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子どもの養育費を決める算定表を更新 最高裁が公表(2019年12月23日配信『NHKニュース』)

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離婚後に子どもを育てる親が受け取る養育費を決める際に使う算定表を最高裁判所が更新し、公表しました。算定表の見直しは平成15年以来で、生活にかかる費用が増えていることなど、社会情勢が変化していることが考慮され、月額で1万円から2万円程度、増額となるケースがあるということです。

離婚後に子どもを育てる親が受け取る養育費は、平成15年に裁判官のグループが迅速に金額を決めるための算定表を公表し、活用されてきました。

最高裁判所の司法研修所では、国が公表している所得や家計にかかる費用の統計などで、当時と現在を比べると子どもにかかる食費や光熱費などが上がったことや、子どもも携帯電話を持つようになったことなど社会情勢の変化を考慮して、算定表を更新しました。

算定表は子どもの人数や年齢、親の双方の年収によって、月額の養育費が導かれる仕組みです。

例えば、0歳から14歳までの子ども1人を育てる親の年収が300万円で、相手の年収が500万円の場合、月額の養育費はこれまでの算定表では2万円から4万円でしたが、新しい算定表では4万円から6万円となります。

このように1万円から2万円程度の増額になるか、条件によっては金額が変わらないかのどちらかで、金額が減るケースは無いということです。

養育費・面会交流とも低い水準

平成23年の民法の改正で、子どものいる夫婦が離婚する場合には子どもの利益を最も優先し、養育費と離れて暮らすことになった親子が会う面会交流について、取り決めるよう明文化されました。

しかし、強制力はなく、養育費と面会交流の取り決めや実施はいずれも低い水準となっています。

厚生労働省がひとり親家庭の生活実態を調べた平成28年度の調査結果によりますと、養育費について取り決めをしていたのは、子どもを母親が引き取った母子家庭の場合は42.9%、子どもを父親が引き取った父子家庭は20.8%でした。

養育費の受給について、「現在も受けている」と答えたのは母子家庭は24.3%、父子家庭は3.2%で、取り決めよりも低い水準となっています。

また、面会交流について取り決めをしていたのは母子家庭は24.1%、父子家庭は27.3%と3割未満となっています。

面会交流を「現在も行っている」と答えたのは、母子家庭は29.8%、父子家庭は45.5%で、こちらも低い水準となっています。

明石市のひとり親家庭への支援策が注目

養育費を受け取っている家庭が少ないことなどひとり親家庭を取り巻くさまざまな問題について、兵庫県明石市の取り組みが全国で注目を集めています。

明石市は平成26年から親が離婚した子どもと家庭への支援を始めました。

現在は、離婚する際に養育費や面会交流について取り決めるよう促す手引きの配布や、面会交流の支援を行っています。

去年からは明石市が委託した保証会社が養育費を受け取っていない家庭の養育費を立て替えたり、相手から回収したりする事業を試行的に始めました。

大阪市や滋賀県湖南市も同様の取り組みを始めています。

明石市ではさらに養育費の不払いを無くすことを目指し、養育費が支払われない場合に過料を課すことや氏名を公表することを市の条例に盛り込めないか、専門家による委員会を設けて議論しています。

専門家「実態に合う見直しで評価できる」

家族法が専門でひとり親家庭の問題に詳しい早稲田大学の棚村政行教授は、算定表の更新について「作られてから15年以上がたち、生活実態に合っていないのではないかという批判がかなりあった。基本は維持しつつ、大きな変化ではないが、実態に合うように見直されたと評価できる」と話しています。

そのうえで、今後の課題として「物価や経済状況が変動するので、3年から5年くらいの間隔で見直すべきだと思う。また、裁判所だけで作るのではなく、厚生労働省などの関係機関と協力して作ればもっとよい」と話しています。

また、兵庫県明石市が養育費の不払いを無くすため、親の氏名を公表する制度などを検討していますが、棚村教授は、専門家の委員会の座長として議論に加わっています。

明石市での議論について、棚村教授は「決められた養育費が支払われない場合に、行政が積極的に役割を果たし立て替え払いをして、取り立てることも必要だと思っている。

しかし、ペナルティーだけを強化すると、支払いできない状況に追い込むことになりかねず、かえって親子関係が壊されていく危険性があるので慎重に検討している」としています。

