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就活ハラスメント 国は対策を 「彼氏つくらないと」「2人で飲みに」(2019年12月3日配信『東京新聞』)

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就活ハラスメント防止についてサングラスをかけて対策の必要性を訴える学生。右は対馬尚さん=2日、東京・霞が関の厚労省で

 厚生労働省の審議会が11月にまとめたハラスメントの防止指針では就活生へのセクハラ、パワハラ防止に実効性を欠くとして、東京都内の6つの大学の学生らでつくる有志団体「セーフ・キャンパス・ユース・ネットワーク」の学生らが2日、都内で記者会見を開き、文部科学省に声明文を提出した。指針の修正を求め、就活の当事者である現役学生が会見を行うのは初めて。

 声明をまとめたのは慶応、上智、早稲田、国際基督教(ICU)、創価、東京各大学の学生。学生らは「圧倒的な力関係を背景にしたセクハラに耐え、泣き寝入りしてきたがもう黙らない」と改善を訴えた。この日は4人の学生が会見した。就職活動への支障を懸念し2人は顔を写さないよう求め、1人はサングラスをかけた。

 防止指針では、企業にハラスメントを禁止し、相談窓口を設けることを義務付けているが、就活生の保護策は義務付けておらず、慶大院生の対馬尚(なお)さんは「抑止力が全くない」と言う。学生らは社員向け同様、就活生へのセクハラ、パワハラも禁止し、相談窓口の設置も義務付けるよう求めている。大学へも実態調査と相談窓口設置を求めた。

 昨年6月から1年間就活した大学生の女性は会見で、面接やOB訪問などの際に「早めに彼氏をつくらないと売れ残る」などと言われたが、選考に悪影響があることを恐れて反論できなかった。「後輩たちにはこんな経験をしてほしくない」と話した。

 「訪問したOBに飲み会に誘われ、その後2人で飲みにいかされた」「ホテルに行くならエントリーシートを書くのを助けるといわれた」-など、グループには学生からの実態報告も寄せられている。人事部以外の社員が大学OBとして採用活動を手伝う際に問題行動を起こす例が目立つ。

 会見に同席した三浦まり上智大教授によると、大学側も学生の就職率を気にするあまり「企業の問題行動があっても強く要求することができない傾向があり、対応は不十分」という。

2019年11月18日
SAY (Safe Campus Youth Network):
慶應義塾大学学生有志、Voice Up Japan (ICU)
上智大学 Speak Up Sophia、創価大学学生有志
東京大学学生有志、早稲田大学学生有志
SAYFT (Safe Campus Youth Network Faculty Team)*

 私たちは、東京都内でジェンダーに基づく暴力(gender-based violence)について定期的に勉強会を開いている大学生有志のネットワーク「SAY」のメンバーです。
 これまで、私たち、そして、私たちの大切な友人たちが、就職活動の際、圧倒的に不均衡な力関係のなかで理不尽かつ犯罪的なハラスメントに耐え、泣き寝入りさせられてきました。
 そうした経験をもとに、私たちの声を厚労省、企業、大学をはじめ、広く一般社会にも届けたいと思い、ここに声明を出すことにいたしました。この声明をきっかけに動きが全国的に広がり、いわゆる「就活セクハラ」が日本社会から根絶することを願っています。

