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「逮捕の意味も分からなかった」 無罪確定的な元看護助手、県警の不当捜査語る(2020年2月4日配信『京都新聞』)

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再審初公判後の会見で、この日のために施したヒマワリのネイルアートを見せる西山さん(3日午後6時10分、大津市梅林1丁目)

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被告人質問で確定判決の誤りを証明するため、両手の指を使って60を数える西山さん(大津市京町3丁目・大津地裁)

 「私は殺していません」。16年におよぶ殺人の汚名をそそぐため、大津地裁で3日、西山美香さん(40)は再審に臨んだ。言葉を振り絞って弁護人の質問に答え、虚偽の自白に至った経過や、刑事からの差し入れなど、県警の不当な捜査を証言していった。はっきりと「冤罪(えんざい)」を証明するように。

 「(担当の)男性刑事ともっと長くいられるから、うれしい」。被告人質問で、西山さんは16年前の逮捕時の気持ちを述べた。「逮捕の意味も分からなかった」

 幼い頃から、成績優秀な2人の兄と比べられ、劣等感があった。逮捕前から身の上話を聞いてくれ、「君も賢いよ」と言った刑事を好きになった。留置場から取調室へ出してくれる「白馬の王子様」だと思った。

 その気持ちに便乗するような捜査を、西山さんは被告人質問で明らかにしていった。

 取り調べで、男性刑事と二人きりになることがあった。「男女は取調室で2人になってはいけないはず」と弁護士から問われると、「取調室のドアが開けられ、外に女性刑事が座っていました」。女性刑事の目を盗み、男性刑事の指に触れた。「拒まれませんでした」

 刑事は、逮捕直後から、禁止のはずの被疑者への差し入れもした、という。ケーキにハンバーガー、ドーナツ。好物のオレンジジュースは「毎日だった」と西山さんは話した。「刑事と練習した通りにチューブを外す再現をした」「『裁判で否認しても本当の気持ちではない』という検察宛ての手紙を書かされた」とも語った。

 証言からは、調書が西山さんの知らないところで作られた疑いも出てきた。確定判決は、呼吸器外れを知らせるアラームの消音機能が切れる60秒を頭の中で数え、発覚を防いだとした。この日の法廷で、軽度の知的障害がある西山さんは、両手の指で30を数え、頭では数えられないことを示した。「なぜこんな調書ができたのか分からない」と訴えた。

 30を数えた両手の指には、この日のために施したネイルアート。弁護団から教えられた「自由と正義」の象徴のヒマワリが描かれていた。



「殺していません」元看護助手、無罪確定的な再審始まる 滋賀・湖東病院患者死亡(2020年2月3日配信『京都新聞』)

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、男性患者の人工呼吸器を外して死亡させたとして殺人罪で懲役12年が確定し、服役した元看護助手西山美香さん(40)の裁判をやり直す再審公判が3日、大津地裁(大西直樹裁判長)で始まった。被告側が請求する刑事事件の再審公判は京滋で初めて。西山さんは改めて行われた罪状認否に対し、「男性を殺していません」と無罪を主張した。

 冒頭陳述で、検察側は「確定審や再審での証拠に基づき、裁判所に適切な判断を求める」とし、新たな有罪立証はしない方針を示し、改めて西山さんの無罪は確定的になった。

 弁護側は、患者の呼吸器を外したとする検察側の主張を否定し、「死因は自然死で、西山さんは無罪」と強調。「警察は事件のないところに事件をつくり、西山さんを殺人犯に仕立て、空中の楼閣を作り上げた」と批判し、「自白はめまぐるしく変遷し、うそであることは明白」とした。

 西山さんは04年7月、入院中の男性患者=当時(72)=の人工呼吸器を外して殺害したと自白したとして、滋賀県警に殺人容疑で逮捕された。西山さんは公判で無罪を主張したが、懲役12年の判決が確定し、17年8月まで服役した。一方、第2次再審請求審で大阪高裁が、自然死の可能性や捜査機関による自白の誘導の疑いを指摘し、同12月に再審開始を決定し、最高裁で確定した。
 検察側は昨年10月に有罪立証を事実上、断念する意向を示していた。公判は2日間で結審し、3月31日に判決が言い渡される予定。

