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養育費見直し 不払いを許さぬ対策も必要だ(2019年12月30日配信『読売新聞』ー「社説」)

2019/12/30 05:00
 両親が離婚しても、子どもが経済的な不利益を被らないようにすることが大切である。

 離婚後に支払われる養育費の算定基準を、最高裁の司法研修所が見直し、公表した。新たな基準に基づく養育費は、家計の支出動向の変化を踏まえて、月額1万~2万円の増額となるケースが多いという。

 養育費の算定方法を定める法令はない。夫婦が話し合いで合意できない場合、家庭裁判所の調停などで活用されてきたのが算定基準だ。夫婦の年収や子どもの人数などを、基準の算定表に当てはめれば、養育費を導き出せる。

 2003年に公表されたが、基準作成に使う統計データが更新されず、現状の生活実態に合っていない、といった批判があった。見直し自体は妥当だろう。

 ただ、16年以上も同じ基準を使い続けてきたことには疑問が残る。今後は数年に1度程度の頻度で見直し、社会情勢の変化に柔軟に対応する必要がある。

 日本弁護士連合会は「養育費が低く算定される」として、受取額が増えるような独自の基準を16年に提言している。今後、裁判所が基準を見直す際には、厚生労働省や弁護士会、有識者から幅広く意見を聞くことも求められよう。

 懸念されるのは、養育費の不払いが目立つことだ。

 厚労省の16年の調査では、養育費を受け取っている母子家庭は24%にとどまった。養育費の不払いは子どもの貧困に直結する問題であり、見過ごせない。

 相手と関わりたくないといった理由から、養育費についてきちんと話し合わないまま離婚してしまう人もいる。民法は、離婚時に養育費を協議して取り決めるよう求めている。取り決めに対する理解を広げることが欠かせない。

 来春には改正民事執行法が施行され、裁判所が自治体や金融機関に対し、養育費を支払わない人の勤務先や預金口座の情報提供を命じることが可能になる。相手側の給与など、財産の差し押さえが容易になるだろう。

 兵庫県明石市は、養育費を受け取れない1人親に、年最大60万円の支払いを立て替える制度を設けた。大阪市は、養育費の支払額を取り決める公正証書の作成費用を補助している。注目される自治体の支援策と言える。

 欧米には、政府や州が養育費を立て替えたり、強制的に徴収したりする仕組みがある。日本でも、不払いを許さない対策を国として検討してはどうか。




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