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あす「成人の日」 時代を切り開く気概持って(2020年1月12日配信『茨城新聞』ー「論説」)

 新成人の皆さん、おめでとう。2年後には成人年齢が18歳に引き下げられるなど、大人と子どもの境があいまいになりつつある中でことさら何を祝うのかという声もあるかもしれない。

 だが、国内は人口減少社会に入り、世界に目をやると自国第一主義や異なる価値観への不寛容さが目立ち始め、内向的な傾向が強まる困難な時代に、あらためて生き方を考える日としてもいい。

 県内では2万9695人が成人の仲間入りをする。12日に成人式を行うのは39自治体で、5自治体は11日に既に実施している。

 新成人の数は減少傾向にある。県が統計を取り始めた1984(昭和59)年度は3万8177人で、ピークは93(平成5)年度の4万9974人だった。ピーク時から見ると約2万人減少している。

 新成人の皆さんが生まれた99(平成11)年度は県内で何があったろうか。この年は新県庁舎が完成して4月から業務を開始した。7月には北関東自動車道の実質的な東端となる東水戸道路の水戸大洗インターチェンジ(IC)-ひたちなかIC間と常陸那珂有料道路が開通し、常陸那珂港を起点とする本格的な高速道路網が第一歩を踏み出した。

 一方で悲劇も起きた。9月に東海村にある核燃料加工会社JCOでわが国初の臨界被ばく事故が発生し、原子力活用への懸念が広まった。それでも10月には県人口が300万人を突破し、一時的にせよ人口が増えて本県の未来への期待が膨らんだ年でもあった。

 それから20年後の今、人口は減り続け、急速に少子高齢化が進んでいる。気候変動や温暖化の影響で大規模な水害被害も毎年のように繰り返され、IT(情報技術)やAI(人工知能)が発達し、仕事だけでなく生活のありようも変えようとしている。

 こうした時代に、皆さんはどう生きていけばいいのか。なかなか難しい問いではあるが考えてみたい。一つは時代が変わっても大切なことは自立して生きていける力を身に付けてほしいということ。経済的にも精神的にも独り立ちして、自らの暮らしを自力で営んでいく力を養ってほしい。

 一方で、チームで大きな仕事を進められる力も大切だ。社会が求めるものはどんどん変わるが、他者とコミュニケーションを取りながら変化に対応できる力を養うことの重要性はいつの世も変わらない。一つのスキルを磨き、知識を蓄えることも重要だが、異なる意見や価値観にも思いを巡らせ、コミュニケーションを図りながら自ら創造的に仕事を進めていく力が重要となってくる。

 今年は戦後75年の節目の年となる。振り返れば、これまで日本を支えてきたさまざまな仕組みが老朽化し、ほころび始めている。年金や医療をはじめとする社会保障制度など、持続可能な社会にするためには新たな仕組みを必要としている。化石燃料に頼るエネルギー政策も改める必要がある。人口だけでなく政治や経済、文化の東京一極集中も是正して、地方を再生していかねばならない。人生100年時代にあって、皆さんは21世紀の世界を22世紀へと引き継いでいく世代だ。22世紀の地球で人類は生きていけるのだろうか。

 新しい船を動かせるのは新たな水夫であろう。新たな時代を切り開く気概を持って大切な人生を歩んでほしい。





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Author:gogotamu2019
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