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普通ってナニ?」身体障害者、トランスジェンダー、ゲイ…それぞれが思う「普通」とは(2019年12月29日配信『フジテレビジョン』)

目次

夢は尿取りパッドのCMに出演すること
「トランスジェンダーだから」という理由で診療を拒む医師がいる
自分では当たり前にあって、人によって「これはおかしくない?」と気づくものが「普通」

女性をはじめとする多様な人々が、しなやかに活躍する場を創出するカンファレンス「MASHING UP」が先日、2日間に渡って都内で開催された。

カンファレンス1日目、「“普通”ってナニ?」というテーマで、AbemaTV NEWSチャンネルで放送されている「Wの悲喜劇」の公開収録が行われ、タレントのSHELLY、りゅうちぇる、ウートピ編集長の鈴木円香の3人が様々なバックグラウンドを持つゲストに話を聞いた。

車椅子インフルエンサーの中嶋涼子、名古屋の「HIME CLINIC」というクリニックで院長を務めるトランスジェンダーで医師の武藤ひめ、Twitterで自身がゲイ風俗とゲイバーで働いた経験を、エッセイ漫画として発信し、50万人以上にフォローされている作家のもちぎらが登壇した。

「普通」とは何か、「シアワセ」とは何かを、他者から「普通じゃない」と言われてきた人たちで議論した。

夢は尿取りパッドのCMに出演すること

キャプチャ
左から)SHELLY、りゅうちぇる、中嶋涼子、鈴木円香

「車椅子の常識をぶち壊すインフルエンサーになること」を目標として掲げている中嶋は、9歳の時から20年以上、車椅子生活を続けている。この日のトークの話題は車椅子生活者の「トイレ」。下半身麻痺の中嶋はへそから下の下半身の感覚がなく、「トイレに行きたい」という感覚がわからない。そのため、3時間ごとにトイレに行ったり、尿取りパッドが欠かせないという。

「みんな隠すじゃないですか、大人の方で尿もれするとか恥ずかしいと思う人もいるけど、障害がある人は尿もれをするのは当たり前です。尿取りパットのCMにいつか出たいです。かっこいいCMになったらみんな買い求めに来るんじゃないかなって」と、ストレートに話す。

中嶋が普段使っている尿取りパッドやカテーテルが入ったピンクのバッグを取り出すと、りゅうちぇるは「こういうところに楽しみを持っているのは素敵ですよね」と、かわいいキラキラしたバッグに目を細めた。

「お通じも薬を飲まないと出ない」という。下剤を飲んだ翌日は、いつもよおすかわからないため、1日中トイレにこもりきりになる。中嶋は、この日を「UD(うんこデー)」と名付けているが、会社の同僚などには、UDのことをなかなか話せずにいた。

しかし、他の車椅子の人と交流し、初めて自分の悩みを共有できたことが嬉しくて、テレビでも自身のことを発信するようになった。それから、周囲の反応が変わった。

「車椅子の人が、トイレの時どうしているのか」は、車椅子で生活していない人にとっては想像する機会もほとんどない。メディアで発信することで、周囲からの理解も増え、「感動しました」という声もあったという。

そんな、中嶋にとっての普通とは……。

「ある業界があった時に、大多数の人が“理想的”と思うことが“普通”だと思う。だからその理想と比べて『普通はこうだけど、涼子は普通じゃないよね』っていう感じで、よく比べられるんです。平均的な大人数が思う理想が普通なのかなって、私が自分の人生は『絶対普通じゃない』と思っていて、その普通じゃない人生が逆に楽しいので、誇りを持っています」と堂々と話した。

「トランスジェンダーだから」という理由で診療を拒む医師がいる

名古屋でクリニックを営むトランスジェンダーの武藤ひめに、SHELLYが「どんな患者さんがいらっしゃるんですか?」と尋ねると、「何でも診ます」と即答。「今、町医者は『困ったらなんでも診ます』でいいのかなって。性別関わらずなんでも診る」という。

