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「愛のムチ」(2019年12月5日配信『高知新聞』ー「小社会」)

 制裁を加えるために握り拳でなぐる「鉄拳制裁」、スポーツ界で一時はやった「けつバット」…。どちらも過去の言葉になりつつある。体罰に合理性はなく、今や通用しない。まして弱い立場にある子どもに対しては。

 その面で、「愛のムチ」という言葉を死語グループに入れるかどうか。子を愛するがゆえの親の「しつけ」。最近、ひどい幼児虐待でわが子を死なせた親が、言い訳のように使う。

 子どもに対する親の体罰を禁じた改正児童虐待防止法が、来年4月から施行される。これを受け、厚生労働省の検討会で、体罰の定義を含む指針案が示された。体罰とは「子どもの身体に苦痛や不快感を引き起こす行為(罰)」。

 しつけとの境界を示すために、体罰の具体例を示した。「注意したが言うことを聞かないので頬をたたく」など、子に手を上げる行為は当然だろう。中に「いたずらしたので長時間正座させる」というのもある。

 子どもに正座を教えること自体は悪いことではない。茶道や華道、接待など正座は日本文化の一つの柱。しつけとの違いは「長時間」、罰するために「させる」という強制性にあろう。子どもへの暴言や無視も、極力避けなければならない。

 「自分もたたかれて育った」という体罰容認派も含めて、親の世代には戸惑いもある。子育てを社会全体で支援する態勢も必要だ。時間をかけて「愛のムチ」からムチの取れた環境を築きたい。




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