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日米安保条約60年 地域の秩序維持にも役割(2020年1月19日配信『北国新聞』-「社説」)

 日米安全保障条約が1960年に全面改定されてから60年が経過した。日米両政府は安保条約に基づく同盟関係を維持、強化していくことで一致しているが、トランプ大統領は「不公平な条約」と率直に不満を表明している。日米安保条約の重要性を再認識し、望ましい同盟の在り方をさらに考える機会としたい。

 戦後の日本政府は、日米安保条約を外交・安全保障の基軸に据えてきた。東西冷戦終結後も条約の意義は失われず、米軍と自衛隊の協力体制は、核を含む軍事力拡大に突き進む中国や、核・ミサイルで挑発する北朝鮮などに対して抑止力を発揮してきた。

 政府は日米同盟について「わが国だけでなく、インド太平洋地域の平和と安定の礎の役割を果たしてきた」と評価している。日米同盟が国民の安全確保や領土保全だけでなく、地域の「自由で開かれた秩序」形成に大きな役割を果たしてきたことは疑いない。

 中国は米国が主導する開かれた秩序の下で経済発展を遂げたとも言えるが、近年の経済・軍事両面の中国台頭で、米国の力が相対的に低下し、これまでの地域秩序が失われる恐れが現実味を帯びてきた。中国が軍事力で支配しようとしている南シナ海の現状は象徴的である。地域の開かれた秩序維持の点で、日米同盟の意義がより高まっていると言える。

 トランプ大統領は米軍が駐留する日本や韓国などに大幅な経費負担の増加を求め、米国が一方的に日本防衛義務を負う安保条約に不平を言い募った。現行条約では、日本有事の時に米軍が日本防衛義務を負う一方、日本は米軍への基地提供義務を負っている。決して片務条約ではなく、非対称の双務条約と見なされている。

 トランプ氏の条約批判は、これから本格化する米軍駐留経費負担交渉を有利に進めるための戦術ともみられるが、トランプ氏の言う通り、対等な主権国家同士の平等条約と言い切れないのも確かである。日本の主体的役割をもっと広げる必要はないか、防衛体制の在り方を憲法レベルから考え直すことも重要であろう。




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