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英語民間試験、文科省見送りで方針転換 国立大大半 必須とせず(2019年11月30日配信『東京新聞』)

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 2020年度が初回となる大学入学共通テストへの英語民間検定試験の導入を文部科学省が見送ったことを受け、学部入試を実施する国立大82校のうち80校が、同年度の一般選抜(一般入試)で、民間試験の受験を必須としない方針を公表した。共通テストへの導入見送り前は78校が使うとし、多くが出願時に民間試験の成績提出を義務付けていた。

 国立大の一般選抜は、大学入試センターが作成する共通テストと、大学独自の2次試験の結果で合否が決まる。民間試験導入を見送った文科省の決定にかかわらず、大学の判断で民間試験を組み込めるが、大部分が方針を転換した。民間試験を必須とする方針を維持したのは、東京海洋大の一部の学部のみだった。

 民間試験の受験を必須としないとした国立大80校の中でも、広島大など15校は全学部もしくは一部の学部で任意での成績の提出を認め、成績に応じて2次試験への加点などを行う。65校は一般選抜で一切活用しない。アドミッション・オフィス(AO)入試から改称した「総合型選抜」や「学校推薦型選抜」については使う大学もある。

 民間試験の活用を求めてきた国立大学協会(国大協)は、導入見送りを踏まえ、各大学の新方針を、29日をめどに公表するように要請。その結果を共同通信がまとめた。文科省は公私立大にも、12月13日までに新方針を改めて示すよう求めており、国立大以外でも活用を見送る動きがある。

 文科省は導入を見送った理由として、経済格差や地域格差への対応が不十分だったことなどを挙げた。各大学も新方針の判断の際に考慮した。複数ある民間試験の成績を一括して管理する大学入試センターのシステムが稼働しなくなり、大学独自の成績管理が困難だとしたところもあった。

 国大協は17年11月、共通テストの英語で、現行の大学入試センター試験に準じたマークシート式と、民間試験の両方を課すこととする基本方針を決定。多くの国立大は民間試験の成績提出を必須とした一方、東大など10校は一定以上の英語力を示す高校作成の証明書で代替できるとの例外を設けるなど対応に差が出た。北海道大、東北大、筑波技術大、京都工芸繊維大の4校は当初から、地域格差への懸念などから活用を見送っていた。

◆民間試験活用 下村氏「必要」

 大学入学共通テストへの英語民間検定試験の導入などを推進してきた下村博文元文部科学相が29日、東京都千代田区の日本記者クラブで会見した。検定試験の導入は延期されたが、下村氏は利用する大学へ助成金を上乗せするなどして活用を促進することが必要だとした。

 下村氏は、第2次安倍政権下で教育再生実行会議が発足した当時の文科相。同会議の提言が、民間検定試験導入の発端となった。下村氏は「グローバル社会でやっていくために英語の(読む、書く、聞く、話すの)4技能は必要。民間業者のためとかでは全くない」と導入の目的を話した。

 昨年4月の自民党内の会議で、民間検定試験の利用に後ろ向きだった東京大を指導するよう文科省に求めた問題については、「大学のガバナンスに問題があるとして取り上げただけだ」とし、政治的な圧力ではないとの認識を示した。

 共通テストを巡っては、国語と数学の記述式問題にも公正な採点への不安などから反対が相次ぎ、先が見えない状況。「政治主導で進み、文科省も途中で止められなかったのでは」と問われると「そういうレベルの話ではない。強引に言われたからではなく、現場のやり方の問題だ」とした。 

<大学入学共通テスト> 現行の大学入試センター試験の後継として2021年1月に初回が行われる。目玉の一つだった英語民間検定試験の導入は、経済格差や地域格差が広がるなどの批判の声が高まり、文部科学省が導入の見送りを決定。もう一つの目玉である国語と数学I、数学I・Aでの記述式問題についても、採点ミスが起きる懸念や、自己採点が難しいために受験生が出願先の大学を決められないといった問題点が指摘され、野党などが出題の取りやめを求めている。




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