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日米安保60年 主権者として「平和」考え議論を(2020年1月20日配信『愛媛新聞』-「社説」)

 現行の日米安全保障条約が、署名から60年を迎えた。米軍に攻撃の「矛」を託し、自衛隊が守りの「盾」を担う―。戦後外交と安全保障の根幹として位置付けられ、日本の復興と繁栄を支えてきた。

 条約は両国のいずれか一方が破棄の意思を示さない限り、自動延長される。そのせいもあって日米安保の在り方については近年、国会での議論に乏しい。国民も毎日の暮らしの中で考える時間を持つことは、そう多くはないだろう。

 ただこのところ、中国の軍事大国化や北朝鮮の非核化協議停滞など、日本周辺で安全保障上さまざまな懸念材料が浮上している。その半面、トランプ大統領就任以降の米国は内向き志向を強め、日米安保に対しても不平等だと非難を続けている。こうした状況の中で、戦後日本の国是である「平和主義」を中長期的にどう維持し、構築していくのか。主権者であるわれわれがしっかり考え、議論する機会としたい。

 60年を機に日米両政府は共同声明を発表した。「日米同盟はかつてないほど強固で幅広いものになった」と、さらに同盟強化を目指していく考えを明らかにした。過去に「日米同盟」という言葉の解釈を巡り、外相が辞任したケースがあったことを思うと、その受け入れられ方には隔世の感がある。

 この間日本は、朝鮮半島有事を想定した周辺事態法、日本が攻撃を受けた際の国民保護や米軍との協力の在り方を定めた有事関連法、集団的自衛権行使を認めた安保関連法…を制定。米国主導の「対テロ戦争」では海上自衛隊がインド洋で給油活動に従事し、イラクには空自、陸自を派遣した。米国の世界戦略との一体化はかつてないほど進行し、憲法9条の理念との矛盾が浮き彫りとなっている。しかし、9条こそ戦後日本の出発点であり、アジア諸国との信頼関係の土台であることを忘れてはなるまい。

 一方で、トランプ氏は日米安保に批判の矛先を向ける。「日本が攻撃されたら米国は日本のために戦わなくてはならない。米国が攻撃されても日本は戦わない」と、来日時に安倍晋三首相に不満をぶつけたという。しかしこの見方は一面的だ。日本は米軍に基地を提供し、「思いやり予算」と呼ばれる在日米軍駐留経費を年間約2千億円負担している。両国の義務は均衡であることを米側に正しく理解してもらう必要がある。

 在日米軍専用施設の70%が集中する沖縄の負担についても直視したい。米兵の法的地位や基地の運用を定めた日米地位協定も抜本的見直しは実現しないままだ。不満を残した状態では日米の信頼関係も、安保が生み出す効果も損なわれよう。日本政府は本気で米国に沖縄の負担軽減を求めるべきだ。これまで培ってきた絆を対等な立場で磨き上げていく努力が、日米関係をさらに発展させる鍵となろう。




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Author:gogotamu2019
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