 日弁連が支援し、再審公判が開かれた刑事事件は全国で今回以外に17件で、全て無罪が確定している。

「冤罪、滋賀県警の責任を追及したい」 湖東病院患者死亡で再審開始前に西山さん(2020年2月3日配信『京都新聞』)

 「うその自白」をもとに、24歳で逮捕されてから15年余り。西山美香さん(40)=滋賀県彦根市=は3日、再審の初公判を迎える。
汚名が晴れる瞬間に向け、法廷で証言する練習を重ね、「捜査は正しかったのか。滋賀県警の責任を追及したい」と思いを強めている。無罪が確定的な一方、再審公判は「冤罪(えんざい)」がなぜ作られたかの解明には課題を残す。

 西山さんは、介護が必要な祖母の力になりたいと思い、2002年12月から東近江市の湖東記念病院に勤めた。介護福祉士の資格取得を目指して勉強もしていた。

 勤めて半年後、入院中の男性患者が死亡した。西山さんは、業務上過失致死容疑の捜査で滋賀県警の任意の取り調べを受けた。刑事に何度も厳しく詰問され、「人工呼吸器のチューブを外した」とうそを言ってしまった。一転優しくなった刑事に好意を抱いた。そして、言われるままに「自白」していった。

 殺人容疑の逮捕状を見せられ、「家には帰れない」と言われた。まさか逮捕されるとは思っていなかった。深夜の留置場で「早く家に帰して」と叫んだ。

 裁判では、「私は殺していません」と否認し続けた。手錠をかけられた姿を両親に見られることがつらかった。一審で懲役12年の判決を受けた瞬間は、頭が真っ白になり、どうやって法廷から退出したのか記憶がない。血の気の引いた顔でうつむく、傍聴席の父だけを覚えている。そして、刑務所で服役することになった。

 出所後も、苦労が続いた。約30社でアルバイトの面接を受けたが、半年以上決まらなかった。面接官に「再審しようとしている人が、サービス業は無理でしょ」と言われた。ようやく地元の工場に採用されたが、定時のチャイム音を聞いたり、会社の電話が鳴ったりすると、「刑務所にいるのかな」と混乱した。PTSDと診断された。
 初公判を控え、井戸謙一弁護団長を相手に、被告人質問の練習を繰り返している。「間違ったことを言ったら大変だから緊張する」。法廷に立つのは重圧だが、県警に対し「捜査が正しかったか、はっきり説明すべき」と、責任を追及したい気持ちが強い。

 大好きだった2人の祖母は、最後まで西山さんを心配しながらこの世を去った。無罪判決を得た後に、改めて介護福祉士の資格取得を目指すことを考えている。



元看護助手の無罪が確定へ 湖東記念病院事件再審初公判 大津地裁(2020年2月3日配信『毎日新聞』)

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記者会見する西山美香さん(手前)と井戸謙一弁護団長=大津市で2020年2月3日午後5時27分

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ヒマワリが描かれた爪を見せ笑顔の西山美香さん=大津市で2020年2月3日午後6時29分

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、入院中の男性患者(当時72歳)の人工呼吸器を外して殺害したとして、殺人罪で懲役12年が確定し服役した元看護助手の西山美香さん(40)=同県彦根市=の再審(やり直しの裁判)の初公判が3日、大津地裁(大西直樹裁判長)であった。西山さんは「私は患者を殺していない」と起訴内容を否認し、無罪を主張した。検察側は新たな有罪立証をしないと表明し、西山さんの無罪が確実となった。

 検察側は04年7月27日付の起訴状を読み上げた。冒頭陳述で「被告が有罪との新たな立証はせず、確定審や再審公判の証拠に基づき、裁判所に適切な判断を求める」と述べた。新たな有罪立証をするとの当初の方針を撤回した理由は明らかにしなかった。求刑の放棄や無罪の論告をするかどうかにも言及しなかった。

