FC2ブログ

記事一覧

今は不幸な時代(2019年12月31日配信『信濃毎日新聞』ー「斜面」)


各メディアが発表する年末恒例の国内10大ニュースは「令和の幕開け」が多数を占めた。裏を返せば「平成の閉幕」でもある。どちらに重きを置くかは世代によっても違ってこよう。今年は何かと来し方を振り返る機会の多い年だった

   ◆

平成の30年は思いのほか厳しかった。バブル絶頂期に始まり、熱狂が冷めるとデフレ時代が長く続いた。気が付けば、この国の力は相対的に大きく下がっていた。個人は非正規雇用になったり収入が減ったり。みな中流と思った社会は様変わりしていた

   ◆

希望を持てた時代が懐かしい。そんな気持ちにさせる二つの復活である。今夜の紅白歌合戦に新曲で登場するのは30年前に亡くなった美空ひばりさんだ。人工知能が歌や読み聞かせの録音をもとによみがえらせた。秋元康さんの詞は「あれからどうしていましたか」と問い掛ける

   ◆

特集番組を見ると「いろいろありました」と答えたくなるほどの完成度だ。もう一つは先週公開の映画「男はつらいよ」である。4Kデジタルによる修復技術が、過去の作品と新たに撮った映像を違和感なく合体させ、50作目の寅さんをよみがえらせた

   ◆

今は不幸な時代。勝ち組、負け組という言葉が出た頃からこの国はだめになった。若者の気持ちが分かる寅さんがいればなあ―。山田洋次監督を製作に向かわせた思いという。懐かしい映像で心の隙間を埋めるのもいい。そして来年こそ社会の凸凹をならす年に。大みそかにつくづく思う。




スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