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伊藤詩織氏の勝訴受け、豊島区議「少子化が加速」 ネットで批判高まる(2019年12月30日配信『THE PAGE)

 元TBS記者の山口敬之氏から性暴力を受けたとして、ジャーナリストの伊藤詩織氏が1100万円の損害賠償を求めていた裁判で、東京地裁は12月18日、伊藤氏の訴えを認めて、山口氏に330万円の支払いを命じました。山口氏は逆に伊藤氏に対して、著書などで被害を公表したことで名誉を傷付けられたとして1億3000万円という巨額の賠償を求めていましたが、この訴えは棄却されました。

 性暴力を受けたという伊藤氏の主張を全面的に支持したこの判決に対しては、これまで山口氏を擁護し、伊藤氏を批判していた人が一転して謝罪するなど、各方面に影響が及んでいますが、一部の人は、このような判決が出ることで、「日本の少子化が加速する」という意味不明の主張をしています。

 東京・豊島区議のくつざわ亮治氏は、自身のツイッターで「性交相手の男を、女性が社会的・経済的に攻撃できるという判例ができてしまいました。恋をして結婚したい男女にとって最悪な判決です。日本を滅ぼしたい界隈は、少子化が進んで万々歳なのかな」と発言。性交後の訴訟から男性を守るため「性交承諾書」を持つ必要があるとして、そのフォーマットも公開し、ネット上では批判の声が高まっています。

 なぜ性暴力を抑止すると少子化が進むのか意味不明ではありますが、実はこうした価値観は日本においてはそれほど珍しいことではありません。今回の判決に関しては、似たような内容の発言がツイッター上で散見されていますし、15年ほど前には、元農水大臣の太田誠一氏が、大学生による集団レイプ事件について、男性の草食化と絡めて「集団レイプする人は、まだ元気があるからいい。まだ正常に近いんじゃないか」と発言し、大きな批判を浴びたこともありました。

 こうした発言をしている人たちは、性的暴行をすることで子どもが増える、あるいは性行為を相手に強要することが男性的であり、元気がある証拠だという価値観を持っているようです。

 今回の件とは直接関係しませんが、近年、セクハラ対策が強化されていることについて「女性と気軽に話せない」「職場で何を言われるか分からないので怖い」といった発言をしている人も少なくありません。仕事上の関係しかない異性に対して性的な話をすること自体が非常識ですし、そもそも職場というのは仕事をしに行くところであって、性的な会話をするために行くところではありません。働き方改革が推奨されている近年においては、短い時間で高い成果を上げることが求められており、性的発言以前の問題として、そもそも職場でムダ話をしている時間などないはずです。

 性暴力が絶対にあってはならないことはもちろんのことですが、こうした基本的な価値観を是正しなければ、本当の意味で問題を解決するのは難しそうです。



「よくあることだし、やめときなよ」伊藤詩織さんに警官が発言か(2019年12月30日配信『弁護士ドットコム』)

ざっくり言うと
• 伊藤詩織さんは性暴力被害を受けた数日後、警察に相談したという
• その際、警官から「よくあることだし、やめときなよ」と言われたとのこと
• 防犯カメラの映像などの証拠が出てきても、警官は捜査に消極的だったそう


「よくあることだし、やめときなよ」伊藤詩織さんに警察が発言…知人からの性暴力、高い立件ハードル

ジャーナリストの伊藤詩織さんが、姓を伏せて名前と顔を公開し、東京・霞が関の司法記者クラブで会見を開き、性被害を明らかにした日から2年あまり。

 12月18日の東京地裁判決は、元TBS記者のジャーナリスト・山口敬之さんが合意のないまま性行為に及んだと認定した(山口さんが控訴)。

 判決後の会見で伊藤さんは「全てはもしもの話」としながら、今の日本の刑法の問題に触れた。「日本の刑法に不同意性交がレイプだという規定があれば、私が経験したことも刑事事件では結果が変わったかもしれない」。

●警察官「よくあることだし、やめときなよ」

 今回民事裁判で「合意のない性行為」が認められながらも、なぜ、伊藤さんの事件は刑事事件で不起訴処分となったのだろうか。

 伊藤さんは被害から数日後に警察に相談した際、担当した警察官から「よくあることだし、やめときなよ」と言われたという。

 警察官は、防犯カメラの映像など他に証拠が出てきても、捜査に消極的だった。伊藤さんが「なぜですか」と尋ねると「検察官からこうしたケースは起訴できないからやらないでほしいと言われている」と告げられたそうだ。

