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しつけと体罰(2019年12月10日配信『北海道新聞』ー「卓上四季」)

 米国の作家、カート・ヴォネガットが、姉の3人の息子を引き取ったことを何かに書いていた。姉の夫は鉄道事故の犠牲になり、その2日後、彼女もがんで亡くなったという

▼兄弟は決して幼いわけではなかったが、大人になってから、実の父母のことを全く思い出せなかった。あまりにむごい目に遭うと、耐え難い悲しみから自分を守るため、子どもの心が忘れるようにできているのではないか。ヴォネガットは、そう書いていたと思う

▼近年の研究で、恐怖や強いストレスに直面した子どもの脳に、何が起きるのか分かってきた。福井大学の友田明美教授の「子どもの脳を傷つける親たち」によると、虐待はもちろん、体罰、暴言、無視、子どもの前での夫婦げんかなどにさらされ続けると、脳に変形や萎縮が生じるという

▼例えば、過度の体罰により、痛みに鈍感になるように脳が変化する。外部を変える力がないので、自ら脳を痛めつけて適応しようとするとは、残酷な事実というほかない。当然、子どもの健全な発育は損なわれる

▼しつけ名目の体罰を防ぐため、厚生労働省が指針案をまとめた。身体に苦痛を与える行為に加え、心を傷つける暴言も否定している。体罰はエスカレートしがちで、虐待事件を起こした親の多くはしつけを口実にする

▼一方、体罰を受けていた人ほど体罰に走る傾向も指摘され、親へのサポートも欠かせない。




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