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米軍の違反飛行 規律の乱れ早急に正せ(2019年12月2日配信『北海道新聞』ー「社説」)

 在日米軍の規律の乱れには驚くばかりだ。

 米海兵隊岩国基地(山口県岩国市)所属の戦闘機部隊で、重大事故につながりかねない規則違反が横行していた。

 手放しでの操縦や飛行中の読書のほか、機内で酸素マスクを外し「自撮り」などをしていたことが米軍の報告書で明らかになった。

 安全意識の欠如は目に余る。

 部隊では空中接触が相次ぎ、昨年12月には高知県沖で戦闘機と空中給油機の墜落事故が発生し6人が死亡・行方不明になった。この事故の調査過程で判明した。

 米軍は隊長ら4人を更迭するなど懲戒処分を実施し、隊員教育の徹底を図っているというが、この部隊だけの問題なのか。

 道内では年明けに日米共同訓練が計画されている。機体トラブルが絶えない輸送機オスプレイも参加する予定だ。米軍機の事故は北海道にとって人ごとではない。

 軍全体の実態を調べ、軍紀の緩みがあれば早急に正すべきだ。

 報告書は、薬物の乱用、アルコールの過剰摂取、指示違反など職業倫理にもとる実例があったことも指摘した。

 事故機の乗員2人の尿からは睡眠導入剤の成分が検出され、飛行任務に不適格なまま操縦させた疑いが出ている。搭乗前の健康チェックもずさんと言うほかない。

 2016年には同型機による接触事故が沖縄で発生していたが、負傷者がいなかったため当時は軽微な事案として扱われ、詳細な調査が実施されていなかった。

 原因を究明し、適切な是正措置が講じられていれば、高知沖での死亡事故は防げたのではないか。

 見過ごせないのは沖縄の事故が日本側に伝えられていなかったことだ。河野太郎防衛相が「ルール違反」と批判したのは当然である。

 日米防衛当局間の合意には米側の裁量を認めた規定が少なくない。日本での事故事案はすべて、そして直ちに日本側へ通報するよう厳格化し、徹底する必要がある。

 米軍を巡っては事故だけでなく、機体からの部品落下や、合意違反の訓練実施など問題事案がいっこうになくならない。

 先月には青森県の三沢基地所属の戦闘機が牧草地に重さ約230キロの模擬弾を落下させた。市街地なら大惨事の可能性もあった。

 一連の問題の根には、日米地位協定で事故捜査などについて米軍の特権的な法的地位を定めていることがある。政府は協定の抜本的改定にも努めなければならない。




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