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辺野古、米軍基準満たさず 滑走路の設計変更案(2020年1月31日配信『東京新聞』)

 沖縄県名護市辺野古(へのこ)の米軍新基地建設で、防衛省の設計変更案が、米軍の滑走路の性能基準を満たしていないことが分かった。1兆円近い税金を投じて建設しても、性能の劣る基地になりかねない。防衛省は、より条件の甘い民間空港の国際基準を採用しており、建設推進のためハードルを下げた格好だ。

 新基地では、辺野古沿岸部を埋め立て、V字形に2本の滑走路を建設する。着工後、埋め立て予定海域に軟弱地盤が広がっていることが判明。地盤を固める改良工事を迫られ、防衛省は現在、当初の設計を見直している。

 防衛省は、地盤改良しても基地の供用開始後も沈下が続くと想定している。問題は、海底の地形が複雑なため、ふぞろいに地盤が沈下する「不同沈下」が予測されていることだ。

 防衛省が2019年12月に公表した設計変更案によると、滑走路の不同沈下は、供用開始後20年で最大12センチと試算している。

 航空機が離着陸する滑走路は、平坦(へいたん)であることが必須の条件だ。

 防衛省が準拠したのは、国際民間航空機関(ICAO)の基準。設計変更案では、供用開始から20年間に北側滑走路は2回、南側滑走路は4補修すれば、不同沈下があっても「長さ45メートルにつき縦断面の高低差が3センチ未満」というICAOの平坦さの基準を満たせるとしている。

 ところが、米軍には飛行場の設計基準があり、日本国内の米軍施設も適用される。米軍の基準では、離着陸に重要な滑走路の端から300メートル未満までの路面の平坦さについて、「勾配に変化がないこと」と定め、一切の路面の起伏を認めていない。

 防衛省は、供用開始1年目で、滑走路の端から300メートル未満の路面でも不同沈下が起きると試算している。米軍基準並みの平坦さを保つには、より小まめな補修が必要となり、その分、維持費がかさむことになる。

 29日の沖縄基地問題の野党会合で、伊波洋一参院議員は「米軍基準をクリアしないからICAOの基準を使ったのでは」と防衛省の対応を追及した。

 防衛省整備計画局は、本紙の取材に「米軍と調整の上、ICAOの指針に準拠し設計することとした」と回答。在日米海兵隊は「特にコメントすることはない」とした。

 防衛省の変更案では、工期が倍の16年、費用は当初計画から3倍近い9300億円と見込む。将来の維持費は明らかにしていない。河野太郎防衛相は19年12月、有識者の了承が得られたとして変更案に沿って工事を進めることを表明した。

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