FC2ブログ

記事一覧

未来の「車いすネイリスト」 パラリンピックへ広がる夢(2019年11月30日配信『朝日新聞』)

キャプチャ
全国障害者技能競技大会のネイル競技に出場した宮下紅海さん(手前)と藤本侑奈さん=2019年11月16日、愛知県常滑市

キャプチャ2
全国障害者技能競技大会のネイル競技「ベーシックマニキュア」を終え、モデルの女性(左)と笑顔で話す宮下紅海さん=2019年11月16日、愛知県常滑市

キャプチャ3
全国障害者技能競技大会の「ベーシックマニキュア」競技で、集中した表情の宮下紅海さん=2019年11月16日午後、愛知県常滑市

キャプチャ4
全国障害者技能競技大会「ネイルアート」での宮下紅海さんの作品=2019年11月16日、愛知県常滑市

キャプチャ5
全国障害者技能競技大会のネイル競技「ベーシックマニキュア」に挑む藤本侑奈さん=2019年11月16日、愛知県常滑市

キャプチャ6
全国障害者技能競技大会のネイル競技で爪の形のチップに彩色やデコレーションを施す藤本侑奈さん=2019年11月16日、愛知県常滑市

キャプチャ7
全国障害者技能競技大会のネイル競技で、1種目の後、感情が高ぶって泣き出してしまった藤本侑奈さん=2019年11月16日午後、愛知県常滑市

キャプチャ8
全国障害者技能競技大会のネイル競技「ネイルアート」での藤本侑奈さんの作品=2019年11月16日、愛知県常滑市

 美容技術の習得により、車いすを使用する障がい者への就労支援をと、大阪の一般社団法人「パラリンビューティ」が、東京都内で専門のネイリスト養成スクール開設の準備を進めている。

 美容師や理容師など美容関連の仕事は立ち仕事が多いが、ネイリストの仕事は座ったままでもでき、技術を磨くことで職業とすることが可能だ。来年の東京パラリンピックを「追い風」に、世界中から集うパラリンピアンへの施術も目標にしている。

 今月16日、愛知県常滑市で開かれた「第39回全国障害者技能競技大会」(通称アビリンピック)に宮下紅海(くみ)さん(19)と藤本侑奈(ゆうな)さん(24)の2人が同法人から推薦され出場した。ネイル競技は今年からの新設だ。東京代表の宮下さんは二分脊椎(せきつい)内反足(ないはんそく)両股関節脱臼で、兵庫代表の藤本さんは脳性まひのため、車いすを使っている。

 競技は、爪の長さや表面を整え、カラーを塗る「ベーシックマニキュア」と、爪の形をしたチップに彩色やデコレーションを施す「ネイルアート」の2課題。極細の筆やピンセットを駆使する緊張感の中、各地から選抜された6人の出場者で腕を競った。

 競技終了後、宮下さんは「疲れたけれど、やり尽くした感じ。とても楽しい時間でした」。1種目目が終わった後、感情が高ぶって泣き出してしまった藤本さんは「仕上がりは今までで一番。最後までやりきったことが自信になりました」と話した。2人は入賞には届かなかったが、ネイリストとしての手応えをつかんでいた。

 法人代表理事の大倉伸三さん(54)は、大阪市内で美容室を経営し、4人の障がい者を雇用している。ネイリストに注目し、2012年から特別支援学校での「出張授業」や体験会、イベントへの出店などで実際に車いすネイリストの技術を披露し、支援と啓発活動を続けてきた。

 美容師や理容師は国家資格が必要で、専門学校などで学ぶ必要がある。また、特別支援学校高等部を卒業の場合、大学の受験資格は得られるが、一般に専門学校入学に必要な高卒資格は取れない。さらに車いす使用者だと理容台に手が届かないなどの不便があり、事実上、美容師などの就労は困難だ。

 一方、ネイリストには特別な資格はなく、車いすに座った姿勢で客と向かい合えるため、目線の高さを気にすることもない。美容室ほどの設備や広さも必要としないため、技術さえあれば自宅でサロンの開業もでき、働き方や時間の使い方も選べる。女性には美容に興味がある人も多く、就労の機会を増やせるのではないかと大倉さんは考えている。

 法人はすでに、障害者総合支援法(13年4月施行)に基づき、障がい者に知識や技術を身につけてもらう「就労移行支援事業所」の認定を受けている。都の認可が下り次第、養成スクールを開校する予定だ。名前は「クロスネイル」。健常者と障がい者が交わったり、異なる障がい者同士が交流したり、多様な個性や環境を認め合う「重なり」をイメージした。

 大倉さんは「パラリンピックの盛り上がりが予想される東京で活動を始める意味は大きい。もし選手たちに施術ができたら、より多くの人たちに考えてもらうきっかけになる」と期待している。




スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