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嫡出否認「夫のみ」合憲が確定 最高裁が上告退ける(2020年2月7日配信『日本経済新聞』)

 生まれた子との父子関係を法的に否定する「嫡出否認」の権利を夫だけに認める民法の規定は違憲として、神戸市の女性らが国に損害賠償を求めた訴訟で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は7日までに、女性らの上告を退ける決定をした。5日付。規定は「合憲」として請求を退けた一、二審判決が確定したが、同小法廷としての憲法判断は示さなかった。

 民法は結婚中に妻が妊娠した子は、たとえ夫以外の男性との間の子だとしても法律上「夫の子」と推定する「嫡出推定」を定めている。この父子関係を法的に否定する嫡出否認の権利は夫には認められているが、妻や子には認められていない。

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 こうした規定などがあるため、出生届を出さず、子どもが無戸籍になるケースが相次いでいるとの指摘もあり、法制審議会(法相の諮問機関)の部会が見直しに向けて検討を始めている。

 今回の訴訟の原告は女性と娘、孫2人の計4人。判決などによると、女性は夫の暴力から逃れて別居中の1980年代に別の男性との間に娘をもうけた。離婚後、男性の子として娘の出生届を出したが、嫡出推定の規定により不受理になった。暴力を恐れて元夫との関係を断っていたため、娘と孫2人は長期間無戸籍となり、元夫の死亡後の2016年に戸籍を取得した。

 訴訟で原告側は「妻や子も嫡出否認の訴えを起こせれば、無戸籍にならなかった」と主張。一方、国側は妻や幼い子に嫡出否認の権利を与えると、扶養や相続などの権利が子の利益に反して奪われる事態も生じうるなどとして「規定には合理性がある」と主張した。

 一審・神戸地裁判決に続いて原告側の請求を棄却した二審・大阪高裁判決は、父子関係を法的に早く安定させるため、嫡出否認の権利は限定的なのが望ましいと指摘。夫と子は嫡出推定で法的な父子関係となり、扶養や相続などの権利義務が直接生じる点を踏まえ、嫡出否認の権利を夫のみと規定することに合理性があると判断した。

 一方で、妻子に嫡出否認の権利を認めるかは「国会の立法裁量に委ねられるべきだ」とした。

 今回の最高裁の決定により、嫡出制度のあり方を国会の立法裁量に委ねた司法判断が確定し、法制審での議論が今後加速する可能性がある。



嫡出否認規定訴訟 「夫のみに認めた民法規定は合憲」確定 女性らの上告棄却決定(2020年2月7日配信『毎日新聞』)

 生まれた子との父子関係を否定する「嫡出否認」の訴えを夫のみに認めた民法の規定は憲法に反するとして、女性らが国に賠償を求めた訴訟の上告審で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は5日付で女性らの上告を棄却する決定を出した。規定を「合憲」とした1、2審判決が確定した。

 裁判官4人全員一致の意見。嫡出否認の規定の違憲性が主要な争点になった初の訴訟だったが、小法廷は「上告理由に当たらない」とだけ述べ、憲法に適合するかどうかは判断しなかった。

 民法には「婚姻から200日経過後に生まれた子は夫の子」「離婚後300日以内に生まれた子は前夫の子」とする嫡出推定の規定がある。

 夫(前夫)は「嫡出否認」の訴えにより推定を覆すことができるが、妻や子は認められていない。夫(前夫)の子とされるのを避けるため、出生届が提出されず、子が無戸籍となるケースがあり、法制審議会(法相の諮問機関)が2019年から制度の見直しを議論している。

 1、2審判決によると、女性は夫の暴力を理由に別居。婚姻関係が継続したまま、別の男性との間に娘が生まれた。男性を実父とする出生届は嫡出推定によって受理されず、娘と孫2人は無戸籍となった(後に戸籍を取得)。女性側は、嫡出否認の訴えが夫に限られているのは、法の下の平等を定めた憲法14条に反すると主張。国に計220万円の賠償を求めた。

 1審・神戸地裁判決(2017年11月)は規定を合憲として請求を棄却。2審・大阪高裁判決(18年8月)も嫡出否認権が夫にのみ認められるのは、父子関係を早期に安定させるためで「一応の合理性がある」と判断。妻や子に否認権を認めるのは不合理ではないとしたが、「家族制度のあり方の問題で国会の立法裁量に委ねるべきだ」と結論付け、1審を維持した。

 同様に、嫡出否認規定の違憲性が主な争点となっていた別の訴訟についても、最高裁第1小法廷(木沢克之裁判長)は6日付で原告側の上告を棄却する決定を出した。



「嫡出否認は夫のみ」合憲 最高裁、妻子側の権利認めず(2020年2月8日配信『東京新聞』)

 生まれた子との父子関係を法的に否定する「嫡出否認」の訴えを起こす権利を夫だけに認めた民法の規定は、男女平等を定めた憲法に違反するかどうかが争われた訴訟で、最高裁第2小法廷(岡村和美裁判長)は原告側の上告を退ける決定をした。5日付。規定を「合憲」とした1、2審判決が確定した。最高裁は具体的な判断理由を示さなかった。

 民法は、結婚中に妻が妊娠した場合は夫の子と推定し、これを覆す嫡出否認の訴えは夫だけができると規定。ドメスティックバイオレンス(DV)などの事情で、離婚成立前に別の男性との間で子どもを産んだ母親が、夫の子になるのを避けるために出生届を出さず、子が無戸籍となる要因とされている。法制審議会は妻や子も否認の訴えを起こせる案を含め、規定見直しを検討中だ。

 原告は神戸市の女性と娘、孫2人の計4人。女性は暴力が原因で夫と別居し、離婚が成立しないまま別の男性との間に娘をもうけた。夫が法律上の父となることを避けるため出生届は出さず、娘と、娘が産んだ孫2人が無戸籍となった。「民法の規定が原因で不利益を受けた」として、国に計220万円の損害賠償を求めていた。

 2017年11月の1審神戸地裁判決は嫡出否認の規定について、要件を厳格に制限することで婚姻中の夫婦に生まれた子の身分を早期に安定させ、利益確保を図る目的があり、合理性が認められると判断した。

 18年8月の2審大阪高裁判決も「子との間で扶養義務や相続関係が生じる夫にのみ与えた制度には一定の合理性がある」とした。一方で、妻や子に嫡出否認権を認めることも不合理ではないとし「どのような制度とするかは国の伝統や国民感情を踏まえ、国会の立法裁量に委ねられるべき問題だ」と指摘していた。





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