 一方、弁護側は、再審請求時に提出し、再審開始決定の根拠となった「患者は致死性不整脈で病死した可能性がある」との医師の意見書や、再審開始決定後の請求に応じて検察側が開示した、呼吸器のチューブを故意に外していないとする西山さんの自供書など計120点の証拠を提出。「人工呼吸器のチューブを外した事実はなく、患者は自然死だった」と強調し、確定判決の決め手となった自白は「重要な点がめまぐるしく変遷し、全くの虚偽だ」と無罪を主張した。

 西山さんは被告人質問で「担当の刑事に関心を持ってもらいたくて『チューブを外した』と言った。逮捕の意味を分かっていなかった」と述べた。

 大阪高裁は17年12月の再審開始決定で、患者の死因について、弁護側が出した医師の意見書を基に「不整脈により自然死した合理的な疑いが生じた」と判断。自白についても、呼吸器を外した際にアラーム音が鳴り続けたかどうかなどの点で内容が変遷していることから「自らの体験を供述しているか疑わしい」と、虚偽の可能性を指摘していた。

 次回公判は10日で、検察側の論告と弁護側の最終弁論、西山さんの最終陳述があり、結審する予定。3月31日に無罪判決が言い渡される見通しだ。再審無罪が確定すれば、殺人事件では熊本県旧松橋(まつばせ)町(現宇城市)で男性が刺殺された「松橋事件」の熊本地裁判決(19年3月)以来で、最高裁が再審開始基準を示した1975年の「白鳥決定」以降では16件目になるとみられる。

滋賀・湖東記念病院人工呼吸器外し事件
 2003年5月22日、滋賀県東近江市の湖東記念病院で入院中の男性患者(当時72歳)が死亡しているのを看護師が発見。県警は04年7月、任意の聴取で「人工呼吸器のチューブを外した」と自白した看護助手の西山美香さんを殺人容疑で逮捕した。西山さんは公判で否認に転じたが、07年に最高裁で懲役12年が確定した。第2次再審請求の即時抗告審で大阪高裁は17年、新証拠の医師の鑑定書などに基づき、不整脈による自然死の可能性や虚偽の自白の疑いを指摘して再審開始を決定。19年3月に最高裁で確定した。西山さんは高裁決定4カ月前の17年8月に刑期を終え、和歌山刑務所を出所した。




西山さん「ほっとした」 「冤罪減らない」検察批判も―元看護助手再審(2020年2月3日配信『時事通信』)

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記者会見で笑顔を見せる西山美香さん=3日午後、大津市

 殺人罪で服役した元看護助手の西山美香さん(40)は、3日の再審初公判後に記者会見し、無罪が確実になったことを受け「ほっとした」と安堵(あんど)の表情を見せた。

 再審請求審から一転して有罪立証をしなかった検察側について、西山さんは「あきれて物が言えない」と批判。「きちんと態度を改めなければ、冤罪(えんざい)は減らない」と訴えた。

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 この日の公判は両親も傍聴していたといい、西山さんは「どういう思いでいるのか、帰ってから話してみたい」と顔をほころばせた。
無罪になった後について問われ、「両親をいろいろな所に連れて行ってあげたい」と笑顔で話した。

 会見に同席した井戸謙一弁護団長は「早期から結論を決め付けて事件処理するから、冤罪事件が多発する」と裁判所の姿勢に苦言を呈し、冤罪防止のための立法措置を国会などに求めた。



呼吸器外し、再審無罪へ 西山さん「殺していない」(2020年2月3日配信『日本経済新聞』)

大津地裁で初公判 検察側は有罪立証見送り

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再審初公判のため大津地裁に向かう西山美香さん(中央)ら(3日午後、大津市)

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、男性患者(当時72)の呼吸器を外して殺害したとして殺人罪が確定し、服役した元看護助手、西山美香さん(40)の再審初公判が3日、大津地裁(大西直樹裁判長)で開かれた。罪状認否で西山さんは「私は殺していません」と無罪を主張した。検察側が新たな有罪立証を見送ったため、無罪はほぼ確実となった。

