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体罰に指針案 「言って聞かせる」が基本(2019年12月11日配信『北国新聞』ー「社説」)

 体罰についてどんな行為が禁止になるのかを示す厚生労働省の指針素案がまとまった。体罰を「子どもの身体に苦痛や不快感を引き起こす行為」と定義し、「頬、尻をたたく」「長時間正座させる」など具体例を挙げている。親が愛のムチとして手を挙げることを含め、子どもに肉体的苦痛を与えるのはしつけを超えた行為と位置づけ、「言って聞かせる」のが教育の基本とする方針である。

 昨年度、児童相談所が対応した虐待件数は石川県が1084件、富山県は848件で、いずれも過去最多となった。全国でも増加の一途をたどっており、幼い子の虐待死が後を絶たない。その親が暴力を振るう建前にしているのがしつけである。しつけの範囲を親の考え方に任せ、各家庭で変わるのを容認している間は悲劇はなくならない。育った時代や家庭環境から賛否の意見があるのは当然として、子どもが身体的苦痛を感じる行為を体罰として線引きした今回の素案は妥当なラインだろう。

 児童虐待防止法は、虐待として身体的暴行やわいせつな行為、ネグレクトのほか、配偶者への暴行も子の心を傷つけるため範ちゅうに入れている。ただ、親から子への体罰については明確な定めがなく、体罰を禁じる改正児童虐待防止法が6月に成立したことから、来年4月施行の前に体罰の範囲を示すガイドラインが必要だった。厚労省は今回の素案についてパブリックコメント(意見公募)を実施した上で年度内に最終的な指針を出すことにしている。

 育てる側の親も戸惑いはあるだろう。尻をペンとたたくのも、ゴツンとげんこつ一つするのも体罰に入る。何事も言葉で教え諭す根気強さが求められ、日ごろのコミュニケーションも大事になる。

 素案には違反した親への罰則を設けていない。あくまでも子育てへの社会全体での支援が目的であり、保護者を追い込むことは意図していないとしている。そのためには国や自治体は、子育てする親が悩み、孤立しないよう相談に乗り、支援する体制の拡充が欠かせない。一方で、親が子を戒めることを認めている民法の「懲戒権」を見直す作業も急ぐ必要がある。




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