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[災害時の避難所] 女性の視点が不可欠だ(2019年12月5日配信『南日本新聞』ー「社説」)

 政府は、大規模災害が相次いでいることを受け、避難所での女性や子どもへの配慮事項をまとめた防災の指針の見直しに乗り出した。課題を把握するため、被災経験のある自治体に聞き取り調査し、年度内の改定を目指す。

 人目を気にしながらの授乳や着替えなど、避難所での生活に悩む女性の声はこれまでも上がっていた。今年の台風19号の被災地でもプライバシーが守られないケースが報告されている。

 さまざまな人が生活する避難所の運営には女性や子育て中の人の視点が不可欠だ。避難生活を経験した人の声を聞きながら議論を深めてほしい。

 現在の「防災・復興の取組指針」は、東日本大震災の経験を踏まえ2013年に作成された。それまで、避難所に女性更衣室などがなく、「男性は運営、女性は食事係」と性別で役割が割り振られた事例もあった。このため、指針では男女共同参画の視点を基本にし、紙おむつや女性用品の用意、避難所管理者に女性も配置することなどを求めている。

 今年の台風19号で、政府は女性に配慮した避難所運営を呼び掛けていた。しかし、細かいケアまで手が回らず、下着や生理用品が必要な人に行き渡らないという課題も残った。

 緊急時には、起こり得る事態を想定し備えることが重要だ。それには被災した自治体の経験が参考になる。

 熊本市男女共同参画センターは、16年の熊本地震での避難生活で市民が直面した課題と教訓を冊子「防災ポイントBOOK」にまとめた。

 それによると、避難所の運営が男性に偏ったため、おむつや授乳室が確保できなかったり、運営の責任と負担が集中してストレスを抱える男性もいた。安心して過ごせる避難所にするには、「女性が運営に主体的に関わり、性差ではなく個人の得意分野で行動することが大事」と呼び掛けている。

 火山が多く、風水害も頻発する鹿児島県でも長期避難を余儀なくされる事態は、いつ起きてもおかしくない。

 鹿児島市は昨年、性の違いに配慮した避難所運営マニュアルを策定した。女性専用スペースを設け、女性と子どもの安全とプライバシー確保を優先することを確認している。ただ、実際は住民が主体になって運営するため、どう浸透させていくかが鍵となりそうだ。

 県の防災会議の女性委員は全国の15.7%より低い11.1%。市町村は6.5%と、さらに下回る(18年)。もっと女性委員を増やし、誰もが安心して生活できる避難所運営を全県域で定着させていく必要がある。

 避難所で配慮が必要なのは男性、高齢者、障害者、外国人も同様だ。被災という緊急時にみんなが等しく尊重される仕組みづくりを急ぎたい。

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Author:gogotamu2019
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