 公判は10日に結審し、3月末に判決が言い渡される予定。

 検察側は冒頭陳述で「有罪である旨の新たな立証はしない。裁判所に適切な判断を求める」と述べた。求刑放棄や無罪論告をするかどうかには言及しなかった。

 一方、弁護側は「患者は自然死だ。事件を作り上げ、西山さんを殺人犯に仕立て上げた」などと主張。呼吸器を故意に外していないとする西山さんの自筆の自供書や「たん詰まりで死亡した可能性もある」とする医師の所見が記された捜査報告書など、再審開始決定後に検察側から開示された証拠を新証拠として請求し、採用された。

 西山さんは捜査段階で「呼吸器を外した」と自白し、04年に逮捕・起訴された。弁護側の被告人質問で西山さんは、虚偽の供述をした理由について「(好意を抱いた担当刑事に)関心を持ってもらいたかった。そうしたことを言えば、私の話を聞いてくれると思った」と説明。最後に「嘘の自白をしてしまい、長い懲役を受けた。嫌なこともあったが、ここまで来られた」と支援者らへの感謝の言葉を述べた。検察側は質問しなかった。

 西山さんは確定審の公判で否認に転じたが、大津地裁で懲役12年の判決を受け、07年に最高裁で確定した。第2次再審請求審で大阪高裁は17年、

 弁護側が提出した医師の鑑定書などから「患者は不整脈で自然死した可能性がある」と指摘し、再審開始を決定。最高裁も支持し、確定した。

 再審公判に向けた協議で検察側は当初、争う方針を示していた。だが、19年10月に一転して「裁判所の認定を覆すに足りる証拠の提出は困難」などとして、新証拠による有罪立証をしない方針を明らかにしていた。



「私は殺していません」無罪が確定的な再審で改めて主張(2020年2月3日配信『朝日新聞』)

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で2003年、入院患者の人工呼吸器を外して殺害したとして殺人罪で実刑判決が確定し、刑期を終えた元看護助手の西山美香さん(40)に対するやり直し裁判(再審)の初公判が3日午後、大津地裁(大西直樹裁判長)で始まった。西山さんは「私は殺していません」と起訴内容を否認し、無実を訴えた。

 この日は検察側と弁護側の冒頭陳述や被告人質問などがある予定。検察側は新たな有罪立証をしないとしており、10日の第2回公判で結審し、3月末とみられる判決で無罪が言い渡されることが確定的になっている。

 西山さんは03年5月に病室で患者の男性(当時72)の人工呼吸器の管を外して殺害したとして、04年7月に逮捕・起訴された。捜査段階で犯行を認めた自白調書が作成されたが、公判では無罪を主張。大津地裁は05年11月、自白調書の信用性を認め、懲役12年の判決を言い渡した。最高裁で確定し、服役した西山さんは17年8月に満期出所した。

 西山さんは服役中の10年9月から再審請求。2度目の請求で、大阪高裁が17年12月、男性が自然死した可能性があると認めて、西山さんの自白を「取調官に迎合して供述した可能性がある」などとして再審開始を決定。最高裁も支持した。

 弁護側は再審公判で、改めて死因について自然死の可能性があると主張。捜査官に「好意」を抱いた西山さんが自白を誘導されたとし、その任意性や信用性も否定する。西山さんは初公判前の取材に「自白した経緯を説明し、無罪判決を早くもらいたい」と語った。 検察側は昨年4月、再審公判に向けた大津地裁と弁護側との三者協議で、新たな有罪立証をする方針を示した。しかし同10月、新たな立証をせずに「早期終結を希望する」と書面で地裁と弁護側に伝達していた。



湖東記念病院事件の再審『質問無いと言われガクッと…』検察側は新証拠無く質問も無し(2020年2月3日配信『MBSニュース』)

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 2003年に滋賀県の湖東記念病院で男性患者(当時72)を殺害したとして、懲役12年の刑が確定して服役した元看護助手・西山美香さん(40)の再審(=やり直しの裁判)が始まりました。

