FC2ブログ

記事一覧

IR誘致断念 カジノに頼らぬ観光を(2019年11月30日配信『北海道新聞』ー「社説」)

 鈴木直道知事は、カジノを中心とする統合型リゾート施設(IR)の道内誘致を事実上断念する意向を表明した。

 ギャンブル依存症拡大や治安悪化に対する道民の不安を考えれば、当然の判断といえよう。

 刑法で禁じる賭博のもうけを地域振興に活用する発想がまっとうな経済政策と言えるのか。その疑問が最後まで解消できなかった。

 北海道の魅力は豊かな自然と食だ。これらを観光に生かす工夫を重ねることで、主産業の農林水産業への波及効果も期待できる。

 IR誘致断念を、カジノに頼らない北海道らしい観光の道筋を新たに描く契機にすべきだ。






 鈴木知事は2021年7月末を期限とする国への誘致申請を見送る考えを示す一方で、引き続き実現の可能性を探ると強調した。

 だが、アジアのカジノは飽和状態といわれる。国内にカジノを増やしても、採算は見通せない。

 道が優先候補地とした苫小牧市の予定地付近では猛禽(もうきん)類などの希少生物が確認されている。施設規模も巨大で、自然環境に悪影響を及ぼし、需要を満たすのが難しいといった不安が出ていた。

 この状態で将来の誘致に含みを残すのは無理があろう。

 これまで道は「誘致ありき」の姿勢が目立った。それが推進派の期待を高め、反対派との分断を深めた側面は否定できない。同じ過ちを繰り返してはならない。

 IR誘致については、道が無作為で抽出した道民に行った意向調査で3分の2が「不安」「どちらかといえば不安」と答えた。

 それにもかかわらず、知事は「道議会の動向を注視する」として、過半数を握る与党の自民党・道民会議が推進でまとまれば誘致に動くという態度を取り続けた。

 知事の言う「道民目線」と異なり、推進で一致できなかった自民党会派に責任を転嫁する意図が透ける。水面下で苫小牧市議会に推進決議を求めたのも同様だ。

 今後も、泊原発の再稼働問題などで決断を迫られる。トップとしての責任を回避せず、主体的に判断を下す覚悟が求められる。

 今回も決断した責任をしっかりと受け止め、経済界などと力を合わせて観光振興に取り組む態勢づくりを進める必要がある。

 その試金石になるのが、道が導入を検討する宿泊税だ。負担増に反発もあるだけに、税を活用して道内全体の観光を底上げするビジョンを示し、道民を含めた観光客に理解を得る努力が欠かせない。

スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