そのうえで、「親子の面会交流がうまくいっている人たちは養育費の支払いもかなりうまくいっているように養育費の支払いと面会交流は車の両輪のような面がある。子どもを精神的にも経済的にも支え、将来を守り、幸せにするためには、全体を総合して検討していくことが必要だ」と話しています。

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養育費、月1~2万円増 最高裁が算定表見直し(2019年12月1日配信『日本経済新聞』)

離婚訴訟などで子の養育費を計算する目安として使われる「養育費算定表」について、最高裁司法研修所は22日までに改定版をまとめた。2003年の公表以来初の見直し。携帯電話を使う子どもの増加といった社会情勢の変化を反映させた。個々のケースで異なるが、親の年収によっては月1万~2万円程度増えるなど全体的に増額傾向となった。

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新しい算定表は23日以降、離婚調停などで目安になる。過去に取り決めた養育費に自動的に遡及適用することはない。最高裁は同日午前にも新しい算定表を裁判所のウェブサイト上で公表する。

算定表は離婚するなどして子どもと離れて暮らす親が毎月支払う養育費の目安を定めたもの。夫婦の収入や子どもの人数、年齢に応じて詳細に決められており、条件に当てはめることで「2万~4万円」「4万~6万円」などと算出できる。

法的拘束力はないものの、素早い紛争解決につながるとして離婚調停などの実務で定着している。ただ、弁護士などから「現在の生活実態に合っていない」との指摘もあり、司法研修所が算定方法の見直しを進めていた。

養育費は親の収入を基に税金や保険料、仕事にかかる経費の「職業費」、住居費などを差し引いた上で算出する。今回の改定では算出の基になる統計データを更新するとともに、計算方法を一部変更した。

税金と保険料については18年7月時点の料率を適用した。職業費のうち「通信費」は従来、仕事をしている親だけが通信機器を使っているとの前提で世帯の全額を計上していたが、親の使用分だけを切り分けて計上することにした。未成年者にも携帯電話が普及したことを反映させた形だ。

こうした見直しの結果、多くのケースでは養育費が増額となる。改定後の算定表によると、例えば養育費を払う親の年収が450万円、15歳未満の子1人と同居する親の年収が150万円の家庭だと、養育費は「4万~6万円」となり、現行の「2万~4万円」から増える。

養育費を払う親の年収が800万円、15歳未満の子2人と同居する親の年収が300万円の場合は、現行の「8万~10万円」が「10万~12万円」に増える。条件によっては従来と変わらない世帯もある。



養育費16年ぶり増額 最高裁、基準見直し 「数年ごとの変更必要」と識者(2019年12月23日配信『産経新聞』)


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 夫婦が離婚する際に取り決める子供の養育費や別居の際に生活費などを支払う婚姻費用について、最高裁の司法研修所は社会情勢の変化などを踏まえて算定基準を16年ぶりに見直し、23日付の研究報告書で公表した。現行の基準では低額すぎるとの批判があり、夫婦の収入によっては月1万~2万円程度の増額となる。

 離婚訴訟で養育費を決める際には、裁判官らの研究会が平成15年4月に公表した「簡易算定方式」に基づく算定基準が使用されている。

 夫婦の収入と子供の年齢や人数に応じて、子供と離れて暮らす親が支払うべき養育費の目安が表になっており、機械的に迅速に計算できることから実務の現場で広く定着してきた。

 しかし、従来の算定基準は公表から16年が経過し、「税率改正や物価変動を反映していない」といった批判があった。このため、司法研修所は昨年7月から算定基準の見直しに着手。東京、大阪両家裁の裁判官4人に研究を委嘱していた。

 新しい算定基準ではスマートフォンが子供にも普及し、通信費の支出が増加するなど近年の家庭の支出傾向を踏まえ、計算方法を見直したほか、計算の基礎となる税率や保険料率を最新のデータに更新した。結果、夫婦の収入や子供の人数によっては月1万~2万円程度増額されることになった。最大で6万円増えるケースもあったが、一部は現状と変わらなかった。

