<環境視点>優秀エコバッグ続々 7月からレジ袋有料義務化(2020年2月6日配信『東京新聞』)

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機能性やデザイン性にこだわったエコバッグが並ぶ売り場=東京都中央区の銀座ロフトで

 7月1日から全ての小売店でレジ袋の有料化が義務付けられる。プラスチックごみを減らす狙いで、義務化を前に機能性やデザインにこだわったさまざまなエコバッグが登場。環境意識の高まりの中、手に取る人が増えている。一方、袋の厚みや素材によっては例外もある。混乱しないよう、基本的な内容を押さえておこう。 

◆売り上げ8倍

 手のひらサイズに手早くたためたり、保冷機能を備えたり。銀座ロフト(東京都中央区)には、約300種類のエコバッグが並ぶ。色や柄も多彩で、ファッションアイテムとしても良さそうだ。担当の西山舞さん(34)は「レジ袋有料化の話が出てから、次々と新しい商品が出ている」と話す。

 特に人気なのが、日常的に持ち歩くことを想定した、小さくて軽いタイプ。「NANOBAG」という製品は広げた状態で縦60センチ、幅43センチになるが、生地が柔らかいため縦7センチ、幅5センチの小袋にしまうことができる。重さは20グラムほどで、30キログラムの重さに耐えられ、まとまった買い物でも大丈夫だ。

 有料義務化はスーパーだけでなく、コンビニも含め全ての小売店が対象で、コンビニ弁当をすっぽりと入れられる、底の広いタイプも売れ筋。レジかごにセットして商品を入れ、そのままリュックサックのように背負えるバッグも、子育て世代に人気という。二酸化炭素(CO2)の吸収力が高いジュートを使うなど、バッグの素材で環境配慮をアピールする製品もある。

 昨年4月の店舗リニューアルに合わせて商品数を増やし、昨年1年間の売り上げは前年の約8に。「プラスチック問題への意識が高まる中、何か行動を起こしたい人が一歩を踏み出すきっかけになっているのでは」とみる。

 レジを通した商品を入れ、そのまま持ち帰れる「マイバスケット」にも注目が集まる。スーパーなどの買い物かごとほぼ同じ大きさ、形状で、袋に詰め替える作業が不要。袋に比べ、商品を傾かせずに運べるといった利点もある。

 レジ袋削減の一環で20年前から製造している岐阜県笠松町の「スーパーメイト」には各地のスーパーなどから「扱いたい」との問い合わせが相次いでおり、マイバスケットの売り上げは商品によって2~5割ほど増えたという。

 取締役営業部長の高橋則雄さん(64)は「有料義務化で、ようやく『何とかしよう』と動きだす企業が増えてきた」と話す。

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(左)手のひらサイズの小袋に入った「NANOBAG」 (右)広げると縦60センチ、幅43センチになる。重さは20グラムほど

コンビニ動く

 これまで有料化に積極的ではなかったコンビニでも対応の動きが広がる。ミニストップは昨年6月から千葉市内の直営店2店舗で、レジ袋を1枚3円で提供する実験をスタート。4日からさらに店舗数を増やした。セブン-イレブン・ジャパンは1月、有料義務化を見据え、広げればエコバッグとして使えるハンカチを東京都内の店舗で発売した。

 すかいらーくグループは昨年12月、運営するガストやジョナサンなどのレストランで順次、テークアウト用のレジ袋を石油由来から、100%植物由来のバイオマス素材に切り替えた。

◆基本のポイントQ&A

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 Q なぜ、有料義務化?

 A プラスチック製のレジ袋は、石油から作られ、自然界では分解されません。近年、その一部が海に流れ込み、環境汚染を引き起こしていることが世界で問題視されています。環境省の資料によると、海外では規制が広がり、ケニアでは2017年、プラ製袋の生産や使用に対して最高4年の禁錮刑か4万ドルの罰金を科す法律が施行されました。

 国連環境計画(UNEP)によれば、日本の国民1人当たりのプラ容器包装ごみは、米国に次いで世界で2番目の多さ。国は昨年、30年までに使い捨てプラを25%削減することなどを打ち出し、取り組みの一環としてレジ袋の有料義務化が決まりました。

 Q どんな店が対象?

 A 容器包装リサイクル法の省令改正により、スーパーやコンビニ、ドラッグストアなど、全国の全ての小売業者に義務付けられます。小売業がメインでなくても、例えば、美容サロンが商品を販売し、袋を使えば、対象です。ただ、単発的なフリーマーケットへの出品など事業と見なせない場合は対象外です。

 Q 全てのレジ袋が対象になるの?

 A 国のガイドラインの定義では、まずプラスチック製であること。また、商品を入れる袋で、持ち手があることなどを挙げています。このため紙袋や、生鮮食品などを入れる持ち手のない袋は対象外です。

 ほかに例外が3つあります。1つ目は厚みが0・05ミリ以上の袋。簡単に破れないので繰り返し使えることから、使い捨てには当たらないという考え方です。2つ目は「海洋生分解性プラスチック」を100%使用した袋。微生物の働きなどで海で分解されるプラスチックのことです。

 3つ目はサトウキビやトウモロコシなど、動植物由来のバイオマス素材を25%以上使ったもの。バイオマス素材は、成長する過程で二酸化炭素(CO2)を吸収するため、燃やしても温室効果ガスの増加にならないという考え方に基づきます。

 3つの袋ともその旨をマークなどで示し、海洋生分解性プラスチックとバイオマス素材の袋については第三者機関の認定を受ける必要があります。

 Q 袋はいくら?

 A ガイドラインでは、価格は1円以上で、事業者の判断で設定することになっています。既に有料化を導入している小売店では1枚当たり2円や3円、5円といった価格が多いです。

 あくまで袋1枚につき、料金を取ることがルール。袋を辞退した客に値引きをしたり、ポイントを付与したりする方法などは有料化とは見なされません。自治体のごみ袋を店がレジ袋代わりにサービスで渡しているケースもありますが、これも有料化の対象となります。

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◆プラごみ問題 皆で考えて識者

 有料義務化を、消費者はどう受け止めればよいのか。環境経済学が専門の細田衛士・中部大教授(66)=写真=は「使い捨てのライフスタイルを変える小さな一歩になる」と期待。一方、「レジ袋をやめれば問題が片付くわけではない」と指摘する。

 細田さんによると、国内のレジ袋は年間20万~30万トンとされ、プラごみ全体の2~3%程度。さらに、プラ製のエコバッグをすぐに捨てたり、市販のプラ製袋をレジ袋代わりに使い捨てたりすれば、かえって環境への負荷が大きくなる可能性もある。また、プラ包装は食品の保存性を高め、食品ロスの削減に役立っているとの見方もできる。

 「本当に問題解決になるのか、全体をよく俯瞰(ふかん)して見ることが大切だ。レジ袋有料化を一つのきっかけにして、プラスチック問題解決への道筋を皆で考えていく必要がある」と話す。




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