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事務所での事前相談否定「ありえない」 ゴーン前会長逃亡で弘中弁護士(2020年1月31日配信『産経新聞』)

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29日、報道陣の取材に応じた弘中惇一郎弁護士=東京都千代田区

 前日産自動車会長カルロス・ゴーン容疑者(65)=入管難民法違反容疑で逮捕状=の弁護人を務めていた弘中惇一郎弁護士は31日、報道陣の取材に対し、ゴーン容疑者と逃亡を手助けしたとされる米国人の男が、弘中氏の事務所で事前に相談した疑いが持たれている点について「全くあり得ない」と反論した。

 東京地検特捜部は30日、犯人隠避などの疑いで米陸軍特殊部隊グリーンベレーの元隊員マイケル・テイラー容疑者(59)や息子ピーター・テイラー容疑者(26)ら3人の逮捕状を取った。

 地検はピーター容疑者が昨年7~11月、東京都千代田区の弘中氏の事務所でゴーン容疑者と複数回面会していたと明らかにし、「逃亡の相談以外に考えられない」との見解を示していた。弘中氏は、地検が押収した面会記録にピーター容疑者の名前があったことは認めた上で、「(面会者が)どんな人なのか確認のしようがない」などと話した。



ゴーン被告の逃亡、相談「あるわけない」 弘中弁護士(2020年1月31日配信『朝日新聞』)

 日産自動車の前会長カルロス・ゴーン被告(65)が逃亡した事件で、前会長の弁護人だった弘中惇一郎弁護士は31日、前会長が弘中氏の事務所で協力者と逃亡の相談をした疑いがあると検察側が主張していることについて、「あるわけがない」と否定した。

 東京地検は30日、逃亡を手助けしたとされるピーター・テイラー容疑者(26)が昨年7月以降、弘中氏の事務所で前会長と4回会っていたと説明。逃亡について「事務所で協議していた疑いが強い」と主張した。

 地検は「事務所ではどんな人間と面会したか一切確認していなかった」とも批判したが、弘中氏は、面会者の名前などを裁判所に毎月提出していたことから「私たちに調査能力はなく、情報収集能力がある検察が調べればいいことだ」と反論。検察側の主張について「責任を転嫁している」とした。

 東京弁護士会の篠塚力会長は31日、地検が29日に行った弘中氏の事務所への捜索について、「押収拒絶権を定めた刑事訴訟法の趣旨に反し、明白に違法だ」とする抗議声明を出した。声明では「弁護士業務の妨害にとどまらず、刑事司法の公正を著しく害する」と批判した。

刑事被告人の元弁護人の法律事務所に対する捜索・差押に抗議する会長声明
2020年01月31日

東京弁護士会 会長 篠塚 力

 東京地方検察庁の検察官らは、本年1月29日、被告人カルロス・ゴーン氏の元弁護人らの法律事務所に対し、元弁護人らが押収拒絶権を行使して捜索を拒否する意思を明示しているにもかかわらず、法律事務所に立ち入って捜索を強行した。その際、検察官らは施錠中のドアの鍵を解錠して法律事務所に侵入したうえ、事務所内の会議室の鍵を破壊する等の実力を行使したほか、事件記録等が置かれている弁護士らの執務室内をビデオ撮影し、元弁護人らが繰り返し退去を求めたにもかかわらず、長時間にわたり事務所から立ち退かなかった。
 およそ弁護士は、業務上委託を受けたため保管し又は所持する物で他人の秘密に関するものについては、権利の濫用と認められる場合等を除き、押収を拒絶することができる(刑事訴訟法第105条)。そして、弁護士によって押収拒絶権が行使された場合には、対象物を押収するための捜索も当然に許されない。
 今回の検察官らの行為は、同条の趣旨に反するものであり、明白に違法である。
 また、被疑者及び被告人の防御権及び弁護人依頼権は憲法が保障するものであり、弁護人は被疑者及び被告人の権利及び利益を擁護するため最善の弁護活動を尽くすべき義務を負うところ、対立当事者である検察官が弁護人の権利を侵害する違法行為に及ぶことは、弁護士業務の妨害であるにとどまらず、刑事司法の公正を著しく害するものである。
 本件の検察官らの行為は、弁護士の押収拒絶権を蔑ろにし、弁護士に秘密を明かして相談し自らの法的権利を守ろうとする一般市民の利益を害することに加え、わが国の刑事司法の公正さを著しく害するものである。
 当会は、かかる検察官らの違法行為に対して強く抗議すると共に、昨今、日本の刑事司法の実情について、諸外国より強い批判が向けられている現状の下、かかる違法行為がなされたことにより、国民のみならず国際社会からの日本の刑事司法に対する信頼が失われることを深く憂慮するものである。




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