「トランスジェンダーだから」という理由で、「足が痛い」というだけで診療を拒む医師もいると話す武藤。

「元々の性別を隠して、言わずに生きているのがトランスジェンダー。会社でも言ってないんです。そういう人が健康診断でひっかかったとします。戸籍は変わっていて、元女性が男性になっていて、どこか数値が悪い時に、元は女性の体なので、そこの合併症も考えないといけない。性別特有の病気も違う。そこを全部頭に入れておかないといけない。

だけど、トランスジェンダーの人は、『元女性です』『元男性です』って言いたくない。そうすると、(お医者さんは)困るんです。でも、お医者さんも(トランスジェンダーだと)わかった時にあまりにも感情を無視して間抜けな質問をするんです」と現実的な指摘を。

武藤は、新生児の集中治療室で働いていた。しかし、性別を男性から女性に変えた時、同じ職場に留まることができなかった。

「『普通にしろ』って言っても、(性別を変える前の)今まで通りだと、それは扱いが違うじゃないかと。それはそれでストレスを抱えるし、『理解して』って難しいんですよ。カミングアウトっていうじゃないですか。あれ私大嫌いなんですよ。よく『性別が違うと生きにくさがある』っていうじゃないですが、でも普通に生きている人だって、生きにくさはみんな抱えてますよ。生きにくさがない人生なんてない」と力説。

「普通とは何か」を問われた武藤は、簡潔にこう答えた。

「普通ってないんじゃないか。普通っていう定義ができない。すべては特別だと思う」と。

自分では当たり前にあって、人によって「これはおかしくない?」と気づくものが「普通」

小学生の時に父親を亡くしたもちぎ。母親には「中学を卒業したら働け」と言われ、姉にお金を出してもらって高校に進学した。高校生のうちから、バイトをしながらゲイを相手に売春をして稼いだ。

「将来は大学に行きたい。また、車の免許を取るなり、何か自分のことに使いたいけど、バイトだけだとお金が貯められない。そのプラスアルファを貯めるために、売春という選択が。漫画とかで学んで……」

しかし、母親に売春がバレたのをきっかけに、家出。それが18歳の時だった。その後、ゲイ風俗で働き、お客さんに経済的な援助を受けながら、大学に進学した。

2018年から約1年間、Twitterで自身の経験を発信してきたもちぎの元には、「自分もそうなんです」と、経済的な苦しさや、家庭環境の悪さを相談したいというダイレクトメールが届くという。一つ一つ事情は異なるとしながらも、もちぎは「ある意味、いい諦め方をした」と自身が困難を切り抜けられた理由を語った。

「まず一つ目は、時間的に諦めたんですよ。『今は無理だけど、いつかやろう』」と。大学だって、今は入れないけどいつか入ろう。時間的に1年、2年諦めた。環境的には、自分ではお母さんを支えられないと思って、家庭を離れたんです。そういう諦めは逃げじゃない。どうしようもならないことを諦めるだけなので、そういう生き方をしてもいいんじゃないかと思います」

「普通とは何か」もちぎは悩みながら、こう考えた。

「『普通』って匂いだなと思う。自分の匂いってわからないじゃないですか、仕事場の匂いも、焼肉屋さんで働いたら焼肉の匂い、ゲイバーで働いたら、お酒とタバコと男の匂いがするんですけど、そこにいる空間の人って匂いに気づかなくなっちゃうんですけど、他の人は『なんだこの匂い』『慣れない』ってなると思うんですよ。

この匂いってなんだろうと思った時に、『空気』だと思って、匂いって空気じゃないですか。だからみんな慣れ親しんだ匂いを嗅いだ時に、困惑した人に『空気を読め』って。自分ではわからなくて、当たり前にあって、人によって『これはおかしくない?』って気づくものは匂いであり、空気でもあり、普通なのかな」と話した。

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