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軽視できない(2020年1月20日配信『愛媛新聞』-「地軸」)

 砥部町にある国の天然記念物「砥部衝上(しょうじょう)断層」は、九州から関東まで延びる長大な中央構造線の露頭の一つ。色の異なる岩石の重なりなどから「地質の境界」を実感することができる▲

 17日に広島高裁が下した四国電力伊方原発3号機の運転を差し止める仮処分決定は、この中央構造線に着目した。地震の影響が長年の焦点となっている沖合約8キロの活断層・中央構造線断層帯とは別に、約600メートルの沿岸を中央構造線が通っており、その周辺に活断層があるのではないかという地質の専門家の仮説を取り上げた▲

 四電は、海上音波探査で活断層はないことを確認していると主張したが、高裁は政府機関も詳細な調査を求めた点を挙げ「調査は不十分」と断じた。「活断層の存否がはっきりしないのだから、危険がないとは言い切れない」という論理である▲

 振り返ると、伊方原発の地震想定は見直しの連続だった。1996年には中央構造線断層帯に関して岡村真高知大名誉教授が「2千年間隔で大地震を起こした」という研究結果を示し、四電は「過去1万年は活動していない」という認識を改め、地震の揺れの想定を引き上げた▲

 砥部衝上断層は既に活動していないことで知られ、延長上にある伊方原発沿岸の中央構造線も注目されていなかった。だが、今回の司法判断を踏まえると軽視はできない▲

 問われているのは、分からないことが多い自然現象への謙虚な姿勢だろう。



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