1.厚労省指針案への不満

 2019年10月21日に厚生労働省は「職場におけるパワーハラスメントに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の素案」(以下、指針案)を示しました。しかし、この指針案では企業による就業活動中の学生(以下、就活生)に関してのハラスメント防止対策は「望ましい」とするにとどまり、実際にハラスメントを防ぐ抑止力はまったくありません。
 現在、就活生に対してのハラスメント、特に女性の就活生への性的ないやがらせ、いわゆる「就活セクハラ」は、就活生の人生選択を狂わしてしまうほど深刻な問題となっています。
ビジネス・ニュースサイトBusiness Insider Japanが2019年2月に行なった「就活セクハラ緊急アンケート」によると、就活生の5割が 就職活動中にセクハラの被害にあっており、その内容から見ても極めて深刻で、喫緊の対策が必要な課題だということがわかります。
 例えば、「就活の時のノートを見せるという口実で家に誘われてそのまま大量に酒を飲まされた。意識がはっきりしない状態で体を触られ、体に点数をつけられ、人格を否定するような言葉もたくさん言われ……。このセクハラが原因でまともに就活できなかった」などの内容が寄せられています。(竹下郁子「OB訪問で自宅や個室で性行為強要、2人に1人の学生が就活セクハラ被害に。「選考有利」ちらつかせ」https://www.businessinsider.jp/post-185252 (閲覧日:2019年11月10日))
 Voice Up Japan による「就活セクハラに関するアンケート」(2019年9月16日より開始、現在も続行中)では、「就活アプリを通して知り合った社員と面会後夕食に誘われ、不適切なボディタッチをされた後、家でエントリーシートの添削をするという事で住所を複数回に及んで聞かれた」「大学時代に身体関係を持った人の話を聞かれた」「座っているときに、上から服の中を覗かれる」「小さな声で話し、聞き取りにくいからと近くに寄ったら息を吹きかけられた」というものもありました。 また、実際に我々学生の周りにも、「OBOG訪問をしていたら家に誘われた」などの声が届いています。
 以上の深刻な状況を踏まえ、就活セクハラで苦しむ学生がこれ以上出ないように、指針案を修正し、社会全体が就活セクハラ防止に真剣に取り組むことを求めます。

2.就活セクハラが起こる背景について

2−1 日本の就職活動の現実と構造

 日本では「新卒」というプロフィールに重きがおかれ、大学卒業後すぐに企業に就職しなければ、それ以降順調なキャリアパスを歩むことが困難になりかねません。つまり、就職活動は、私たち学生にとって、まさに人生を左右する一大イベントです。就活中の学生は、自身の一挙一動が企業の社員の目にどう映るかに非常に敏感です。内定に影響が出るかもしれないと考えると、学生が被害を受けた際に抵抗を示すことはもちろん、不快感を示すことすら困難です。
 さらに現在の就職活動は、就活ルールの撤廃やインターネットの普及により、非常に複雑化しています。アプリを通じた社員訪問、インターン採用、リファラル採用、OBOG訪問、リクルーター制などがあり、事実上の就職活動は長期に及び、企業に面接に行くだけが就職活動ではありません。
 こうした中、就活生と企業社員との力関係は絶対的に不均衡です。対策を講じなければ、就職活動のプロセス全体がハラスメントの温床となり、それを悪用する社会人は必ず一定数出てくるでしょう。就活セクハラに限らず、内定辞退を妨害するパワハラも同じ力関係の中で起きています。このままでは、「就活中だから…」と耐え、抵抗すらできない学生は泣き寝入りする以外ありません。

2−2 大学と企業の制度の狭間で就活生の権利が保障されていない現状

 就活生は、日本の法制上、企業に雇用された「労働者」ではなく、労働法等の保護対象とはなっていません。そのため、被害にあった学生のほとんどが被害を相談すらできずにいます。しかし、国際労働機関(ILO)「仕事の世界における暴力とハラスメントの撤廃に関する条約・勧告」では、求職者や就職志願者も適用対象者に含めるとされ、日本における労働者保護の範囲がいかに狭いかが理解できます。
 現行の雇用機会均等法第5条では、「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない」とされています。就活生へのセクハラが女性の学生に集中して発生している状況は、雇用機会均等法の趣旨および第5条に明らかに反していますが、就活生がこの法律によって保護されているとも到底思えません。
 セクハラによって就活生が将来を諦めてしまう状況を変えるためには、法律の狭間に就活生が落ちてしまわないように、切れ目のない権利保障の仕組みが必要です。被害にあった就活生が利用できる公的な相談窓口や救済制度の拡充、企業内での教育・研修の義務化、セクハラ加害者のみならずその加害者を雇用する企業への罰則等の規定は必要不可欠であると言えます。
 同時に、大学をはじめとする教育機関による就活生へのサポート体制や情報の周知徹底が不足している点も深刻な問題です。近年は、大学自らがインターンシップを積極的にカリキュラムに加えて、教育の場を企業に委託しています。こうした状況に鑑みれば、大学側は、就活だけでなく、インターンシップ中も含めて、大学生が企業でセクハラにあった際、どこに相談すればよいのかなどのサポート体制の構築が急務です。

