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35歳からのステップアップ(2019年12月23日配信『南日本新聞』ー「南風録」)

「サンタクロースよ、もし存在するならば世界中の職安を回って、失業者達の親指に穴のあいた靴下に片っ端から条件のいい仕事を入れて回ってくれ」。失業中の36歳の恭子が愚痴る

 芥川賞作家、絲山(いとやま)秋子さんによる2004年の小説「勤労感謝の日」の一節だ。就職氷河期と言われた当時、独身女性のある一日を、皮肉交じりの毒舌とともに淡々と描く

 バブル崩壊後の1990年代半ば、国は非正規雇用を拡大する政策をとった。雇用環境が特に厳しく、新卒で仕事が見つからなかったり、パートやアルバイトを選ばざるを得なかったり。そんな氷河期世代への支援に、国が来年度からようやく本腰を入れる

 一足早く、鹿児島市と霧島市のハローワークに専門窓口「35歳からのステップアップ」コーナーが設けられた。職業訓練やカウンセリングも促しながら、相談者が望む就労の道を探る

 35~54歳が対象の「限定求人」が今秋解禁され、鹿児島県内でも約70件求人が出ている。ただタクシー運転手など職種の偏りが目立つ。担当者は、女性に人気の高い事務系への広がりを期待する

 小説の主人公、恭子は、時代にも恋愛にも「何か釈然としない。何もかも釈然としない」と感じている。作品の発表から15年たった。実は非正規雇用の割合は当時より増えている。50歳を過ぎた恭子なら、今の状況にどんな毒舌を吐くだろう。



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受賞歴
第134回(平成17年度下半期) 芥川賞受賞

内容紹介
同期入社の太っちゃんが死んだ。約束を果たすべく、彼の部屋にしのびこむ私。恋愛ではない男女の友情と信頼を描く表題作他全3篇

内容(「BOOK」データベースより)
仕事のことだったら、そいつのために何だってしてやる。そう思っていた同期の太っちゃんが死んだ。約束を果たすため、私は太っちゃんの部屋にしのびこむ。仕事を通して結ばれた男女の信頼と友情を描く芥川賞受賞作「沖で待つ」に、「勤労感謝の日」、単行本未収録の短篇「みなみのしまのぶんたろう」を併録する。すべての働くひとに。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
絲山/秋子
1966年東京生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業後、住宅設備機器メーカーに入社、2001年まで営業職として勤務。03年「イッツ・オンリー・トーク」で第96回文學界新人賞を受賞。04年『袋小路の男』で第30回川端康成文学賞、05年『海の仙人』で第55回芸術選奨文部科学大臣新人賞、06年「沖で待つ」で第134回芥川賞を受賞(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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Author:gogotamu2019
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