 性犯罪は密室で起きることが多く、被害後に体液などの証拠も残っていないことが多いが、代理人の西廣陽子弁護士は会見で、「証拠が少ないからといって門前払いして欲しくない。まずは被害者の話を聞き、ある証拠をもって、どんどん捜査してほしい」と述べている。

証拠を集めて捜査するのは、被害者ではなく捜査機関だ。西廣弁護士はいう。

「今回の事件も、証拠がすごくたくさんあるわけではない。その中で、審理がなされると、真実が浮き彫りになるという裁判だった。やるべきことを捜査していただければ(ほかの性犯罪事件でも立件に)繋がるのではないかと思う」

●性暴力事件、立件のハードル

 ここまでの流れを見ると、「起訴しなかった検察官が悪い」と思うかもしれない。ただ、西廣弁護士は「検事も意図的に起訴しなかったわけではないと思う。要件を満たさないという法律の壁がある」と話す。

 今の日本の法律では、13歳以上の男女に対して「暴行または脅迫」を用いて性行為をした場合、刑法の強制性交等罪(13歳未満の男女の場合、暴行・脅迫要件はない)、「心神喪失または抗拒不能」となった人に性行為をした場合、刑法の準強制性交等罪が成立する。

合意のない性行為にも関わらず、これらの要件の認定ハードルが高いために立件されない事件があるとして、被害者団体などは要件の見直しを求めている。

 刑事裁判では、被告人が有罪であることを検察官が「合理的な疑いを残さない程度」まで証明しなければならないという厳しいルールがある。検察は、証拠があって確実に有罪判決を取れるものでないと「公判を維持できない」と起訴したがらない。それは、日本の刑事事件における有罪率が非常に高いことにも現れている。

 伊藤さんは「不同意だったことは、裁判官の目から見ても認められた。どういった法改正をすれば性犯罪の立件ハードルが下がるのか、置き換えて考えることもできる」と今回の事件を振り返る。

「今の日本のレイプに関する刑法には同意という言葉がありません。レイプされたサバイバーがどれだけ暴行を受けたかを証明しなくてはならない。これはレイプに関する刑法の問題点です」

●海外の規定と日本での議論は?

 相手の同意がないまま、相手が拒絶しているのに性行為することそのものを犯罪として処罰する国は、イギリスの性犯罪法、アメリカのニューヨーク州法、カナダの刑法、スウェーデンの刑法など増えつつある。

 日本でも、2014年~15年にかけて開かれた「性犯罪の罰則に関する検討会」で、暴行・脅迫要件や心神喪失・抗拒不能要件の緩和・撤廃について議論されたことがある。

 委員からは「撤廃することが望ましい」、「不意打ち、偽計、威力、薬物の使用、被害者の知的障害などを不同意性交の要件にする」という意見も出たが、「外形的な証拠がない場合に被害者の主観を証明するのはかなり難しい」と緩和や撤廃はすべきでないという意見が多数をしめた。

 このほかにも、検討会では、地位や関係性を利用した性暴力について、新たな規定を作ることも議論された。海外では、親だけでなく幅広く地位が上の関係にある人による性的行為を処罰する国もある。

 こうして、2017年の刑法改正では「監護者性交等罪」が新しく設けられ、親など18歳未満の児童を現に監護する人が性交などをおこなった場合に罰せられることになった。しかし、職場の上司と部下、教員と生徒などを対象とする法律はない。

●さらなる刑法の見直しはあるか

 性犯罪をめぐる刑法の規定は2017年、110年ぶりに大幅に改正された。その際の附則で、施行後3年をめどに、必要がある場合には実態に即して見直しをすることが盛り込まれた。

 ただ、これは、必ず見直しされることを意味するものではない。「3年後見直し」が2020年に迫る中、被害者の当事者団体は、被害者や支援者の声を反映し、性犯罪に関する刑法改正に向けた審議をすみやかに行うことを求めている。

 知り合い間の性暴力はれっきとした性犯罪であり、「よくあること」や「個人間の揉め事」として片付けられる話ではない。日本の刑法からこぼれ落ちている性被害者をどう救うのか。国は2020年以降、検討会を開き、議論を始めるべきだ。



伊藤詩織さん、ホテル側「重要証言」知らされず・・・捜査機関の「ブラックボックス」問題(2019年12月30日配信『弁護士ドットコム』)

