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予算委員会論戦 首相答弁「丁寧、真摯」はどこへ(2020年1月31日配信『愛媛新聞』-「社説」)

 衆参両院で予算委員会が開かれた。「桜を見る会」を巡る数々の疑惑に対する安倍晋三首相の説明に注目が集まっていたものの、都合の悪い質問ははぐらかしたり、木で鼻をくくったような答弁で逃れたり。いつもの光景が繰り返された。

 自身の疑惑に対する国民の疑念をいったいどう考えているのか。「丁寧、真摯(しんし)に答えなければならないと考えている」などと繰り返していたのではなかったのか。説明に国民が納得していると思うかどうかとの質問に対しても「国民の認識について私が判断すべきものではない」と言い切った。説明責任を放棄したに等しい。

 桜を見る会で首相に寄せられているのは、公的行事である会を私物化したとの疑いだ。自民党の地方議員を招待し総裁選を有利に運ぼうとした可能性や、地元後援者が多数参加していたことが指摘されている。日本大教授の岩井奉信氏は「公正な選挙を担保し、政治資金の流れを明確化するという法律の趣旨に反しているのは明らかだ」と断じている。

 だが首相の説明は納得いくものではなかった。地元後援者の招待に関しては「招待基準が曖昧だったために歴代内閣でも地元の方々の出席はあった。他の(首相の)時に一人も呼んでいなくて、私の時に増えたということではない」と招待基準や慣例の問題だとした。これは明らかに論旨のすり替えだ。それまで1万人程度だった参加者が、なぜ安倍政権下で1万8千人超にまで膨張したのかという肝心の点を答えていない。

 首相推薦枠など招待者に関する疑惑を解明するためには名簿の存在が欠かせないが、政府は「廃棄した」と説明している。過去の名簿がない状態では、各省庁などが招待者を推薦する際「前年の出席者が連続して推薦されないように配慮する」といった原則は徹底できまい。廃棄が事実かどうか野党が追及するのはそうした点にある。

 予算委で菅義偉官房長官は、野党が求める廃棄記録の有無を明らかにすることをあらためて拒否した。一方で、菅氏は首相主催の会合で参加者が確認できないのは桜を見る会だけであるとも答弁している。どう考えても不自然だろう。ほかにも首相や政府の説明からは、いくつかの矛盾が露呈している。

 首相や与党議員は、政策論争が不十分などとし、不祥事追及に注力する野党へのいら立ちも募らせる。もちろん政策論争は重要だ。しかしそれを阻んでいるのは政権自体ではないのか。

 桜を見る会を巡っては、政策論争の基盤となる情報公開や行政文書について、不適切な取り扱いや隠蔽(いんぺい)が疑われる事例があるのを忘れてはならない。原因の徹底究明や対策、さらには首相自らが国民の疑問に誠実に答え、政権や行政への信頼を回復すること。それが、国会が政策論争の場となるための前提条件だと認識しなければならない。




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