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介護保険制度見直し(2020年1月31日配信『宮崎日日新聞』-「社説」)

◆負担増先送りでいいのか◆

 2021年度に予定される、3年に1度の介護保険制度見直し案が固まった。膨張する介護費の抑制に向け焦点だった、サービス利用時の2割自己負担の対象者拡大は先送りされた。全体として小粒な内容となった。

 75歳以上の後期高齢者の医療について、医療機関の窓口で支払っている原則1割の自己負担を、一定所得以上の人は2割に引き上げる方向が決まっている。そのため高齢者に二重負担増を強いるのを避けた形だ。

 ただ今回先送りすれば、次の見直しまで3年待たなければならない。その間に介護保険財政が悪化すれば、結局は将来世代がさらなる負担増を求められる。必要な改革は、早めにやる方が、世代間の公平が保ちやすいことを再確認したい。

 介護保険制度は高齢者を社会全体で支えるため00年度に導入された。介護の必要度を軽い方から「要支援1、2」「要介護1~5」と7段階に分類。費用は国、地方の公費と保険料、利用者の自己負担で賄う。40歳以上が加入し、原則65歳以上が介護サービスを利用できる。

 ただ高齢化が進み制度導入から約20年で要介護認定者は3倍に増え、総費用も3倍の10兆円超に膨らんだ。22年からは団塊の世代が75歳以上になり始め、介護ニーズがさらに急増する。

 このため厚生労働省は、所得水準に関係なく1割が続いていた自己負担割合を、15年から年収280万円以上(単身で年金収入だけの場合)の人は2割とし、うち現役並みの高所得者は18年から3割に引き上げた。それでも1割負担が利用者の90%超を占め、22年を前に見直しが必要との声が高まっていた。

 しかし「本丸」と目された2割負担拡大のほか、サービス利用時のケアプラン有料化などは見送りに。政府の全世代型社会保障検討会議の中間報告が「一定所得以上の後期高齢者の医療費自己負担2割」を打ち出したため、反発の拡大を恐れ改革メニューから削ったとみられる。

 同検討会議は、医療、年金、介護、労働と幅広い分野の改革に取り組むとの触れ込みとは裏腹に、中間報告では子育て支援策、介護保険制度見直しの具体案をほとんど盛り込まなかった。最終報告に向け、さらに踏み込んだ議論を求めたい。

 親の介護に直面する人たちの多くは働き盛りの世代だ。介護離職したり、女性の就労を阻んだりすることがないよう仕事と介護の両立を図るのが介護保険制度だ。日本は50年には、1人の65歳以上を1・2人の20~64歳で支える「肩車型社会」を迎える。子や孫の世代を守るため、低所得者は保護しつつ、高齢者にも経済力に応じた負担を求める改革を進めるべきだ。






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Author:gogotamu2019
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