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ゴーン被告「彼らは私を排除すれば、自立できると考えた」 レバノン記者会見詳報(2020年1月9日配信『毎日新聞』)

キャプチャ
記者会見に臨むカルロス・ゴーン被告=ベイルートで2020年1月8日、AP

 保釈中にレバノンに逃亡した日産自動車の前会長で、フランス自動車大手ルノーの最高経営責任者(CEO)も務めたカルロス・ゴーン被告(65)=会社法違反(特別背任)などで起訴=が8日午後(日本時間同日夜~9日未明)、首都ベイルートで記者会見し、休憩を挟み約2時間半にわたり持論を展開した。冒頭発言の主な内容は次の通り。

脱出方法は「話さない」

 今日は私が毎日、400日以上待ち望んでいたとても重要な日だ。2018年11月19日以来、一瞬も自由を感じていない。家族と再会できたことに心から感謝したい。今日はちょうど1年前を思い出す日にもなる。日本の裁判官や検察だけでなく多くの人の前に姿を見せ、私は手錠と腰縄で拘束されて法廷で無罪を訴えた。

 私は無期限で独房に拘束された。何度か保釈を申請したが却下された。クリスマスも新年の休暇も一人で過ごした。6週間も家族に会えなかった。家族との接触は弁護士からガラス越しに見せられた手紙だけだった。1日8時間以上も弁護士なしで尋問を受けた。何の容疑に問われているのかもまったく分からず、証拠に接することもできなかった。人権と尊厳を損なわれた。

 検察は自白するようにと繰り返した。これは録音されている。「自白すれば終わる、しなければお前だけでなく家族も追及されるぞ」と言われた。私は希望を失っていた。拘束されて130日間、毎日無実を証明しようと戦った。初めて保釈が認められ、今日話そうと思うことを話せる機会を得たのに、24時間以内に独房に戻された。これは国際的な、国連の基準にもとるものだ。だから今日は重要な機会なのだ。

 興味があると思うが、どのように日本を脱出したのかは話さない。今日はなぜ逃亡したのかを説明したい。この悪夢が始まってから初めて、自分を弁護することができる。自由に話すことができる。質問に答えることができる。私は事実、データ、根拠に基づいて話すので、願わくば真実を見つけてもらいたい。

 基本的な人権にもとるシステムについて話したい。私にかけられた嫌疑は真実ではない。そもそも私は逮捕されるべきではなかった。支援者への深い感謝を伝えたい。筆舌に尽くしがたい厳しい体験だった。一部の悪意を持った人たちが組織的なキャンペーンを行い、私の人格や名声をおとしめた。私の家族にも感謝したい。何カ月も私と会えず、あるいは話すことすらできなかった。そして私の家族も、日本の検察や日産自動車幹部らが仕組んだ恥を知らない根拠のないメディア攻撃にさらされた。私に支援の手紙を送ってくれた匿名の多くの人々、そして私を信じ続けてくれたレバノン政府、そして市民にも感謝したい。世界中の、そして特に日本の人権団体にも感謝をささげる。彼らは日本の時代錯誤的で、非人道的な「人質司法」を改革するために戦い続けている。

 グレッグ・ケリー(日産元代表取締役)にも言及したい。彼は怪しい司法取引に参加しなかったために罰せられた。ハリ・ナダ(専務執行役員)や大沼(敏明元秘書室長)ら多くの人が司法取引に参加した。検察官と日産により、ゆがめられた誤った情報が組織的に広められ、無罪を証明する情報は意図的に隠された。世界の目にさらされ、強制的に有罪だと自白を迫られた。

 私は正義から逃れたのではない。不当な政治的迫害から逃れたのだ。自分と家族を守るため、もうほかに選択肢がなかった。私の人生で最も難しい判断だった。しかし有罪率99.4%の司法制度に置かれたことを忘れないようにしたい。

「計画された陰謀」と主張
 まず、なぜ一連の出来事が起こったのかについて。これは計画された陰謀だ。主に二つの理由がある。

 17年初めに日産のパフォーマンスが悪化し始めた事実だ。16年10月、私は日産の執行業務から引き揚げることを決めた。(日産が筆頭株主となった)三菱自動車が支援を必要としていたからだ。将来の会長として三菱で益子(修・三菱自動車会長)を支援することになった。そして西川(広人前社長)には共同CEOになろうと提案した。西川氏は16年10月にCEOに任命され、私は三菱に移った。CEOはパフォーマンスが問われる。私が17年も日産のトップでいられたのは、私がカルロス・ゴーンだったからだ。会社に成長、利益、配当をもたらしていたからだ。だが残念ながら17年に業績は悪化し始めた。18年にはさらに業績が悪化した。西川氏にはCEOとして責任があり、自分で解決策を探さなくてはならなかった。

 2番目に3社連合(アライアンス)の歴史について話さなければならない。フランスには同国企業の株式を2年以上持つ株主に2倍の議決権を与える「フロランジュ法」があった。3分の2以上の株主が投票すればそのルールを変えることができたが、フランスが出資率を上げてそれを阻止した。これは日産経営陣だけでなく日本政府にも悔しさを残した。日産が保有するルノー株は15%で議決権がない。同じくルノー株の15%を持つ仏政府には議決権があるのは不公平だ。われわれは説明しようとしたが失敗した。ここから問題が始まった。日本の同僚は、アライアンスだけでなく私に対しても不満を募らせた。

 私は18年に引退しようと考えていた。しかし私はアライアンスが次の一歩を踏み出すのを率いるのにふさわしい人間だとされ、(社長兼CEOを)引き受けた。今の状況があるのは、おそらく当時の申し出を受け入れたからだ。

 私はそれぞれの会社の自立性を尊重した。組織の中で自分たちが「二流市民」だと思う企業は強くならない。私はアライアンスを「一流市民」と「二流市民」に分けたくなかった。アライアンスを構成する3社が後戻りできないようにしたものの、それぞれの会社の自立を保とうとした。しかし、それはうまくいかなかった。

 日本(日産)の同僚の一部は、ルノーの影響を払拭(ふっしょく)するためには私を排除するしかないと考えたのだ。今、確かにそのような事態が起きている。ルノーは日産にほとんど影響力をもっていない。彼らは私を排除すれば日産は自立できると考えたのだ。




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