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119番、通報時に文字でやり取り 聴覚障害者向けシステム 熊本県内導入は1消防本部、連携や運営費課題(2020年1月27日配信『熊本日日新聞』)

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宇城広域連合消防本部が運用する緊急通報システム「Net119」の操作画面。チャット形式で職員とやりとりし、負傷部分などの写真も送ることができる=宇土市

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「緊急時に文字でやりとりできるネット119は心強い」と話す県手話サークルわかぎ宇城グループの中村るみ副会長

 火災などの緊急時に聴覚障害のある人がスマートフォンなどを利用して、音声を使わずに119番通報できる仕組みがある。「Net(ネット)119緊急通報システム」と呼ばれ、国は2020年度中の導入を各自治体に促している。現在、熊本県内で導入済みの地域は1消防本部にとどまり、対応が急がれる。

 県内で唯一、ネット119を導入する宇城広域連合消防本部(宇土市、宇城市、美里町)では、約30人が利用登録。県手話サークルわかぎ宇城グループで副会長を務める中村るみさん(70)=宇土市=は「耳が聞こえない人にとって、文字でやりとりできるネット119は、何かあった時にとても心強い仕組み」。県全域での導入を待ち望む。

 全国726消防本部のうち、導入済みは168本部(19年6月1日時点)。県内では熊本市、山鹿市、上益城消防組合、八代広域行政事務組合、有明広域行政事務組合、菊池広域連合、天草広域連合の各消防本部が20年度末までの導入を表明。一方で上球磨消防組合、人吉下球磨消防組合、阿蘇広域行政事務組合、水俣芦北広域行政事務組合では、導入のめどが立っていない。

 ネット119は、スマホなどから緊急通報すると、通報者の現在地と事前に登録した個人情報などを消防本部に通知する仕組み。通報者と消防本部がリアルタイムで文字でやりとりできるため、速報性を確保しつつ意思疎通しやすいという利点がある。

 これまで、音声による119番通報ができないような場合には、ファクスやメールで連絡を取っていた。15年に総務省消防庁が「障害者の社会参画の拡大に伴い、需要が高まった」として通報の多様化の検討をスタート。18年、音声を使わない通報システムを導入するよう全国の自治体に通知した。20年度末までに578本部が導入予定だ。

 課題となるのが、システムを開発した運営事業者間の連携。納入した事業者の組み合わせ次第では、異なる消防本部が管轄する地域に出掛けた登録者が外出先で通報すると、登録した居住地の消防本部に連絡が行ってしまう。「県全域で使用できないのであれば、市町村が費用を負担するのは難しい」とする消防本部もある。

 一方、利用者となる耳が不自由な人への周知も欠かせない。09年からファクスによる通報システムを運用中の上球磨消防組合では、10年間で利用が1度もなかったという。「2年前のシステム更新時にネット119の導入も考えたが、費用対効果の点から断念した」と話す。

 事業者間の連携については、消防庁が20年度中の改善を通知。県内の消防本部からは「県内どこでも使えるようにした上で、運用は県が予算をつけてほしい」との声も漏れる。先行して導入した宇城広域連合消防本部は「耳が聞こえない方の安全を第一に考え、以前から緊急時の通報のあり方について考えてきた。ニーズはあるはずだ」と話している。





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