FC2ブログ

記事一覧

ゴーン被告、逃亡を最終決断した理由 成功確率は「75%」と考えていた(2020年1月20日配信『共同通信』」)

キャプチャ7
逃亡先のベイルートで記者会見するカルロス・ゴーン被告=1月8日(AP=共同)

 前日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告(65)=金融商品取引法違反と会社法違反の罪で起訴=が逃亡を最終的に決断したのは、裁判官から「会社法違反の特別背任事件は、審理開始が2021年か22年」と聞いたときだった。逃亡の成功確率は「75%」と考えていた-。弁護士の郷原信郎氏(64)が共同通信の取材に対し、昨年末まで著書出版のため前会長にインタビューしていたことや、逃亡後の前会長とやりとりした内容を明らかにした。前会長は「(逃亡の)リスクを取ろうと考えたのは、裁判の先行きが見えない上、公正な裁判を受けられるとは思えなかったからだ」と語ったという。(共同通信編集委員=竹田昌弘)

■特別背任の審理、21年か22年と聞き絶望

 郷原氏によると、一連の事件についてマスコミで報じられる検察側の主張だけではなく、前会長側の言い分も踏まえて論評したいと考え、知人を介して申し込み、昨年11月からインタビューを続けてきた。話を聞けたのは、合計で10時間を超えたが、前会長が年末にレバノンへ逃亡したため、インタビュー内容の取り扱いについて、テレビ電話で問い合わせた。前会長は公表に同意するとともに、逃亡を決意した理由などに関する追加質問にも答えた。

キャプチャ6
公判前整理手続きのため、東京地裁に入る元日産自動車代表取締役のグレゴリー・ケリー被告=2019年6月24日

 前会長の話では、東京地裁は前会長と日産の元代表取締役、グレゴリー・ケリー被告(63)、法人としての日産の公判を今年4月からスタートさせ、金融商品取引法違反の有価証券報告書(有報)虚偽記載事件を審理し、前会長だけ起訴されている特別背任事件については、当初今年9月から審理に入る計画を立てていた。

 ところが、検察側の意向で、特別背任事件の審理開始は21年か22年になったと裁判官から告げられ、前会長は「迅速な裁判を受けられず、絶望した」と語った。さらに妻のキャロル・ナハス容疑者(53)=偽証の疑いで逮捕状=は特別背任事件を巡り、罪証隠滅を図った疑いがあるとして、原則接触禁止が前会長の保釈条件となっていたが、裁判官からは、少なくとも特別背任事件の審理が始まるまでは接触禁止が続くと言われ、前会長は逃亡するしかないと決めた。

キャプチャ3
カルロス・ゴーン被告にインタビューした内容を説明する弁護士の郷原信郎氏=1月16日、東京都港区の郷原総合コンプライアンス法律事務所

 郷原氏が「国外逃亡が成功する確率はどう考えていたのか」と尋ねると、前会長は「100%成功させる計画を立てたが、計画時には予想できなかったことが起きる可能性もあるので、成功確率は75%くらい」と答えた。日本で公正な裁判を受けられるかどうかについては「弁護人でさえも、公正な裁判が日本で受けられるのかと聞いたときに、はっきり受けられるとは言わない、努力するとしか言わなかった」と話したという。

■元検事の当初弁護人「自白すれば早く出られる」

キャプチャ5
前日産自動車会長のカルロス・ゴーン被告と妻キャロル・ナハス容疑者=2019年3月9日、東京都内

 逃亡前のインタビューでは、前会長の報酬は年20億円前後と決めながら、有報には、実際に支払った10億円前後だけで、退職後に受け取る予定の残金を記載しなかったとする起訴内容を否認。「日本で最も高額な給与を得ていたということで、それに対する批判がかなりあった。その後、孫さんが20億円というのが出たが、2010年当時は最高額だった。減らすのに合意したのは、私の報酬の妥当性について、メディアから何度も聞かれ、いちいち時間を費やしたくなかったということ。ただ秘書室長は、私の市場価値から見た報酬額を算出し、事業年度によっては、西川(広人)前社長(66)やケリー元代表取締役が残金の支払いを約束する書類を作成したが、確実にもらえるものではなかった。オバマ米前大統領からゼネラル・モーターズ(GM)へ誘われたことがあり、西川氏らは私を引き留めるために書類を作っていたのではないか」と説明した。

キャプチャ4
日産自動車のカルロス・ゴーン会長(当時)の逮捕を受け、記者会見する西川広人社長(当時)=2018年11月19日夜、横浜市の本社

 前会長は当初弁護人を務めていた元検事の弁護士から「早く(拘置所から)出たければ(罪状を)認めるしかない。今は自白して、裁判では早く出たかったから自白したと言って、ひっくり返せばいい」などとアドバイスを受けたが、そんなことは誰も信じないし「やってないことは自白しない」と言った。当初の弁護人はルノーの紹介といい、そのアドバイスは「驚きだらけだった」と述べた。

 また日産について「西川氏が最高経営責任者(CEO)になると、業績が急降下した。ナンバー2としては優秀だったが、トップとしては良くなかった。ケリー元代表取締役が『降ろすべきだ』と言ってきた。西川氏を退任させた場合、社内に適当な後任がおらず、社外から日本人の経営者を探してくるしかなかった。ルノーとの統合は、日産のモチベーションを低下させるので、反対してきた。持ち株会社を作り、日産とルノー、三菱自動車を事業会社とすることを考えていたが、西川氏らは財団にしたいという意思が強く、持ち株会社はまだ実現していない」と振り返った。




スポンサーサイト



プロフィール

gogotamu2019

Author:gogotamu2019
障害福祉・政治・平和問題の最新ニュース・論説紹介

最新記事

カテゴリ