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「きょうだい児」悩み共有 障害や病気抱える 兄弟姉妹がいる人 SNSや茶話会でつながり 結婚、いじめ…語り、支え合い(2020年1月6日配信『北海道新聞』)

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北海道きょうだいの会の茶話会では、白石未佳子代表と参加者が悩みや不安を分かち合う

 「きょうだい児」。障害や病気のあるきょうだいがいる人のことをいい、インターネット上でその言葉は少しずつ広がっている。自身の結婚やきょうだいの将来への不安、過去のつらい思い出などを抱えている人が少なくない。道内では会員制交流サイト(SNS)などをきっかけに、同じ悩みを分かち合う「きょうだい会」の集いに参加する人も。集いは支え合いの重要な場になっている。

 「自分と弟の人生を、別々のものとして考えるのが難しい。そう感じていることを分かち合えてよかった」。昨年12月末に札幌市内で開かれた「北海道きょうだいの会」(白石未佳子代表)の茶話会。5歳下で知的障害の弟がいる江別市の50代女性の話に参加者たちがうなずく。女性は15年ほど前からインターネットできょうだい児について調べたが、「きょうだいに関する情報は本当に少なかった。こういう場を知る機会がほぼなかった」と振り返った。

 2018年に発足した同会は茶話会を2カ月に1回、開いている。参加者のきょうだいは発達障害やダウン症などさまざま。年代は10~70代で多いのは20代。毎回、10人前後が参加している。障害のあるきょうだいがいることを交際相手に伝えたら結婚できないのではないかという相談をはじめ、「婚活」にかかわる話題が茶話会のテーマになることもあるという。

 白石代表はツイッターなど3種類のSNSとホームページを活用して、きょうだい児について発信しており、「若い女性からツイッターで問い合わせが来ることが多い」と話す。ネットをきっかけに茶話会に参加した道央の20代女性は「話をしたり聞いたりでき、自分を見つめ直す場になった。10代のころに知ることができていたら」と打ち明ける。同会には道北や道南など地方からの問い合わせもあり、昨年12月に帯広に「とかち支部」を設立、白石代表は「地方は集まる機会が少なく、活動が広がれば」という。



 2001年に札幌で活動を始めた「さっぽろきょうだい会」。統合失調症など精神障害のあるきょうだいがいる約40人が会員で、発足以来、月1回の交流を続けている。50~60代が中心だが、この1、2年は若年層の参加も増えている。同会は「ネットで知った、という人が多い。この病気は特に周囲に打ち明けにくい。気軽に集まれる場として緩やかに活動を続けられたら」としている。

 「障害のあるきょうだいがいることで、子ども時代にいじめられたり不登校になったりする人は多い。誰にも言えないまま、孤立を深めていくことがある」。そう話すのは、きょうだい児の相談なども受ける道教大釧路校の戸田竜也准教授(特別支援教育)。親がきょうだい優先になることで「良い子」への重圧を感じ、きょうだいの面倒を見なければと刷り込み状態になる人や、反対に反抗的になり家族関係が複雑になる人もいる。

 成人してからの悩みも深く、結婚して家族を持つことに後ろ向きになる人も。また、親なら自身の死後「親なきあと」が課題だが、きょうだいの場合、それに加え、親の介護や自分の老後も視野に入る。戸田准教授は「福祉サービスは障害のある当事者だけのものではなく、家族を支える福祉という観点が必要」と指摘する。

 「きょうだい児」という言葉は、当事者自らが使うなどして近年、徐々に注目されている。ただ、いじめや差別により、友人など周囲に家族の存在を打ち明けにくいのが現状だ。戸田准教授は「親は保護者会など共通の場は多いが、きょうだい同士がつながる場は少ない。ネットの活用で横のつながりを生む機会となっている」とし、当事者同士が支え合うピア・サポートの場になることを期待する。(末角仁)

■道内の主な「きょうだい会」
■北海道きょうだいの会
・2カ月に1回程度の茶話会
・次回は帯広市内で2月2日午後2~4時、札幌市内で同日午後7~9時半

■さっぽろきょうだい会
・月1回の例会




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