キャプチャ
判決後の会見で話す伊藤さん(2019年12月18日、東京都、弁護士ドットコム撮影)

 ジャーナリストの伊藤詩織さんが、元TBS記者のジャーナリスト・山口敬之さんから性暴力被害にあったという訴えに対し、12月18日の東京地裁判決は、山口さんが合意のないまま性行為に及んだと認定した。

 山口さん側が控訴したが、伊藤さんは控訴審で新たに、ホテルの部屋に入る二人の姿を最後に見たドアマンの証言を提出する予定だという。

 一体どうしてこんな重要な証拠が、今になって出てきたのだろうか。これには、捜査機関の「ブラックボックス」問題が関係している。

●不起訴事件の証拠開示「ブラックボックス」

 伊藤さんは検察審査会で「不起訴相当」と議決され、2017年9月28日に民事訴訟を提起した。民事訴訟では、請求する側が請求の根拠となる主張と証拠を集めなければならない。

 被害者は事件が不起訴となった場合、記録の開示請求ができる。伊藤さんも検察審査会に申し立てする前に開示請求を行い、著書『Black Box』では「不起訴にしては多くの証拠を出してもらえた」と記している。

 代理人の西廣陽子弁護士によると、防犯カメラの解析結果、DNA対比結果、当日の衣類などの写真報告書、ホテル客室の宿泊記録や開錠記録などが開示され、民事訴訟で証拠として提出したという。

 一方で、防犯カメラ映像や供述調書などは「あるはず」の記録だが、開示されなかった。防犯カメラ映像は、裁判所を介して提出された。

 これらに加えて、請求で開示されず、伊藤さん側が存在することも知らなかった記録もある。それが冒頭で触れたドアマンの証言だ。

 民事訴訟は2019年10月7日、全ての審理が終了し結審した。その報道を受け、新たに、事件の起こったホテルのドアマンから、伊藤さんの支援団体を通じて連絡があった。そのドアマンは、警察から調書も取られていたという。伊藤さんはいう。

「(調書を取り)ドアマンは捜査員から『これでいける』と言われていたが、それから何も連絡がなかった。裁判になったら、裁判所から呼ばれるんじゃないかと思っていたそうです。自分の調書が隠されてしまったのではないかと思い、支援団体のほうに連絡をくださったんですね。その方が、私たちを見た最後の人だったんです」

 代理人の村田智子弁護士も18日の会見で「不起訴になったときに刑事記録の謄写をしたが、その中には(ドアマンの調書が)含まれてなかったので、私たちのほうは(検察審査会でドアマンの調書が使われたかどうか)分からないんです」と話す。
そもそも捜査権限のない一般人が証拠を集めようとしても限界がある。著書『Black Box』によれば、伊藤さんは検察審査会への申し立てにあたり、ホテルに対して陳述書を作成したいとお願いしたが、受け入れられなかった。

不起訴事件で被害者が証拠を開示しても、全てが開示されるわけではなかった。このあたりのさじ加減は「ブラックボックス」だ。

●検察審査会の文書は黒塗り

 伊藤さんが感じた「ブラックボックス」はこれだけではない。検察審査会では、そもそもどのような証拠をもとに審査がなされたのか。議決以外の情報がなかった。

 伊藤さんが問い合わせたところ、出て来た文書は黒塗りだったという。伊藤さんは「なんのためにやったんだろうと思った」と吐露する。

「どんな証拠や証言が採用されたのか、何を見て判断するのか全くわからない。私も証人として呼ばれなかった。不起訴相当の議決以外の情報がない。不透明な部分があるからこそ、なかなか解決できないのではないか」

 検察審査会法では、すでに議決があったときは、同じ事件について更に審査の申立をすることはできない規定があるため、一度「不起訴相当」と議決された伊藤さんは、この民事裁判の結果をもってしても、再び審査の申し立てをすることはできない。

 今後は検察官が再び事件に着手しない限り、刑事事件化されることはない。

 一度しかチャンスのない検察審査会でどのような審理がなされたのかわからず、民事訴訟を起こそうと不起訴事件記録の開示請求をしても、一部しか出てこない。刑事事件化を諦めた被害者にとって、あまりに酷な対応ばかりだ。被害者が納得できるよう、判断の根拠を説明すべきではないか。伊藤詩織さんの事件は、日本の捜査機関の「ブラックボックス」問題を浮き彫りにした。





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