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梅毒患者が急増 早期の診断と治療を(2019年12月25日配信『茨城新聞』ー「論社説」)

性感染症の一つである梅毒の患者数が急増している。

県内では医療機関から保健所へ報告のあった患者数は2014年までは年間20人程度で推移していたが、15年から増え始め、18年には121人と急増し、今年も前年並みのペースで増えている。

梅毒患者の急増は全国的な傾向であり、10年以降増加に転じ、17年に44年ぶりに5000人を超えて、18年には7000人を突破し19年も前年並みのペースで増えている。

県内の患者を見ると、性別では男性が6割、女性が4割を占めている。年代別では、男性は20代から40代が多い。女性は20代が増えていることが特徴で、若い世代を中心に感染リスクが高まっていることがうかがえる。

患者数の急増を受けて、厚生労働省は今年から増加要因を詳細に分析し、感染リスクが高い人たちへの注意喚起や情報提供をするために届け出の際、性風俗産業への従事歴や利用歴の有無の項目を追加した。

それによると、県内の男性患者の場合、届け出の直近6カ月以内に性風俗を利用していたのは4割弱に上り、女性の場合も届け出の直近6カ月以内に4割強が性風俗に従事したことがあった。

梅毒は梅毒トレポネーマという細菌が原因で起こる感染症だ。空気感染ではなく、性的な接触により口や性器などの粘膜や皮膚から感染する。

感染すると3〜6週間程度の潜伏期を経て、さまざまな症状が現れ、場合によっては死に至ることがある。症状が軽くなったり、消えたりする時期があるため発症したことに気付きにくく、治療が遅れる危険性がある。

妊婦が感染すると、流産や死産、早産などの原因になるほか、生まれてくる子どもに先天性の障害を引き起こすことがある。

ペニシリンによる治療法が普及してからは早期に適切な治療を受ければ完治が可能となったが、放置しておくと眼や脳、心臓などに障害が出て、失明したり、認知症のような症状が出たりする。

これまでおおむね減少傾向にあった梅毒患者がなぜ再び急増しているのか。国立感染症研究所感染症疫学センターの山岸拓也主任研究官は「いまの流行は男性が20代から50代、女性は20代が多い。さらに感染経路は異性間性的接触が多い。それを鑑みると、一概には言えないが、これまでの同性間での流行から異性間での流行に変化して、いまの流行につながっている」と指摘。これまで患者数が多かった東京や大阪では増加ペースに鈍りが見られるが、他の都市では流行が続いていることから「流行はすぐに収まる状況にはない。どうなっていくか注視していく必要がある」と語る。

さらに、山岸主任研究官は感染防止策として、不特定多数の人との性的接触を避けることや性的接触の際のコンドーム使用の重要性を指摘。感染を広めないためには「早期診断、早期治療が大切」としている。

梅毒は、もはや昔の病気ではない。県内では各保健所で無料、匿名の検査と相談を実施している。県の担当者は「予防策をきちんと取り、万が一心配な人は早めに近くの医療機関や保健所で検査を受けてほしい」と呼び掛けている。

早期診断、早期治療で感染拡大を防ぎたい。




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