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“姑息の極み”首相会見「これで幕引き」などあり得ない(2019年11月29日配信『日刊ゲンダイ』)

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突然のぶら下がり取材に「想定問答」を持って登場(C)共同通信社

 臨時国会の会期末まで2週間を切った。狂い咲きの「桜」が席巻する国会で野党が攻勢を強めている。首相主催の「桜を見る会」をめぐる私物化疑惑を追及する立憲民主党などの野党4党は28日、政府が招待者推薦枠に関する資料提出や説明を拒否しているとして、衆参両院で29日以降の審議拒否に動いた。

 野党が確認を求めているのは、招待状に振られた区分番号から推薦者が分かる資料。警視庁などから悪質なマルチ商法を展開していた容疑で家宅捜索を受けた「ジャパンライフ」の元会長宛てに送付された2015年の招待状に、「60」と記されていたことから首相推薦枠の疑いが強まっているためだ。「各界で功績や功労があった人」が招待基準だった会に安倍首相の後援者や昭恵夫人のオトモダチを1000人規模で招き、麻生副総理や菅官房長官ら官邸幹部に約1000人、自民党に約6000人を振り分け。公金で地元選挙区の有権者を接待していた上、政府を挙げて撲滅を目指す「反社会的勢力のみなさま」まで公金の恩恵にあずかり、菅ら政府要人とツーショット写真を撮り放題ときた。デタラメの限りがここまで明らかになったのだから、腹をくくり誠意をもって対応すればいいものを、安倍政権は相変わらずの嘘ゴマカシ、証拠隠蔽に走っている。

■“アベ隠し”で時間稼ぎ画策


 疑惑の矢面に立つ菅は28日、廃棄した「桜を見る会」の招待者名簿の電子データについて、「事務方から復元できないと聞いている」「技術的にそうなのか、ルール的にそうなのかは承知していない」とまたも軌道修正。子どもだましの釈明を繰り返している。疑惑のド真ん中にいる安倍は公金私物化はもとより、公選法違反、政治資金規正法違反、財政法違反の疑いが濃厚だ。嘘を重ねれば重ねるほどボロが出る。防戦一方の政府・与党は臨時国会を延長せず、トットと閉幕させる思惑だ。国会でロクに審議しなかった売国的な日米貿易協定承認案の成立のメドが立ったことから、野党が要求する予算委員会での集中審議には一切応じず、逃げ切りを図る構え。“アベ隠し”で時間を稼ぎ、世論の関心が薄まるまで寝ていようという魂胆である。

 予算委員会から逃げ回り、説明責任を回避している疑惑の主人公は国会閉幕で逃げ切りと思っているらしいが、次から次へと新事実とデタラメ説明が炸裂している。

コラムニストの小田嶋隆氏は言う。

「『桜を見る会』につながる足跡が次から次へと消えていき、安倍政権がマトモに説明しようとしないのはなぜなのか。政権が明らかに野党、国民をナメているからですよ。モリカケ疑惑の二匹目のドジョウとばかりに公文書の改ざん・廃棄、スットボケて知らん顔を決め込むことで、いずれ窮地を脱せると読んでいるのでしょう。そろそろアベ擁護派が〈野党はいつまで重箱の隅をつつくんだ〉〈もっと大事なことを国会で話すべきだ〉と言い出し、火消しに一役買うのがお決まりのパターンですが、桜疑惑は下世話ゆえに世論はなかなか飽きないのではないか。ウチの国民はエコヒイキにうるさい上、庶民感情を害するネタですから。官邸は子どもじみたバカげた嘘をバラまいている。モリカケ疑惑は主要な関係者との口裏合わせで逃げおおせましたが、『桜を見る会』は毎年1万人規模が招待され、今年は1万8000人にも上り、全員の口を封じるのは現実的に不可能。新たなネタが次々に漏れてくれば、政権はにっちもさっちもいかなくなるでしょう」