 養育費は子供が成人するまで支払うのが一般的。令和4年4月の改正民法の施行で成人年齢が18歳に引き下げられるが、大半の子供は18歳段階で経済的に自立していないとして、養育費の支払いは現行通り20歳まで支払うべきだとした。

数年ごとの変更必要

 ひとり親家庭の貧困の一因ともいわれてきた養育費や婚姻費用の算定基準が見直された。全体的に増額傾向となったが、実務面での影響を考慮し、小幅程度にとどまった。16年ぶりとなった改定に対し、識者からは数年ごとに定期的な見直しを求める声も出ている。

 新基準では、夫が自営業で年収750万円、9歳と1歳の子供を養う妻は会社員で年収100万円だった場合、夫が支払う婚姻費用は従来の「月18万~20万円」から、「月20万~22万円」に増額される。

 日本弁護士連合会(日弁連)は平成28年、現行の約1・5倍となる独自の算定方式を発表し、改善を要請。このケースでは「月27万円」になる計算だ。

 だが、新基準に、この方式は採用されなかった。理由は「実務に定着しているところを大きく変える必要はないとの判断」(裁判所関係者)だ。早稲田大の棚村政行教授(家族法)は「大幅な見直しとなれば、これまでの調停や審判なども変更や見直しが必要になる。最小限の改定はやむを得ない」と理解を示す。

 一方で棚村教授は15年以上、改定されなかったことを問題視。「数年ごとに最新の統計データに基づく見直しが必要だ」と指摘し、裁判所だけでなく、弁護士会や厚生労働省などの関係機関と連携した対応を求めている。

【用語解説 養育費と婚姻費用】

養育費は子供を引き取っていない親が支払うべき費用。婚姻費用は家庭生活を維持するために必要な費用で、別居中の生活費も含まれる。民法は子と離れて暮らす親に「配偶者や子に自分と同程度の生活水準を保障する義務」(生活保持義務)を定めている。離婚の際に具体的な金額は話し合いで決めるが、まとまらなければ、養育費の支払いを命じるよう求める家事審判などを申し立てることができる。



養育費、月数万円増額 子どもの貧困受け算定表見直し 最高裁司法研修所(2019年12月23日配信『毎日新聞』)

 離婚後に別居している親が支払う子の養育費について、最高裁の司法研修所は23日、費用計算の目安となる新たな算定表を公表した。2003年に示された旧算定表の算定方式を踏襲しつつ、最新の家庭の支出動向を反映させた結果、全体的に月額で数万円程度、増額される傾向となった。子どもの貧困対策の必要性が指摘される中、ひとり親家庭を支援する見直しになりそうだ。

 養育費は、子の人数や年齢、夫婦の収入を考慮し、両親が相談して決めるのが原則。算定方法を定めた法令はなく、合意できない場合は、家裁の調停や審判で協議する。

 算定表はこの際の目安として使われる。総収入から税金や諸経費を除いて自分の意思で使える父母双方の「基礎収入」や、支出されるべき「子の生活費」を指数化するなどして策定。「月2万~4万円」など目安となる養育費の幅を割り出すことができる。最終的な額は家族ごとの個別事情も加味して決まる。

 03年公表の算定表は、標準的な養育費が簡単に素早く導き出せることから定着してきたが、16年が経過し、税制や支出動向の変化が指摘された。このため司法研修所は昨年から、家裁の裁判官4人に委託し、算定表の検証を進めてきた。

 新算定表は、税率や保険料率を最新のデータに更新した。基礎収入は控除される諸経費の割合などを現行より小さくし、逆に子の生活費は0~14歳で大きくするなどした結果、全体的に増額傾向になった。ただし、親の収入によっては現行と変わらないケースもある。新算定表は裁判所ウェブサイトで公表する。

 離婚する夫婦は年約20万組。司法統計によると、家裁の調停や審判で養育費の支払いを取り決めたのは昨年、約3万1000件に上っている。




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