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照明弾訓練再開方針 住民危険にさらす暴挙だ(2019年12月21日配信『琉球新報』-「社説」)

 金武町伊芸の民間地域に今月5日、米軍の照明弾3発が落下した事故で、米海兵隊が迫撃砲照明弾による訓練を再開する方針を県側に伝えた。

 強風が事故の原因であり、訓練が実施できる最大風速を、従前よりも下方修正することで再発防止を図るという。

 県民を愚(ぐ)弄(ろう)しているとしか思えない。一定以上の風速のときは訓練を控えるよう規則を変えたからといって、守られる保証は全くないからだ。

 発射する方向や角度を誤れば民間地域に落下する事態は起こり得る。規則が破られたり、発射の方法を間違ったりすることがないと、誰が言い切れるのか。

 現に、民間地域への流弾などの事故は、過去に何度も発生している。海兵隊が示した改善策は実効性がない。訓練の再開は住民を危険にさらす暴挙であり、断じて受け入れられない。

 米軍にどんな不手際があっても民間地域への落下は金輪際起きないという万全な対策は、狭い沖縄では望むべくもない。そうである以上、演習は直ちに全廃すべきだ。

 照明弾は、パラシュートが開いて燃焼しながら落ちてくる。民家に落下すれば火災を引き起こす恐れがある。車両が行き交う道路に落ちれば死傷事故を誘発しかねない。今回、3発のうち1発が見つかった場所は、沖縄自動車道から15メートルしか離れていない。
 沖縄防衛局が県に伝えた情報によると、発射されたのはキャンプ・ハンセン内のレンジ2だった。伊芸区から約1キロの距離だ。12個を発射し、うち3個が民間地で発見された。訓練時の詳しい状況などは明らかにされていない。

 まかり間違えば県民の生命、財産に危害が及ぶ恐れがあった。被害が出なかったのは運が良かっただけだ。本来なら日本の捜査当局が主体的に解明すべき事案である。

 米軍は風に流されたことが原因と結論付けているが、あくまでも加害者側の一方的な言い分だ。決してうのみにはできない。

 もしかすると、迫撃砲の誤射といった重大なミスを隠しているのかもしれない。真相はやぶの中だ。ここにも、捜査を阻む不平等な日米地位協定の存在が影を落とす。

 照明弾落下に抗議するため、県が米海兵隊に来庁を求めたところ、米側は「基地に来るなら応じる」として断った。米軍は近年、県の呼び出しをたびたび拒んでいる。

 迷惑を掛けたのだから、相手から求められる前に謝罪に赴くのが当たり前だ。来るなら会ってやる、という高飛車な態度は常軌を逸している。
 ここまで米軍を増長させたのは、米国に追従するばかりで、地位協定の抜本見直しをはじめ、主張すべきことを主張してこなかった日本政府の責任と言えよう。

 政府は、米国に対し演習の恒久的な中止を強く要求すると同時に、非常識な対応を改めるよう求めるべきだ。




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