚は「自動忖度」

 元経済産業省官僚の古賀茂明氏は、同省の予算取りまとめの経験から、「以前は、『この業者は首相のお友だちではないか』と警戒したものだが、今は真逆になっている」と嘆く。その上で、こう語った。

 「安倍政権の人事的報復と、辞めた後でも執拗に行われる嫌がらせにより、官僚たちは安倍首相が何も言わなくても『自動忖度』するようになった。会の支出の超過分を一般共通経費で賄うのも、首相夫婦に近い業者を使うのもその一例だ」



「桜を見る会」招待客の人選は? 与党議員の推薦枠も(2019年11月12日配信『東京新聞』)

 安倍晋三首相が主催する「桜を見る会」に毎年、多数の地元支持者を招待している可能性が浮上し、野党が「私物化だ」と批判しています。どのような行事なのか、おさらいしました。 

 Q 会の目的は?

 A 政府は「各界において功績、功労のあった方々」を招いて慰労する公的行事に位置付けています。例年4月、東京都内の庭園「新宿御苑」で開きます。

 Q どんな内容ですか。

 A 首相あいさつと乾杯のほかには特になく、来場者は庭園を楽しみながら歓談します。首相は来場者と握手したり、記念撮影に応じたりしています。

 Q 多くの人が招待されているようですね。

 A 政府の開催要領で招待者1万人が目安とされますが、2014年度以降、招待者も来場者も増加が続いています。本年度は招待者約1万5400人に対し、同伴者を含め約1万8200人が来場しました。

 Q そうなら国が使うおカネも増えますね。

 A 開催費は14年度以降、毎年1700万円余を予算計上していましたが、実際の支出はそれを大幅に超え、年々増えています。本年度の費用は約5500万円。これが国会審議で批判されると、政府は「実態に合わせる」として来年度予算に5700万円余を概算要求しました。

 Q 招待されるのはどんな人ですか。

 A 開催要領には、皇族や各国大使、国会議員らが明記されています。「各界の代表者等」として、スポーツ分野や芸能界、報道関係者も招待されます。

 Q どう選ぶの?

 A 「各省庁からの意見を踏まえて幅広く招待している」(菅義偉官房長官)というのは、政府の表向きの説明です。自民党幹部は「えたいの知れない人が来ないよう議員に枠が割り振られる」と認めています。実態は与党議員の推薦枠があり、地元の支持者も多数招かれているようです。

◆「桜を見る会」13~19年の動静 <首相の一日>
<2013年4月19日> 

 【午後】7時25分、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京。宴会場で安倍晋三後援会の懇親会に出席。

  (同20日)

 【午前】8時14分、東京・内藤町の新宿御苑。15分、西村泰彦警視総監ら警視庁幹部、地元の後援会関係者らと写真撮影。9時1分、昭恵夫人とともに首相主催の「桜を見る会」。歌手の北島三郎さん、元「AKB48」の前田敦子さんらと写真撮影。

<2014年4月11日> 

 【午後】6時41分、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京。宴会場「プロミネンス」で「安倍晋三桜を見る会懇親会」に出席。

  (同12日)

 【午前】8時21分、昭恵夫人と共に東京・内藤町の新宿御苑。22分、高綱直良警視総監ら警視庁幹部、地元の後援会関係者らと写真撮影。9時、首相主催の「桜を見る会」。ソチ冬季パラリンピックのアルペンスキー男子座位で2冠の狩野亮選手らと写真撮影。

<2015年4月17日>

 【午後】6時29分、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。宴会場「鳳凰の間」で「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に出席し、あいさつ。

  (同18日)

 【午前】7時57分、昭恵夫人と共に東京・内藤町の新宿御苑。58分、高綱直良警視総監ら警視庁幹部、地元の後援会関係者らと写真撮影。8時35分、望月義夫環境相。9時、首相主催の「桜を見る会」。あいさつ。NHKの連続テレビ小説「まれ」でヒロインを務める土屋太鳳さんらと写真撮影。

<2016年4月8日> 

 【午後】8時18分、東京・赤坂のANAインターコンチネンタルホテル東京。宴会場「ギャラクシー」で「桜を見る会 安倍晋三後援会」の懇親会に出席し、あいさつ。

  (同9日)

 【午前】7時46分、昭恵夫人と共に東京・内藤町の新宿御苑。47分、高橋清孝警視総監ら警視庁幹部、地元の後援会関係者らと写真撮影。9時2分、首相主催の「桜を見る会」。あいさつ。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のメンバーやレスリング女子の吉田沙保里選手らと写真撮影。

<2017年4月14日> 

 【午後】6時46分、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。宴会場「鳳凰の間」で昭恵夫人と共に「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に出席。

  (同15日)

 【午前】7時49分、東京・内藤町の新宿御苑。50分、昭恵夫人と共に沖田芳樹警視総監ら警視庁幹部、高島宗一郎福岡市長、地元の後援会関係者らと写真撮影。8時59分、首相主催の「桜を見る会」。あいさつ。アイドルグループ「ももいろクローバーZ」のメンバーや車いすテニスの上地結衣選手らと写真撮影。

<2018年4月20日> 

 【午後】7時、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。宴会場「鳳凰の間」で昭恵夫人と共に「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に出席。

  (同21日)

 【午前】7時48分、東京・内藤町の新宿御苑。49分、昭恵夫人と共に吉田尚正警視総監ら警視庁幹部、前田晋太郎山口県下関市長、地元の後援会関係者らと写真撮影。8時54分、首相主催の「桜を見る会」。あいさつ。将棋の加藤一二三・九段、スピードスケート女子の高木美帆選手、歌手のピコ太郎さんらと写真撮影。

<2019年4月12日>

 【午後】6時33分、東京・紀尾井町のホテルニューオータニ。宴会場「鶴の間」で昭恵夫人と共に「安倍晋三後援会 桜を見る会前夜祭」に出席。

  (同13日)

 【午前】7時48分、東京・内藤町の新宿御苑。49分、昭恵夫人と共に警視庁幹部、前田晋太郎山口県下関市長、地元の後援会関係者らと写真撮影。8時34分、柴山昌彦文部科学相、根本匠厚生労働相、世耕弘成経済産業相、原田義昭環境相、加藤勝信自民党総務会長らと写真撮影。59分、首相主催の「桜を見る会」。あいさつ。歌舞伎俳優の市川猿之助さん、子役の寺田心君、元サッカー女子日本代表の丸山桂里奈さんらと写真撮影。



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