3 厚生労働省、企業、大学への要望

3-1 厚労省に対して: 以下の理由で「指針案」の見直しを要求します
厚労省におかれては抜本的な就活セクハラ防止策を講じることを求めますが、2019年10月21日の指針案に関しては、当面以下の理由によって、修正を求めます。

3-1-1 対策が不十分である

 第198回国会「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律等の一部を改正する法律案に対する附帯決議」十五では「フリーランス、就職活動中の学生、教育実習生等に対するハラスメントを防止するため、男女雇用機会均等法等に基づく指針等で必要な対策を講ずること」とありました。しかし、今回の指針案ではそのような「必要な対策」にはまったく踏み込んでいません。企業に就活ハラスメント相談窓口を設置するなど、実際にハラスメントが起こった状況を想定した具体的な対策が必要です。

3-1-2 配慮すべき内容が明記されていない

 同附帯決議九では、指針の策定にあたって、「『自社の労働者が取引先、就職活動中の学生等に対して行ったハラスメントも雇用管理上の配慮が求められる』と明記すること」と書かれていました。つまり、就活生においても指針案4にあるような「 事業主が職場における優越的な関係を背景とした言動に起因する問題に関し雇用管理上講ずべき措置の内容」を明記する必要があるはずです。しかし、今回の指針案では、就活生に対しては、「方針の明確化等」といったあいまいな言及に留まっています。私たちは、指針案4の①方針等の明確化及びその周知・啓発、②相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備、③職場におけるハラスメントにかかわる事後の迅速かつ適切な対応、④プライバシー及び不利益取り扱いの禁止等について、事業所の被雇用者のみならず、就活生にも適用されるよう求めます。

3-1-3 就活セクハラに対する言及が不十分である

 現状の指針案では、「職場」が非常に狭く定義されているがゆえに、就活生に対するセクハラが対象から排除されています。現実ではOBOG 訪問等、「業務外」とされてしまう空間でセクハラや性犯罪が発生しています。そこでは個人では抵抗できない力の不均衡が支配しており、就活生はその会社への入社を希望する「社員候補/潜在的な部下としての立ち回り」を要求されているため、社員からのセクハラに泣き寝入りするしかできない状況にあります。当該指針はこのような事態への解決を提示しておらず、記載内容も不十分です。就活セクハラが起きる構造把握に基づいた実効性のある規定を設けるべきです。また、就活セクハラに関して、就活生、大学、企業を対象にした包括的な実態調査の実施も求めます。

3-2 企業に対して:企業の社会的責任を自覚した行動を要求します

 未来を担う若者が就活セクハラによって希望の進路で働けなくなることや、働くことすら困難になることは、決して許されるべきではありません。若者の人生を左右する就職活動において、企業自らが学生の安全を保障するよう求めます。 なぜなら企業は社会の持続的発展のために、社会的に責任ある行動をとることが求められているからです。未来を担う若者を育て、弱い立場である就活生の人権を守り、健全な就職活動の環境を維持することは、企業の社会的責任という観点からも重要であり、なにより社会全体に持続可能な成長をもたらす上で、必要条件と言えます。