 さらにはぶら下がり会見の薄汚い経緯まで暴露され、いよいよ、国民もその正体に気づき始めている。

総理番記者が告発 ぶら下がりの「官邸の意図」

 話題を集めているのが、毎日新聞政治部の宮原健太記者のユーチューブ。「ブンヤ健太の記者倶楽部」というチャンネルで、「【新聞記者】桜を見る会 そのとき官邸では…」(24日配信)では「桜を見る会」をめぐる官邸の動きを解説している。焦点は安倍のぶら下がり取材だ。安倍は13日に1回、15日に2回、週明けの18日に1回応じている。

 宮原記者によれば、総理番記者はコトあるごとにぶら下がりや声掛けを要請しているが、「内閣改造でも質問に応じるのは3、4問程度」。ぶら下がり形式で20分以上、30問以上に対応した15日2回目のぶら下がりは「異例」だという。ホテルニューオータニのキャパ最大の宴会場で「前夜祭」と銘打ち、アベ後援者を破格の会費5000円で慰労した問題が火を噴いたタイミング。安倍事務所による費用補填に疑いの目が向けられ始めていた。宮原記者の解説はこう続く。

「まさか急に会見が行われるとは思っていなかったので、たくさん質問したんですけれども、準備不足で詰め切れない部分が多かった」

「これで説明責任を果たしたことにするという官邸側の意図も透けて見えます」

「声掛けを続けているが、答えてもらっていない。もし明細書や見積書をなくしているんであれば、再発行できるはずです。もし明細書も見積書もないことが真実なんだということであれば、どうしてそのような契約になっているのか。自己検証できないようにしているのか。もっと説明する必要があると思います」

 その通りだ。ちなみに、このぶら下がりでは西日本新聞の女性記者が何度も食い下がり、イラついた安倍が「どこの社ですか?」と聞き返し、圧をかける一幕もあった。暴露された首相の姑息で薄汚い会見の裏側。「これで幕引き」などあろうはずもなし、である。

■野党は審議拒否貫き、解散へ

 15日のぶら下がり以降、安倍はマスコミ関係者とハイペースで会食を重ねている。フジサンケイグループや読売新聞の幹部、在職日数歴代最長を記録した20日には内閣記者会加盟報道各社のキャップとも懇談。桜疑惑で大炎上の折も折、2日前に官邸側が呼び掛けたという。3つのテーブルに分かれた記者たちの席を安倍は20~30分ずつ回り、「前夜祭」のホテル選びの経緯を切々と説明。一方で「いつまで続くのかな」「ワイドショーはまだやるのかな? 昭恵のことももうやったし、後援会の話も出たからもういいんじゃないのかね」などと懐柔を試みていたという。疑惑追及の真っただ中にマスコミを呼び出し、報道に口出し。露骨過ぎる圧力に唖然とするばかりである。

 政治評論家の森田実氏はこう言う。

「国家の最高権力者の嘘やゴマカシを見過ごし続けたら、政治がおかしくなる。内閣総理大臣の道徳問題は個別の政策以上に重要です。野党は何と言われようがひるまず、最後まで審議拒否を貫いて解散・総選挙に持ち込むべきです。野党がまとまって新党を結成し、安倍政権を葬り去るしかない。モリカケ疑惑から積み上がった国政のデタラメをこれ以上許してはいけない。政治家が道義を捨ててしまうようでは、この国に未来はありませんよ」

 28日の北朝鮮による飛翔体発射を受け、ぶら下がりに応じた安倍は「国民の生命、財産を守り抜くため警戒監視に全力を挙げる」と決まり文句を口にしていたが、これまでやってきたことは「国民の生命と財産を搾り上げる」だ。アベノミクスによるトリクルダウンは起きず、大企業優遇や非正規雇用の拡大で格差は広がり、2度の消費増税や社会保障費カットで庶民の暮らしは窮乏する一方。株価安定は日銀やGPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)に大量購入させ、買い支えているから。国民から吸い上げたカネを鉄火場にブチ込んでいるのである。「戦後レジームからの脱却」「戦後外交の総決算」は完全な看板倒れ。この7年間で着実に実行されたのは国家の私物化だけだ。憲政史上最長の首相がこの国を沈没させている現実を断ち切らなければ、お先はますます真っ暗になる。



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