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安保改定60年 同盟の在り方が問われる(2020年1月27日配信『新潟日報』-「社説」)

 日本を取り巻く安全保障環境が大きく変容する中で、条約に基づく日米同盟はどうあるべきか。その在り方が問われる。

 現行の日米安全保障条約が、1960年1月に改定署名されてから60年が過ぎた。

 米軍による日本駐留や内乱鎮圧を認めた旧条約を全面改定した現行の安保条約は、米国の対日防衛義務や日本による米国への基地提供義務を定めている。

 安倍晋三首相は署名60年の日本政府主催の記念式典で、「今や日米安保条約は、いつの時代にも増して不滅の柱。世界の平和を守り、繁栄を保証する不動の柱だ」と表明した。

 同時に、宇宙やサイバーの新たな領域で日米同盟を強化する意向も強調した。

 日米安保条約とそれに基づく日米同盟は日本外交の基軸である。同盟の下で、日本は軽武装政策を取り、戦後の驚異的な経済成長を成し遂げたといえる。

 冷戦終了後、北朝鮮の核の脅威や中国の軍事力増強など北東アジアに緊張が解けない中でも、大きな役割を担ってきた。

 一方で、米国第一主義を唱え国際社会の分断を増幅するような政策を打ち出しているトランプ米政権の存在は同盟を巡る不安要因となっている。

 懸念するのは、日本の対米傾斜が加速すれば米国の戦争に巻き込まれるリスクが高まらないか、ということだ。

 日米安保体制は冷戦終結や湾岸戦争などを機に、たびたび変質してきた。

 91年のソ連崩壊後には、安保体制の目的を「アジア太平洋地域の安定的な繁栄」へ再定義し、安保条約の「日本と極東」の範囲を踏み越えた。

 こうした米国の世界戦略に引っ張られる形で進んだ自衛隊と米軍の一体運用が、安倍政権になって加速している。

 安倍政権は歴代政権が憲法上許されないとしてきた集団的自衛権の行使を容認し、安全保障関連法を成立させた。

 対日赤字の是正を求めるトランプ氏に対しては、最新鋭戦闘機F35といった米国製武器を大量購入している。

 それでもトランプ氏は「米国第一」優先、同盟関係軽視の姿勢を改めない。日米安保条約は「不公平」と批判し、日本側にさらなる負担を迫っている。

 「豊かな国が十分な負担をしないで、米軍の抑止力の恩恵を受けるのは米国を食い物にする行為だ」とし、在日米軍の駐留経費負担(思いやり予算)の5倍増を求めているという。

 だが日本は米軍駐留経費のうち7割以上を負担している。沖縄をはじめ、米軍機の騒音や事故リスクなど基地周辺の市民生活に与える負の影響は大きい。

 さらに、米兵の法的地位や基地の運用を定めた日米地位協定の抜本的な見直しは実現していない。これでは対等な同盟とは言えまい。

 条約改定60年の節目を機に、同盟関係のゆがみを正す。それは、「戦後外交の総決算」を掲げる安倍首相にふさわしい仕事のはずだ。




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