 西山さんは取り調べの際に殺害を認めましたが、公判では否認していました。2月3日に大津地裁で行われた再審の初公判で、西山さんは「私は殺していません」と主張した上で、刑事に関心を持ってもらおうと、取り調べに嘘の自白をしたと説明しました。

 検察側は有罪を立証するための新たな証拠を提出せず、西山さんへの質問も行いませんでした。

 「(検察側が)何か質問してくるのかなと思って私はそれをドキドキしてたが、『特にありません』と言われ、あっけにとられガクッとなった。」(西山美香さん)

 3月末には西山さんに無罪が言い渡される見通しです。



呼吸器外し事件検察側は有罪立証せず 元看護助手、再審無罪へ(2020年2月3日配信『産経新聞』) 

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湖東記念病院事件・再審公判開始 再審初公判を終え会見に臨む西山美香さん(左)と井戸謙一弁護士=3日午後、大津市

 滋賀県東近江市の湖東記念病院で平成15年、人工呼吸器のチューブを外し男性患者=当時(72)=を殺害したとして殺人罪で懲役12年が確定し、服役した元看護助手、西山美香さん(40)の裁判をやり直す再審初公判が3日、大津地裁(大西直樹裁判長)で開かれた。西山さんは罪状認否で「私は殺していません」と起訴内容を否認し、無実を訴えた。検察側は有罪立証を事実上断念する考えを示し、西山さんの無罪がほぼ確実となった。

 10日の第2回公判で検察、弁護側双方が論告や弁論を行って結審し、判決公判は3月31日の予定。

 この日は、裁判がやり直されることから、検察側は改めて西山さんがチューブを外して患者を殺害したとする起訴状を朗読。だが続く冒頭陳述で「被告(西山さん)が有罪との新たな立証はせず、確定審や再審での証拠に基づき、裁判所に適切な判断を求める」と述べ、有罪立証を事実上断念する構えを見せた。

 ただ、次回の論告で求刑を放棄したり積極的に無罪を認める「無罪論告」をしたりするかどうかは、言及しなかった。

 これに対し弁護側は「死因は犯罪による死ではなく自然死。自白については重要な点がめまぐるしく変遷し、嘘であることは明らかだ」などと主張。「(西山さんが)呼吸器を外し殺した事実はない」と無罪判決を求めた。

 西山さんは16年、滋賀県警の聴取に「患者の呼吸器のチューブを外して殺害した」と自白し逮捕、起訴された。大津地裁で懲役12年の判決を受け、19年に最高裁で確定。だが、第2次再審請求審で大阪高裁は29年、患者が不整脈で自然死した可能性を指摘し、再審開始を決定していた。



元看護助手の再審始まる 「私は殺していません」無実訴える(2020年2月3日配信『NHKニュース』)

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17年前、滋賀県東近江市の病院で患者が死亡したことをめぐり、殺人の罪で服役した女性の再審=やり直しの裁判が大津地方裁判所で始まり、女性は「私は殺していません」と述べて改めて無実を訴えました。

滋賀県東近江市の湖東記念病院の看護助手だった西山美香さん(40)は、平成15年に72歳の男性患者が死亡したことをめぐり、人工呼吸器を外して殺害したとして懲役12年の刑で服役しましたが、患者は病死した可能性があるなどとして、裁判所に再審=裁判のやり直しが認められました。

3日午後1時半から大津地方裁判所で始まったやり直しの裁判で、西山さんは「患者を殺していません」と述べました。

検察は有罪を求めるための新たな立証はしないとしたうえで「裁判所に適切な判断を求めます」と述べました。

弁護側は医師の新たな鑑定をもとに患者が不整脈などで死亡した可能性を示したほか、西山さんに軽度の知的障害や発達障害があるとして、警察にうその自白を誘導され、殺人犯に仕立てあげられたと批判しました。