3-3 大学に対して:教育機関としての義務を果たすよう要求します 

 大学側の就活セクハラへの対策も不十分です。就活セクハラを受けた学生たちは、企業内の行動規範からも政府の法律からも守られず、心身ともに傷ついて学業に励むことすらままならなくなってしまいます。学生たちが学業に専念できる環境を整え、かつ卒業後の進路選択・就職活動について適切な指導をすることは、教育機関の義務と考えます。
 学内の被害者が声を上げるのを待つのではなく、これ以上被害者が増えることを未然に防ぐために、在籍学生への就活セクハラの実態調査、キャリアセンターによる就活セクハラの危険周知、就活に関する相談窓口の設置などの対策を講じるべきです。また、企業に対して、就活セクハラを断固として許さないという姿勢を示すことも大学の役割だと考えます。

 以上、就活セクハラで未来を奪われる学生がこれ以上出ないように、関係諸機関が真摯に対応することを求めます。その際、就活生に関する重大な決定について、当事者である学生の声を十分に反映した実効性ある具体的な対策を求めます。

* 本件に関してご質問等は、SAYFTメンバー、SAY連絡担当の 林香里(東京大学教員)・三浦まり(上智大学教員) sayft2019アットgmail.com 宛てにメールにてお問い合わせください。(アットは、@に直してください)。




「就活パワハラ防止に不十分」 就活生ら、厚労省指針に(2019年12月3日配信『共同通信』)

 東大、早稲田大、慶応大、上智大、創価大、国際基督教大の6大学の学生らでつくる有志団体「セーフ・キャンパス・ユース・ネットワーク」は2日、厚生労働省で記者会見を開き、同省審議会が11月にまとめたパワハラの指針について「就活ハラスメントを防ぐのに不十分」と訴えた。多くの被害者が泣き寝入りしており、具体策を明記すべきだと求めた。

 指針は就活生への言動について「(社員と)同様の方針を示し、相談があった場合は適切な対応に努めることが望ましい」との表現にとどまっている。学生らは、厚労省が20日まで実施中の意見公募(パブリックコメント)に声を寄せる予定。

 昨年6月から1年間就活をした大学4年の女性は、OB訪問や社員との食事の場で「早めに彼氏をつくらないと売れ残る」「すぐに結婚されると困る」と言われたが、選考に影響すると思い反論できなかったという。「冗談だからと許されてしまう現状に怒りを感じる」と話した。

 ネットワークはこの日、大学側も相談窓口の設置や実態調査を実施すべきだとの声明文を文部科学省に提出した。国際基督教大2年の山下チサトさんは「大学や企業も、学生の身を守る行動を取ってほしい」と述べた。



就活セクハラなくして 学生ら会見 政府は実効ある対策を(2019年13月1日配信『しんぶん赤旗』)

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記者会見するSAYの(左から)林東大大学院教授、三浦上智大教授と学生・院生=2日、厚生労働省

 東京都内の六つの大学の学生と教員でつくるグループが2日、厚生労働省内で記者会見し、就職活動の際に企業の採用者らが学生に性的な言動を行う「就活セクハラ」の根絶を主張し、実効性ある対策を政府に求めました。

 会見したのはジェンダーにもとづく暴力についての勉強会を開くSAY(Safe Campus Youth Network)。1年間就職活動をした女子学生(4年)はOB訪問やインターンシップ(研修)後の食事の場で何度も、「彼氏いるの? 結婚ってどう思っている?」などと聞かれた体験を告発。「採用にこれらの情報が本当に必要か。私の人生は私が決めるもの。(問題発言が)すべて許されてしまう現状に怒りや悲しみを感じた」とのべました。

 厚労省が女性活躍等推進法改定に伴って策定中の指針案では、企業による就活生へのハラスメント防止策は「望ましい」とされるにとどまり、企業に義務づけられる防止措置の対象外です。

 これに会見で大学院生が「ハラスメントを防ぐ抑止力はまったくない」と批判。「就活セクハラは人生選択を狂わせてしまう深刻な問題。企業に比べて弱い立場の学生は政府と法制度で守られるべきだ」と訴え、指針案の見直しを求めました。

 会見には上智大学の三浦まり教授、東京大学大学院の林香里教授が出席しました。





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