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パワハラ指針/働く人に寄り添った運用を(2019年12月1日配信『福島民友』ー「社説」)

 職場でのパワーハラスメントを防止するために、企業が講じる対策やパワハラの定義などを示した厚生労働省の指針案がまとまった。今後、パブリックコメント(意見公募)を経て、年内をめどに正式決定される。実効性のある指針にしてもらいたい。

 大企業は来年6月、中小企業は2022年4月から、相談窓口を整備するなどのパワハラ防止策が義務付けられる。

 指針案は、5月に改正労働施策総合推進法が成立したことを受けまとめられた。職場でのパワハラを、優越的な関係を背景に、業務上必要で相当な範囲を超え、就業環境を害する言動と定義した。暴行、傷害の「身体的な攻撃」、脅迫、暴言といった「精神的な攻撃」、無視など「人間関係からの切り離し」など6類型に分けた。

 パワハラに当たるケースとして、「必要以上に長時間にわたる厳しい叱責(しっせき)を繰り返す」「仕事を外し、長期間にわたり別室に隔離したり自宅研修させる」などの事例を挙げている。

 指針案をまとめる過程では、パワハラに当たらない行為の例示が議論となった。「遅刻など社会的ルールを欠いた言動が見られ、再三注意しても改善されない労働者に対して一定程度強く注意する」ことは、精神的な攻撃には該当しない事例として挙げているが、「一定程度強く」とは、どの程度かといった疑問が残る。

 業務上の適正な指導とパワハラとの線引きが難しいと考える企業は多く、判断に困る事例も出てくるだろう。企業側が都合のいいように解釈してしまう懸念もある。国には、働く人たちの受け止め方にも十分配慮したパワハラ防止対策が講じられるよう、万全を期してほしい。

 パワハラは増加傾向にあり、自殺に追い込まれたり、体調を崩して退職を余儀なくされたりするケースが後を絶たない。18年度に福島労働局に寄せられたパワハラを含む「いじめ・嫌がらせ」は1642件。相談の約1割を占め過去最多となった。今から10年前と比べ約2倍に増えている。紛争調停委員会によるあっせんの申請件数は全体の4割近くに達した。

 パワハラ防止が義務付けられると、さらに相談が増えることが予想される。企業側からは、パワハラに当たるか当たらないかといった問い合わせもあるだろう。国には分かりやすく丁寧な啓発と適切な指導が求められる。

 企業と働く人の双方が、職場でパワハラをなくしていく意識を共有していくことが大切だ。




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