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子どもの貧困対策 早期に把握しきめ細かな支援を(2019年12月3日配信『愛媛新聞』―「社説」)

 政府は子どもの貧困対策の基本方針を示した新たな大綱を閣議決定した。貧困の現状や対策の効果を検証する指標に「ひとり親の正規雇用割合」などを追加し、従来の25項目から39項目に増やした。

 核家族化に加え近所づきあいも希薄になり、子どもの貧困は周囲に見えづらくなっている状況がある。国や自治体は指標などを活用し困窮している家庭を早期に見つけ、民間団体とも連携して個々に寄り添った支援に努めるべきだ。未来を担う子どもたちに周囲との格差でつらい思いをさせたり、将来の夢を諦めさせたりしてはならない。

 平均的な所得の半分に満たない家庭で暮らす18歳未満の割合を示す「子どもの貧困率」は、2015年の調査で13.9%。12年の16.3%からは改善したが、7人に1人に上り、先進国では高い水準にある。

 政府が子どもの貧困対策を本格化したのは14年から。子どもの貧困対策推進法が施行され、初の大綱も策定した。今年6月には改正法が成立し、貧困対策に関する計画策定を市区町村の努力義務とするなど対策が強化された。しかし、家計は上向かず、雇用形態の格差なども背景に貧困解消への取り組みは道半ばなのが現状だ。

 今回5年ぶりに見直した大綱では、親の妊娠から、生まれた子どもの社会的自立まで切れ目なく支援する方針を掲げた。貧困の改善指標には、電気・ガス・水道料金の滞納経験や、食料・衣服が買えない経験なども追加した。家庭の実情をより掘り下げて確認し、継続的に支援しようとする点は評価できる。

 特に、ひとり親世帯への支援が急がれる。働くシングルマザーのうち正規雇用は4割超にすぎず、賃金が低い非正規で働く人が多数を占めるといった状況があるためだ。公共料金を滞納した経験のある割合をみても、ひとり親世帯は子どものいる全世帯と比較すると10㌽程度も高くなっている。政府は税の減免や手当の拡充のほか、企業に正規雇用を促す仕組みをつくるなど就労支援を強化すべきだ。

 貧困からの脱却には息の長い支援が欠かせないが、現場の資金や人材が不足している。全国的にボランティアによる学習支援や、無料か低額で食事を提供する「子ども食堂」など民間の取り組みが広がっている。子ども食堂は3700カ所以上に増えており、食生活の改善や居場所づくりに大きな役割を担う。こうした民間のさまざまな事業を支える施策が十分か、再点検しなければならない。

 内閣府は来年度にも、子どもの生活実態などに関する全国共通の調査を実施する方針だ。今年6月時点で、貧困対策計画を策定済みの市区町村は145にとどまる。調査を通じて、地域差なく対策が進むよう後押ししたい。市区町村は住民に最も身近な存在であり、親や子どもの要望を聞き、当事者の立場に立った施策を展開してほしい。





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