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大みそか(2019年12月31日配信『北海道新聞』ー「卓上四季」)

「除夜の湯に肌触れあへり生くるべし」。元ハンセン病患者で「魂の俳人」と呼ばれた村越化石さんが1950年に詠んだ代表作だ。特効薬が出始め、希望にあふれて新しい年を迎えようとしている

村越化石自選句集「籠枕」➡ここをクリック(タップ)

▼しかし、その後も隔離政策は半世紀近く続き、家族も激しい差別にさらされた。元患者家族への補償法が成立したが、差別と偏見がなくなったわけではない。元患者も家族も、言い尽くせない怒りと悲しみを味わってきたろう

▼1年を振り返る年の瀬に、ふと「あの人は…」と思いが向いてしまうのは、やはり気がかりな境遇にある人たちだ。災害の時代とも言えた平成に続き、令和になっても列島は繰り返し集中豪雨や台風に見舞われている

▼台風19号で浸水した福島県の住宅で、体の不自由な高齢の夫を助けようと妻は必死に手をつかんだ。だが、夫は力尽き、「長いこと、世話になったな」と言い残して沈んでいった

長いこと、世話になったな➡ここをクリック(タップ)

▼詩人、中桐雅夫さんの「きのうはあすに」の一節が思い浮かぶ。「新年は、死んだ人をしのぶためにある、/心の優しいものが先に死ぬのはなぜか、/おのれだけが生き残っているのはなぜかと問うためだ」

中桐雅夫「きのうはあすに」➡ここをクリック(タップ)

▼年を重ね、身近な人を見送る機会も増えるにつれ、この詩が胸に応えるようになった。自分に一体何ができたろうか。忘れてしまいたいことは多いが、決して忘れてはならないこともある。大みそかに静かに考えたい。




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