法廷で西山さんは「取り調べを担当した警察官を好きになってしまい、逮捕や勾留の意味もわからないまま、うその自白を重ねた」などと話しました。

裁判は今月10日の次回で審理を終え、来月末には無罪判決が言い渡される見通しです。
西山さん「捜査する側 態度改めないとえん罪は減らない」
裁判のあと西山美香さんと弁護団が大津市内で記者会見を開きました。

このなかで西山さんは「緊張していて途中で集中力が途切れるところもありましたが何とかこなせたと思いました。検事が質問をしなかったので、特別抗告をした意味は何だったんだろう、それだったら抗告せずに無罪にしたらいいのに、何を考えているのかわからないと思いました。捜査する側はきちんと態度を改めてもらわないとこれからもえん罪は減らないと思います」と述べました。
弁護団長「事実不明で無罪判決になるのは残念」
また西山美香さんの弁護団の井戸謙一弁護団長は「目の前に無罪判決が迫っていることは素直に喜びたい。しかし検察が戦う意志をなくし、戦わない判断をした重大な事実が明らかにならないまま無罪判決になるのは残念だ」と述べました。



殺人の罪で服役した元看護助手の再審始まる 無罪の見通し 滋賀(2020年2月3日配信『NHKニュース』)

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17年前、滋賀県東近江市の病院で患者が死亡したことをめぐり、殺人の罪で懲役12年の刑が確定し、服役した女性の再審=やり直しの裁判が3日から始まります。検察は有罪の立証を断念する方針で、弁護側は裁判の中で捜査の問題点を明らかにしたいとしています。

滋賀県東近江市の湖東記念病院の看護助手だった西山美香さん(40)は、平成15年に死亡した72歳の男性患者の人工呼吸器を外したとして殺人の罪で懲役12年の刑が確定し、服役しました。

西山さんが無実を訴え、裁判のやり直しを求めた結果、裁判所は患者は病死した可能性があるとして、捜査段階の自白を根拠に有罪とした確定判決が誤りだったと認め、再審が行われることが去年3月に決まりました。

やり直しの裁判は3日午後1時半から大津地方裁判所で始まります。

検察は新たな証拠による有罪の立証を断念する方針を示していて、西山さんは無罪となる見通しです。

一方、弁護側は西山さんへの質問を通じて捜査の問題点などを明らかにしたいとしていて、法廷でどのように語るのか注目されます。

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これまでの経緯
平成15年5月、滋賀県東近江市にある湖東記念病院で72歳の男性患者が死亡しているのが見つかりました。「患者の人工呼吸器のチューブが外れていた」という証言があったことから、警察は業務上過失致死の疑いで捜査を始めました。

その1年余りあと、病院の看護助手だった西山美香さんが殺人の疑いで警察に逮捕されました。「人工呼吸器のチューブを外した」と自白したことがきっかけでした。

裁判で西山さんは、「精神状態が不安定でうその自白をした」として、無罪を主張しました。

しかし、1審の大津地方裁判所は、「捜査段階の供述は詳細かつ具体的で信用性が極めて高い」として懲役12年の判決を言い渡し、平成19年5月、最高裁で確定しました。

西山さんは和歌山刑務所に服役していた平成22年9月、1度目の再審請求を行い、最高裁まで争いましたが、認められませんでした。

平成24年9月、西山さんは2度目の再審請求を行い、大阪高裁で争っていた平成29年8月、刑期を終え、刑務所を出ました。
出所から4か月後、大阪高裁は、再審を認める決定を出しました。

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医師による鑑定書などの新たな証拠から、患者の死因が人工呼吸器が外れて酸素の供給が途絶えたためとは断定できず、不整脈による病死だった可能性があるとして、事件性そのものが疑われるという判断を示し、去年3月には最高裁も再審を認めました。

去年10月には検察も有罪の立証を断念する方針を明らかにし、再審では西山さんに無罪が言い渡されることが確実となっています。

現在、西山さんは工場で働きながら、服役中の生活を支えてくれた高齢の両親と一緒に暮らしています。

事件発生から17年。たどりついた再審は3日から始まります。




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